ちょっとした作品解説とあとがき
ついにこれが本当の最後になります!
ここまでお読み頂きありがとうございました。
いやー、長かった、長かった。
書いても書いても書き続けても百物語が進みもしない。
2週間に1話書いても4年も掛かってしまいました。
それに一番苦労したのが文字コード!!
中華料理や漢詩や古文にはWeb上の文字コードで使えない文字が盛りだくさん!
文字化けも起こすわ、そもそも字がないわで大変な目に遭いました。
とっても大変で投げ出したくも……ならなかったですね。
作者は信念が固いのです。
じがじさーん!
これだけ長く書いているとキャラたちに愛着も沸くもの。
ですので、ここからは各キャラのシナリオについての駄文とちょっとしたあとがきになります。
〇本作についての駄文
コンセプトは”あやかし”とグルメの愉快な物語。
それも他の作品と差別化を図るために下記3点を念頭に置いて書きました。
1.登場”あやかし”は出来るだけ日本か中国の”あやかし”にしよう! 有名どころからマニアックまで!
2.人間には普通の料理でも”あやかし”にとっては未知、それで”あやかし”が感銘を受けるというのは避けよう!
3.シナリオは出来るだけ愉快に読了後はスッキリと!
ひとつめは9割くらい達成出来ました!
明らかな西洋の”あやかし”は”猿の手”だけです。
あとは人間のアリスと影法師くらですね。
マニアック度についてもかなりのもの!
正直、作者には読者の方の妖怪知識がどれくらいかわかりませんが、百物語の”あやかし”を全て知っている人は妖怪博士とか民俗学の研究者くらいじゃないでしょうか。
でも、作者は、
『私の推しの”あやかし”がグルメとからめてどう書かれるのか楽しみ!』
『へー、こんな”あやかし”がいたんだ!』
こんな風に読んでもらえたらいいなと思って書きました。
ふたつめもかなり達成出来たと思っています。(8割くらい)
人間にとっては常識でも”あやかし”にとっては知らないというのはほぼ無く、料理に関するエピソードと”あやかし”を絡めて上手く書けたのではないかと。
ただ、料理が普通の人は知らないマニアックな物になってしまったり、ストーリーを進める関係上、中にはおざなりになってしまった話があるのは否めません。
そう思うと中盤の”あやかし”が『酒処 七王子』を訪れて、そのトラブルや悩みを料理で解決するというルーチン的な展開が一番理想に近かったかもしれません。
でも、それだと完結しない! 折角百物語とタイトルにつけて終わりを見せているのに終わらない物語は良くない!
終盤はそう思いながら書いていました。
みっつめも9割方は出来ましたよ。
というか、本作は”あやかし”の話なのに全然怖くない!
ゲゲゲの鬼太郎には少し怖い話もあるのですが、そんなのも一切ない!
ただ、楊貴妃と蒼明と珠子のラストがちょっと……。
いや、作者は書いてみたかったんですよ! ”メリーバッドエンド”ならぬ”もやもやハッピーエンド”ってやつを!
ちなみに”メリーバッドエンド”は登場人物からするとハッピーエンドですが、第三者や読み手からするとバッドエンドに思えるエンディングを指す俗語です。
”もやもやハッピーエンド”は登場人物はハッピーエンドに思っているが、読み手からすると”ハッピーエンドっぽいけどもやもやする”という作者の造語です。
スッキリしなかったらゴメンナサイ……。
ここからは、各キャラのシナリオコンセプトと駄文です。
・黄貴一門
シナリオコンセプトは珠子が解決しない!
気付いている方も多いと思いますが、彼がメインのシナリオは珠子の料理で解決するのではなく、彼の度量や作戦で解決しています。
料理はその作戦を構成する一要素ですね。
途中までは一門を増やし、後にはその臣下と一緒に七王子のリーダーとして活躍する展開になりました。
シナリオ上、終盤まではただのボンボン王子のように見えてたと思いますが、実は頼りがいのある長男なのです。
そして一門では鳥居様が大活躍!
というか、黄貴を喰ってしまっているのでは!?
作者にそう錯覚させるほど活躍しました。
だって便利なんだもん! 日本史マスターだし、江戸時代から明治初期の文化を知り尽くしているし、お奉行様なので一般人が知らないことを知っていてもおかしくないし!
あまりにも便利過ぎたので後半は少し自重しました。
一門のバランスは良く取れていたと思います。
讃美が九尾の分体と妖狐被りしてしまって、影が薄くなってしまったのが残念です。
・藍蘭と女友達
シナリオコンセプトは残念系美女!
オカマは動かしやすいって評判だから大丈夫と思っていたら、さあ大変!
全然動かしやすくないじゃないのー!?
最初の女子会を少しやった所でネタが出なくなってしまいました!
なので急遽路線変更! アリスとのラブロマンス、大悪龍王編が始まった次第です。
・赤好と恋愛同盟
最初は恋愛相談、後半は己の恋愛成就というように前半と後半でシナリオが少し変わりました。
彼の権能は最初は禍福にしようと思っていたのですが、やっぱ恋の橋渡しだよねーということで架橋に変更しています。
実は作者は負けヒロインとか当て馬系キャラが大好きです。
彼は後半から一気に珠子恋愛模様に参入する差し馬系となりました。
途中、白馬の王子様の白馬と呼ばれたり、当て馬だったり、差し馬だったり、馬ばっかですね。ヒヒーン!
ま、彼の権能も人間万事塞翁が馬に通じるものもあり、これでよかったのかも。
恋愛同盟はみんなハッピーエンド後の”あやかし”たちなので、全体的に余裕があって書きやすかったです。
個人的にはオチ担当の黒龍がお気に入りです。
彼が本編後終了後の珠子恋愛模様で逆転出来るのかは作者にもわかりません。
未来への橋はあなたの心にあるのです。
・緑乱と袖すり合う縁
シナリオコンセプトは人生の先輩による珠子へのアドバイザー。
なので、彼のシナリオに登場する”あやかし”はそれっきりの縁になってしまい、後々ほとんど登場しません。
これは困った、何か策を考えなくては。
というわけで追加した設定が、実は八尾比丘尼として二周目に入っていたという設定です。
個人的には彼の珠子や他の登場人物に対するサッパリとした振る舞いの裏付けが出来たと思っています。
後付けですが!
・蒼明ときゃわいい仲間
当初のシナリオコンセプトは科学要素が多めの鬼畜眼鏡。
眼鏡なので当然知的で、各所で説明役もこなすパーフェクトと思いきや、きゃわいいもの好きという設定が出てから別方向に変わってしまいました。
しかも最後は全てを持って行きますし。
彼の信条は独善に凝り固まっていますが、彼自身もそれを自覚した上で”それでもいい”と思っています。
たとえ自分が傷ついても、他者が幸せになればそれでいいと、それが貴種の務め、ノブレスオブリージュだと。
ある意味、幸せな王子系ですね。
当初設定では彼の権能は”闘神”でした。
眼鏡を外すとバーサーカーになるという設定があったのですが、
『眼鏡キャラが眼鏡を外すなんてとんでもない!』
そんな高次元生命体の声が聞こえたので”得心”へと変わりました。
うんうん、それでよいのじゃ。
・橙依と親友と悪友
シナリオコンセプトは本編の裏主人公でラノベ系主人公!
ただ、ちょっと昔のタイプで最強系でもヤレヤレ系でもなく、仲間と自らの努力と勇気で目的を達成していくタイプ。
そのせいか、ちょっとだけハーレム要素もあります。
作者の考える中学生の男友達っぽく書いています。
最初の仲間が天邪鬼と覚というある意味最強メンバーで、さらに彼自身もコピー能力や珠子の心を好きな時に読めるという設定を盛り込んだため、シナリオ作成に苦労しました。
覚が含んだ言い方をしている時は、たいてい橙依が心を読めない周囲のメンバーの心を読んで話のオチを知っている時です。
オチ担当になったり、作中でひどい扱いを受けた時もありますが、作者のお気に入りのキャラです。
ギーグ系なので作者の好きなパロディ系の台詞も言えますしね。
彼が最後に珠子と何をしたのかは謎です。
謎ということにしておいて下さい。
・紫君とどこかで再会する魂たち
一番の問題児!
というか、ひらがなむずかしい!
当初のキャラコンセプトは小悪魔オスガキ系だったのですが、次第にただの小学生になってしまいました。
しかも、シナリオに登場した”あやかし”の大半が成仏しちゃうじゃないですか!?
これじゃ、ボッチ系になっちゃう!
それを何とかしようと九尾の分体のコタマを登場させた次第です。
彼の誕生日、3月24日、何もない特別な日という設定はちょっと気に入っています。
・酒呑童子一味
当然ですが彼とその一味は実在の”あやかし”です。
(”あやかし”を実在というのも変ですが)
ですので、ある程度は伝承を基にしているので話は書き易かったです。
ただ、キャラ付けに苦労しました。
準レギュラーキャラなので誰が話をしているかわかるようにしないといけない。
なので熊シリーズに変な語尾がついたり、鬼道丸がたわけキャラになっちゃってます。
ちなみに、酒呑童子がたまにセクハラや下ネタ発言するのは父の血です。
酒呑童子はバトル要素が多めですが、本作は少年漫画系バトルものではないので、修行とかパワーアップイベントとかが無く、描写に苦労しました。
大嶽丸とのバトルはちょっと気に入っています。
・珠子とあやかしグルメ百物語
ほぼ全ての百物語に登場している本作の主役にしてヒーロー。
なので、彼女がヒロインになるのは百物語終了後です。
初期はかなりはっちゃけていましたが、後半はまれに落ち着いた振る舞いまいを見せる事があります。
まれにですが。
彼女のシナリオコンセプトは単純で料理と蘊蓄で”あやかし”を魅了するです。
ですので、料理以外では比較的普通の人間、霊感がちょっと強いだけです。
戦闘では無力ですし、作った料理も美味しくてお腹が膨れる以外の効果はない。
これは、そんな普通の女の子の物語です。
普通じゃないだろというツッコミは無しで。
両親の死というトラウマを抱えていますが、それを前面に押し出すと愉快で楽しい物語にならないので、その描写は少ないです。
でも、それが逆に彼女があえて思い出さないようにしている感じが出て逆に良かったかなと。
◇◇◇◇
こうやって思い直してみると、いっぱい書いたなー!
最初は百物語+ラストエピソードなんて遠すぎる道のりだと思いましたが、最後まで書ききることが出来ました!
これもひとえに最後まで読んで頂けたみなさんのおかげです!
あとは作者の力量! じがじさーん!
最後に、本作のコンセプトは愉快で楽しい”あやかし”とグルメの物語。
しかも、百物語なので終わりが見えてる安心、安全の完結仕様です。
この長い長い物語を最後までお読み頂きありがとうございました。
今後はちょっと充電期間を経て次回作を書くつもりです。
次はこんなに長くはなく短めになると思います。
作者はちゃんと完結する物語が好きです。
そして、好きなものを書くというのが信条です。
ではまた、次回作でお会いしましょう!




