続続、作者の駄文と補足説明
こんにちは! またまた登場! 作者と駄文です!
やっと百物語も中盤に差し掛かりました。
やっと40%強の消化といったところでしょうか。
最初に宣伝です!
この作品は百物語を目指しているのですが、その完成には作者のモチベーションというものが必要です。
ああ! 下がってきた! モチベーションが! さがって!
チラッ
モチベーションを上げるのにさほどお手間は取らせません。
お金も差し入れも不要です!
ほら、そこにお気に入りボタンがあるじゃろ……
よしっ、宣伝完了!
■登場人物紹介(追加)
・酒呑童子
八岐大蛇の八番目の息子という設定を背負わせた俺様系。
ですが書いているうちに何だか心情にブレが生じてしまいました。
登場時は神便鬼毒酒の影響で機嫌が悪く、回復していくにつれ元の快男児っぽくなるように書いたつもりですが、最後の方で熱血系主人公みたいなことになってしまいました。
珠子にコナをかけたり、花の精とニャンニャンしたりしているのに、茨木童子に恥ずかしい愛の告白をしてしまうようなキャラに……
い、一応、酒呑童子と茨木童子はモラルや教養を平安の上流階級(郡司級)と設定しているので、酒呑童子は正妻の地位に茨木童子に据えれば、第二夫人や第三夫人を囲ってもいいという思考回路があります。
茨木童子も自分が認めた相手だったらまあええと思っています。
作者が上手く書ききれた自信がありませんが……
八王子の中の妖力ランキングは神便鬼毒酒の影響が少し残っているので、夜ならば蒼明を上回り最強、昼だと下回り2番目くらいです。
■各話のやくたいもない解説
〇第五章 遠征する物語とハッピーエンド
・2018年7月下旬~8月初旬
『幽霊列車とお饅頭』
死後の世界に旅立つのに乗り物はつきもの!
ちょっと鉄ちゃん要素やギネスのスタウトというネタも交えてみました。
お気づきの通り、死神の名前は死天使の分割です。
個人的にインカに目覚めた所のくだりは気にいっています。
・2018年8月初旬
『泥田坊とおこげごはん』
ゲゲゲの鬼太郎では時代の流れの影響を受け、オチが変わってしまうことが多い泥田坊さん。
本当は江戸時代に誕生したという節が有力ですが、本作では田が生まれた時(稲作の誕生)から田を守る守護者という設定を加えています。
棚田は日本独自のものではなく、東南アジア各国でも見られる風景ですので、世界の棚田を守るルートも考えていたのですが、やはり日本人として日本の田んぼを守って欲しいという気持ちが勝ったのでふるさと再生のルートにしました。
漢詩の部分は正直やり過ぎとも思いました……もう少しコンパクトにまとめたいですね。
・2018年8月初旬
『朱雀門の鬼と手ごねパン』
京都のちょっとマイナーな鬼、朱雀門の鬼。
双六(現代のバックギャモンのようなもの)で紀長谷雄との遊戯に興じるボドゲ大好きっ鬼。
絶世の美女を死体で作ったりするなど、現代のオタクに通じるものもあります。
ですが内裏と目と鼻の先の朱雀門に棲むなど、その実力は折り紙付きです。
なので平安最強かも設定が付いてしまいました。
立体パンの造形は本当に難しいです。
現代だと下をカップにして上半身だけを造形するパンならあるのですが、自立するキャラクターパンは無いのではないでしょうか。
・2018年8月上旬
『酒呑童子とお粥』
作者は好きなんですよ、勝負に勝って試合に負けた、試合に勝って勝負に負けたみたいな話が。
なので、ここの珠子と酒呑童子の対決もそんな話になっています。
酒呑童子はこの章のヒロイン(あながち間違いではない)の位置づけなのに登場がかなり遅くなってしまいました。
最初は珠子とのロマンス展開も考えていたのですが、このふたりは性格が似ているのですぐに恋人関係は無理だろうなー、と思ったので最後に路線を変更しています。
作者の中では、よく思考するキャラの結婚観は未来をずっと考えて、考えて、考えて、自分の気持ちや将来像を考えた上で結ばれると思っているのです。
ある意味、相手の年収や性格、相手の家との家族関係を考える現代人に近いかもしれませんね。
そうして婚期が遅れるのですよ……
あれ……なんだろう……モニターが霞んで……
・2018年8月中旬
『鬼道丸と失敗チョコケーキ』
ゲゲゲの鬼太郎6期で登場する鬼道丸(伊吹丸)は地獄の四将に数えられ、イケメンで強く愛情深いキャラなのに……
作者のデザインでは失敗コンプレックスを持つへっぽこキャラクターになってしまいました。
微妙に西洋かぶれなのは鬼道丸の演目がある文楽がユネスコの無形文化遺産に登録されているからという裏設定があります。
そして、この話はタイトルがネタバレなんですよね。
タイトルを『失敗チョコケーキ』にすべきか『トルタ・カプレーゼ』にすべきか大いに悩みました。
お菓子に造詣の深い方なら簡単に連想出来てしまうので、そんな安直でいいものかと。
でも読者の方が『安直だね』というよりも『やった当たった』と思ってくれるのではないかと考えて、このタイトルになりました。
一応、この『安直だな』と思われた方に『ほう!』と思われるように後の話にはタイトルに工夫を凝らした物を用意しました。
(詳細は後述)
・2018年8月中旬
『花の精と天ぷら』
ゲゲゲの鬼太郎では最弱妖怪の地位に甘んじる”花の精”。
ですが、花の種類によっては強いのでは? という考えから生まれた”忘れ草”の花の精。
2000年代以降の能力バトル物で勢力を伸ばしている”幻覚系”や”気が付けない能力”といった『知覚阻害系』の能力を持っています。
でも、この”忘れてしまう”能力はバトル物にもあまり見たことがありません。
ジョジョ6部で3つまでしか覚えられないようにするスタンド使いくらいでしょうか。
多分、この”忘れてしまう”能力の攻略が難しいからではないかと思います。
「あいつの正体がわかったぞ!」→「本当か!? 教えてくれ!」→「すまん忘れた……」
「お前を倒す方法を思いついたぜ!!」→「ちくしょう! ド忘れしちまった……」
「この秘密情報を主人公に届けなきゃ!」→「やっと再会できたのに、秘密情報を忘れちゃったよぅ……」
こんな感じになるので、攻略法を考えるのが難しいのかと。
対策は逆の属性を持つ勿忘草を事前に摂取するしかないかと思います。
この作品はバトル部分は少な目なので、彼女の活躍はこの章の最後にちょっとだけです。
ですが、脈絡もなく登場しても、彼女の存在を作中人物も作者も読者でさえも”忘れていた”という理由で辻褄を合わせられる便利なキャラクターでもあります。(作者の力量不足ともいう)
また、このお話ではちょっとだけ濡れ場シーンがあったりします。
花芯(直喩)、花弁(直喩)、露で濡れ(直喩)だらけですが……。
・2018年8月中旬
『石熊童子とウズラ料理』
女房に化けた伝承があるせいで、男の娘キャラになってしまった下ネタ担当、それが石熊童子です。
”いくしま童子”の名で伝承されていることもあります。
他の四天王よろしく語尾に”しー”を付けたのですが、そんな事をしなくても台詞からキャラがわかっちゃいます。
この話は最初に注意書きがありますが、当初はもっとジビエグログロでした。
夏場は草葉が生い茂り、視界が見通せないので誤射の恐れがあるとして狩猟が禁止されている時期なのですが、珠子が『人間でない山の生き物が鹿や猪を撲殺したのを、たまたま人間が拾って食べるのはオッケー』とか言い始めるような展開です。
さすがに、これはないわーと思って養殖ウズラを絞める話になりました。
作中にあるキャンプでウズラのジビエを食べる漫画は『鉄鍋のジャン』です。
そのエピソードが掲載されていたのは1995年ごろだったので、この時期だとウズラはまだ狩猟対象でした。
いつか、野生生物があふれる豊かな自然が復活してくれるといいなぁ。
・2018年8月下旬
『白澤様とよだれ鶏』
中国と日本の近くて遠い文化を表現したお話。
完食せずに少し食べ残ししたり、冷えた物を避けるというのは結構有名だと思います。
ちなみに、昨今は少し変化が生まれ始めていて、冷えた料理でも寿司とかなら海外の食文化として受け入れられつつあるそうです。
またツイッター画像を見た方は気付かれたかもしれませんが『よだれ鶏のかけ汁にご飯を入れて食べる』のを推奨している東京の名店とは”陳家私菜”です。
しかもメニューの文脈をみる限り、よだれ鶏の器の方にご飯を入れるのを推奨してるっぽいんですよね。
ただ『皿を持ち上げて食べるべし』みたいな事は書いていません、流石に中国の礼儀作法に反しますので。
ここは作者の創作ですね。作者はやってしまいましたが……。
この”陳家私菜”は都内各所にあります。
チェーン店ではなく、経営者が認めた者だけがのれん分けのような形で営業しているので味は折り紙付きです。
興味を持たれた方は是非!
めがっさうめぇです。
・2018年8月下旬
『比翼の鳥と洗い』
タイトルに偽りあり! 比翼の鳥なんて登場しません!
タイトルにネタバレあり! 鋭い方は”洗い”から『ああ、水魚の交わりね』と連想できてしまいます!
この話が『鬼道丸と失敗チョコケーキ』で『安直だな』と思われた方を『ほう!』と思わせたいと考えた話です。
洗い → 水魚の交わりは連想できても、その洗いの魚にコチを使うことまで予想はできなかったのではないでしょうか。
さらに コチ → 東風 → 東風 → 愛の風
という所まで予想出来た方は少ないと思います。
というか、出来たら超人なのでは?
比翼の鳥は二羽で左右に寄り添いながら飛ぶという伝説の鳥で、ダーリン・イン・ザ・フランキスのモノローグでも登場するような弱々しいイメージがあります。
ですが、作者の頭は少年脳なのでこの話を書いている間、『左右合体! ウルトラレイカー!』とか『シンメトリカル・ドッキング!』という勇者の叫びが頭にリフレインしていて、そのイメージを追い払うのに苦労しました。
もし、比翼の鳥が”あやかし”として登場していたら、橙依君と一緒に勇者シリーズを見るような展開になったかもしれません。
本作ではパロディを封印しているので出来ませんが……
相手に送った歌が思いもよらない結婚の申し込みになった、という話は氷室冴子先生の『なんて素敵にジャパネスク』からのネタです。
瑠璃姫と高彬の話ですね。
本作では基本的にパロディネタを封印していると数行前で書いておきながら、この体たらくです。
い、一応『酒呑童子とお粥』で珠子が『なんて素敵にジャパネスク』を読んでいるという伏線を潜ませています。
作者もこのシリーズが大好きで、いつか同じように『メッセージを出した本人も気づかぬうちに愛の申し込みをしていた』みたいな話を書きたいと思って作りました。
もし、平安や漢詩が大好きな恋人がいらっしゃったら”コチの洗い”で愛の告白をしてみてはどうでしょうか。
……すみません、冗談です。
・2018年8月末
『珠子と今大江山酒呑童子一味と化物婚礼』
正直、不完全燃焼気味の話です。
この章の最後の話としてオールスター要素を入れたのですが、ストーリーを進めると料理要素が薄くなってしまい難儀するという壁にぶち当たってしまいました。
出来るものならば、化物婚礼の部分はイラストを入れて絵巻にしたかったのですが、作者の画力は非情に低いので断念しました。
もう少しロマンチックな愛の告白の台詞にしてみたかったりします。
茨木童子はその両親が美男美女でその子供がそれに嫉妬する男女の念を受け、生まれた時から鬼だったという設定もあるのですが、その部分を書ききれませんでした。
もう少し構成力を鍛えないといけませんね……
◇◇◇◇
さて、今後の展開ですが、やっと主人公珠子の目的が明らかになりました。
次の章はその目的のために彼女がどのような行動を取るのか……ではなく、珠子不在時に七王子のみんながどんな夏休みを過ごしていたかという話になります。(時系列が少し巻き戻ります)
そして次の章は逆に珠子がちょい役だけでほとんど登場しない章になります。
全然話が進まないじゃん!
とまあ、そんなツッコミはさておき、次の話も料理と酒がテーマの愉快なお話路線は変わらないと思います。
この遠征編は全3部を超える構成が多かったので、出来るだけ3部構成にもどしたいなーと考えています。
(実現できる保証がないのが辛い所です……)
これからも本作をお楽しみ頂けると幸いです。




