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あやかし酒場と七人の王子たち ~珠子とあやかしグルメ百物語~  作者: 相田 彩太
登場者紹介(簡易)と予告も兼ねた百物語リストもしくはお品書き、前半(1~50話)
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登場者紹介(簡易)と予告も兼ねた百物語リストもしくはお品書き、前半(1~50話)

〇登場者紹介(簡易) 


・珠子

 本編の主人公、2X歳。

 家事と料理が得意な普通の女の子。

 ちょっと霊力も高かったことから”あやかし”が集う『酒処 七王子』の店員になることになる。


七王子


・長男:黄貴(こうき)

 金の髪に(あお)い瞳、欧米人モデルのような長身の青年。

 日本の妖怪王を目指している。



・次男:藍蘭(らんらん)

 オカマっぽい口調が特徴の深い(あい)色の瞳を持った青年。

 可愛い物やおしゃれが大好きで、様々な所で女子会を開いている。

 

・三男:赤好(しゃっこう)

 赤髪と黒い瞳のちょっと軽い感じのする青年。

 街にナンパに行く事が多いが、軽い言動と押しの弱さが原因で成功率は低い。

 

・四男:緑乱(りょくらん)

 薄緑の井桁(いげた)模様の着流しが特徴的なおじさん。

 朝から酒を飲んで、酔っ払って寝る事が大好き。


・五男:蒼明(そうめい)

 空色の髪と(あお)い瞳と眼鏡がトレードマークのインテリ風の青年。

 自然科学系の大学に通っており、普段は普通の大学生として生活している。


・六男:橙依(とーい)

 見た目は中学生くらい、逆三角に垂れ下がったオレンジ色の髪で片方の目をが隠れているのが特徴の少年。

 ゲームやアニメが好きなインドア派、暇があったらスマホゲームをいじっている。


・七男:紫君(しーくん)

 クリーム色の髪と紫の瞳を持つ小学生くらいの男の子。

 町中を駆けまわり、お外で遊ぶのが大好き。


〇百物語あるいはお品書き


第一章 はじまりの物語とハッピーエンド


・一物語 七王子とゆで卵

 七王子:東京八王子のはずれにある酒処には七人の”あやかし”の兄弟が棲むという。彼らは王の子であると自称しているが……


 ゆで卵:卵を茹でたもの。鶏卵やウズラの卵が一般的。


・二物語 お稲荷様と栗の甘露煮

 お稲荷様:古今東西、年を経た狐は人を化かすという。

 野狐(やこ)仙狐(せんこ)九尾狐(きゅうびのきつね)の玉藻の前が特に有名。

 お稲荷様は神社などを守る神使として(まつ)られている。


 栗の甘露煮:栗を砂糖などで甘く煮たもの。平安のころより食されていた。


・三物語 河童とキュウリ

 河童:日本各地の水辺に生息する”あやかし”。相撲とキュウリが大好き。

 頭の皿の水が乾くと力が弱くなるとう弱点がある。実は宇宙人という説もある。

 九州には九千坊という九千もの部下を持つカッパの頭領が生息しているといわれている。


 キュウリ:ウリ科の一年草。味が薄く栄養も少ないが歯ざわりと水分が豊か。


・四物語 破戒僧とロリポップ

 破戒僧:仏の道を進む僧職でありながら禁じられた行為を行う者を指す。

 ちなみに基本となる五戒や入門となる十戒には不飲酒戒(ふおんじゅかい)という飲酒を禁じる戒律はあるが、肉食を禁じる戒律はない。

 しかし肉食は殺生に通じるため禁じられていることが多い。


 ロリポップ:棒のついた飴の英語の総称。ペロペロキャンディが代表的。


・五物語 あかなめとホットワイン

 あかなめ:風呂場に出現して垢をなめる妖怪。江戸時代の妖怪画集画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)が有名。

 お風呂の掃除はこまめにしよう!


 ホットワイン:主に赤ワインを温めたドリンク。シナモンやジンジャーなどを加える事も多い。


・六物語 天邪鬼とオムレツサンド

 天邪鬼:相手の言う事に逆らったり、本心と裏腹な態度をとったり意地悪な行動をしてしまう鬼。


 オムレツサンド:オムレツをはさんだサンドイッチ、オムレツの具や味付けによりバリエーションは豊富。


・七物語 ようかいさんと黄金餅

 ようかい:???


 黄金餅:もち米に(あわ)を加えた餅。江戸時代、色が黄色であることから黄金餅とよばれ縁起物として(とり)の市などで販売された。

 残念なことに現代では一部の店舗でしか販売されていない。


・八物語 あやかし女子会とおいも料理

 文車妖妃:百器徒然袋ひゃっきつれづれふくろに登場する恋文の念が”あやかし”化したもの。眼鏡(重要)

 橋姫:平安時代に恋心と嫉妬により鬼となった女性。丑の刻参りのモデルともなっている。


 おいも料理:里芋、ジャガイモ、サツマイモなどなど、それを素材とした料理の総称。

 焼く煮る蒸す潰す発酵させるなどなどバリエーションが多く、全ての料理を把握するのは不可能なレベル。


・九物語 珠子とたまごふわふわ

 たまごふわふわ:江戸時代に高級料理として食べられていた卵料理。

 泡立てた卵を出し汁に入れ蓋をして蒸らして作る。

 スフレオムレツのようにスポンジ状に仕上がり、口の中でジュワっと出汁と卵の甘味が広がる。


◇◇◇◇

第二章 流転する物語とハッピーエンド


・十物語 貧乏神と貧乏料理

 貧乏神:貧乏を司る神。その発祥は古く、富める者と貧しい者が誕生したころから存在している。

 彼を追い払うと代わりに福の神が来たり、貧乏神が転じて福の神となるという言い伝えがある。


 貧乏料理:安い食材を使った料理全般を指す。

 もやしやパンの耳、傷物野菜などなど。調理法も炒めて塩で味をつけるだけといった単純なものが好まれる。


・十一物語 続・あやかし女子会とクリスマスバーレル

 清姫:平安時代の説話集『今昔物語集こんじゃくものがたりしゅう』の一説『安珍(あんちん)と清姫』に登場するヒロイン。

 安珍に裏切られて蛇の化身と化し彼を追い詰める。

 逃亡の末、道成寺(どうじょうじ)の鐘の下に隠れた安珍を鐘ごと焼いて蒸し殺した。

 ちなみに自分から安珍に夜這いをかけた恋愛脳直情ファイヤーガールである。(当時は男が夜這いをするのが普通)

 鬼女紅葉:長野県の戸隠に伝わる鬼女伝説に登場する女の子。

 源経基(みなもとのつねもと)の妾になるが、正妻との確執が勃発、正妻の不幸を第六天の魔王に祈った罪で戸隠(とがくし)に流される。

 その後、妖しい術を使った罪で平維茂(たいらのこれもち)に討伐された。

 似た伝説は長野県の鬼無里(きなさ)別所(べっしょ)温泉にも伝わっている。

 ちなみに幼名は呉羽(くれは)で鬼女になったら紅葉(もみじ)と呼ばれている。(作者は”くれは”読みにしています)


 クリスマスバーレル:クリスマスにチキンが詰め込まれたバケツ状の販売物。

 Barrel(バーレル)(たる)の意味だが、Barrel(バーレル)は”樽いっぱい”のという意味もあるので、クリスマスバーレルとは『バケツ入りどっさりチキン』という意味がチキン屋さんの意図に近い。


・十二物語 七王子と珠子と宝船

 七王子:『酒処 七王子』に住む強大な妖力(ちから)をもつ”あやかし”。真面目に生きる者もいれば、自由奔放(じゆうほんぽう)に過ごす者もいる。

 基本的にお酒と料理と女好きと言われているが、彼らに特定のパートナーが居るという噂は聞かない。

 珠子:本編の主人公、普通の女の子のはずだが、その言動を見るからに彼女は普通ではない。

 が……超常の特殊能力があるわけでもない。

 彼女は家事と料理の腕を鍛えただけの、ちょっと素っ頓狂(すっとんきょう)な女の子(自称)である。


 宝船:新年を祝う宝箱や七福神が乗っている船。

 江戸時代の妖怪画集『百器徒然袋ひゃっきつれづれぶくろ』にも載っている。

 この宝船が描かれた絵を枕の下に入れて寝ると、良い初夢が見れると言われている。


・十三物語 乙姫様と餃子

 乙姫:浦島太郎の伝説に登場する龍宮城の主、龍王の娘とも言われている。

 日本各地には龍宮伝説があり、呼ばれ方も様々。


 餃子:元は中国発祥の肉と野菜を細かく刻んだ物を小麦の皮で包んで火を通した料理。

 中国では水餃子が一般的だが、日本では焼き餃子の方が馴染みが深い。

 火の通し方も煮る、焼く、蒸す、揚げる様々で具もバリエーションが豊富。

 羽根つき餃子は焼く時の差し水に小麦粉が溶けて偶然に出来た物だが、最近はそれを意図的に作る事も多い。


・十四物語 コロボックルと焼き蛤

 コロボックル:アイヌ語で”(ふき)の葉の下の人”と呼ばれる小人。

 その愛らしさからよく北海道妖怪のマスコットになる。


 焼き(はまぐり):蛤を直火で焼いただけのもの。

 ただし、味はだけのもの(・・・・・)というレベルではなく、最高の食べ方のひとつと言われている。

 乱獲により蛤の国産は非常に少なくなっていて輸入が大半。


・十五物語 (さとり)と麻婆豆腐

 (さとり):人の心を読む妖怪、『お前、○○と思っただろう』と言うのが特徴。

 人間の意図しない偶然の攻撃を受けて退散するエピソードが多い。


 麻婆豆腐:中国四川省発祥の豆腐料理。

 唐辛子の熱い辛さ”辣味(ラーウェイ)”と四川山椒の痺れる辛さ”麻味(マーウェイ)”のバランスが特徴。

 日本では”辣味(ラーウェイ)”寄りが多かったが、最近は本場の”麻味(マーウェイ)”寄りも人気がある。


・十六物語 雨女とローストビーフ

 雨女(あめもんな):江戸時代の妖怪画集『今昔百鬼拾遺こんじゃくひゃっきしゅうい』に登場する雨をもたらすと言われる”あやかし”。

 現代でも雨に遭遇しやすい女性のことを雨女と呼ぶこともある。


 ローストビーフ:牛の赤身肉を外側はカリッっと内側はしっとりと赤色が残ったようにオーブンで焼いたイギリス料理。

 不味いと噂のイギリス料理の中で数少ない美味い料理と言われる事もある。

 薄切りにして食べるのが一般的。

 その両端はエンドカットと呼ばれ、ひとつの肉の塊から2枚しか取れないため、貴重でファンも多い。


◇◇◇◇

第三章 襲来する物語とハッピーエンド


・十七物語 天狗と鯖

 天狗:鼻が長いタイプと嘴のタイプが存在する妖怪。

 日本各地に住み、神隠しや不思議な出来事は『天狗のしわざじゃー』と言われる事も多い。


 鯖:サバ科の海水魚、秋が旬だが九州のサバは寒サバとも呼ばれ冬が旬である。

 寄生虫がいるので生食は不適だが、関サバのように生食できるブランド魚も存在する。


・十八物語 鉄鼠とゼリーフライ

 鉄鼠:江戸時代の妖怪画集『画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)』にも載っている大きな鼠の妖怪。

 元は平安時代の高僧”頼豪(らいごう)”。

 白河天皇の皇子誕生の祈祷を成功させ、その褒美に戒壇(かいだん)建立を願い出たが、願いは叶えられずその恨みで鉄鼠と化した。

 ちなみに戒壇(かいだん)とは出家の許可を与える場所の事で、これがあると出家したい人からお金をたんまり貰えてウハウハである。


 ゼリーフライ:埼玉県行田名物、おからとジャガイモのコロッケ。衣がなく、ソースを付けて食べるのが一般的。

 セリーフライの名称は、形状や大きさから銭富来(ぜにふらい)と呼ばれていた物がなまったと言われている。


・十九物語 はらだしとチョコフォンデュ

 はらだし:江戸時代の読本『浮牡丹全伝(うきぼたんぜんでん)』に描かれている妖怪。(諸説あり)

 酒をふるまうと、お腹を出してこっけいな踊りをして人々を笑わせる上に幸運を授けてくれると言われる。

 ちなみに『浮牡丹全伝(うきぼたんぜんでん)』に描かれている姿は女性である。

 エロい。


 チョコフォンデュ:果物やお菓子に溶けたチョコをまとわせて食べる料理。

 甘くておいしいが……カロリーお化け。


・二十物語 狐狸(こり)と狸料理

 狐狸:古来より狐と狸は人を化かす物であった。それを総称して狐狸と呼ぶ。


 狸料理:動物の狸を食材に使った料理と、凍み蒟蒻(こんにゃく)を使って狸肉のように見せかけた精進料理がある。

 作者は凍み蒟蒻Verしか食べた事がないので、本当に狸肉に似ているかはわかりません。


・二十一物語 豆腐小僧とむすびどうふ

 豆腐小僧:江戸時代の黄表紙(きびょうし)(一種の絵本)などに数多く登場する豆腐を持った子供の妖怪。一説には豆腐屋のマスコットだったとも。

 豆腐を食べた人の体にカビを生やすという設定があったりなかったり(例:ゲゲゲの鬼太郎ではカビが生える設定)。

 本作ではカビが生えない設定です。


 むすびどうふ:豆腐百珍の尋常品(普通に食べられている品)のNo.4に記されている。

 豆腐を細切りにして結んで汁に入れて食べる……とっても崩れやすい。

 できるか! んなもん!


・二十二物語 大江山四天王と鬼便人毒酒(きべんじんどくしゅ)

 大江山四天王:大江山の酒呑童子の部下、星熊童子(ほしくまどうじ)虎熊童子(とらくまどうじ)金熊童子(かなくまどうじ)熊童子(くまどうじ)の四鬼。

 熊さん大人気! ではなく、熊のように大きい鬼という意味からのネーミングだと推察される。

 伝承も少なく、酒呑童子絵巻でもあっさりとやられてしまう、ちょっと影の薄いキャラクターたち。

 少年漫画なら頼光(らいこう)四天王との因縁が生まれたりするに違いない。


 鬼便人毒酒(きべんじんどくしゅ)源頼光(みなもとのらいこう)とその四天王の酒呑童子退治に登場する神(人)には薬となり鬼には毒となると言われる神便鬼毒酒(しんべんきどくしゅ)の反対のお酒(作者のオリジナルネーミング)。

 

・二十三物語 茨木童子と生ハム

 茨木童子:酒呑童子のパートナーであり源頼光の酒呑童子退治から生き残った鬼。

 後に頼光四天王のひとり渡辺綱(わたなべのつな)との因縁のエピソードがある。


 生ハム:主に豚のもも肉を塩漬けに加工した食品。

 加熱や煮沸を行っていないので生ハムと呼ばれる。

 薄く切った状態で販売される事が多いが、厚切りでもおいしい。

 ただし塩っけがかなり多いので注意。


・二十四物語 樹木子(じゅぼっこ)と胡椒飯

 樹木子:戦場などで人の恨みつらみの(こも)った血を吸った樹木が妖怪化したもの。

 人の生き血を吸うと言われている。

 ゲゲゲの鬼太郎の作者”水木しげる”の創作という説と、怪奇ミステリー作家”斎藤 守弘(さいとう もりひろ)”の創作説がある。


 胡椒飯:江戸時代に食べられていた冷や飯に出し汁と胡椒をふりかけた”ぶっかけ飯”。

 温かい物が食べたい時に作られていた。

 正しいレシピなどなく、残り物の食材を利用した色々なバリエーションがある。


・二十五物語 珠子と逢魔時

 逢魔時:江戸時代の妖怪画集『今昔画図続百鬼こんじゃくがずぞくひゃっき』にも描かれている、夕方と夜の狭間の時間。

 この時刻に魑魅魍魎(ちみもうりょう)に遭遇すると言われている。


◇◇◇◇

第四章 加速する物語とハッピーエンド


・二十六物語 否哉(いやや)とチョコドーム

 否哉(いやや):江戸時代の妖怪画集『今昔百鬼拾遺こんじゃくひゃっきしゅうい』に女性の後ろ姿で描かれている妖怪。

 その顔が水面に映った構図になっているが、映っているのは老人の男である。

 美女と思って近づいた男を驚かせる妖怪。

 ゲゲゲの鬼太郎では否哉(いやみ)と呼ばれていて、相手を色ボケにさせる息を吐いたりします。(本作ではその設定はありません)


 チョコドーム:中が空洞になった半球体のチョコをケーキなどのお菓子に被せたデザート。

 温かいソースをかけるとドームが溶け、お菓子が現れる。

 ビックリ感とソースとチョコが一体となった美味しさを味わえる。


・二十七物語 燈無蕎麦(あかりなしそば)と月見そば

 燈無蕎麦:江戸時代の都市伝説”本所七不思議(ほんじょななふしぎ)”のひとつ。

 灯りのついてない蕎麦の屋台。その正体は狸とも言われている。


 月見そば:そばに生卵を入れて月に見立てた料理。

 トロロにうずらの卵を入れるという亜種も存在する(この場合トロロが雲、卵黄が月)。


・二十八物語 つらら女とイチゴミルク

 つらら女:つららが美女の姿になった妖怪。

 独身男性の所に『お嫁さんにして下さい』とやってくる。

 なんて羨ましい!


 イチゴミルク:イチゴとミルクの組み合わせは鉄板! 甘くてほどよい酸味があっておいしい。


・二十九物語 飯食い幽霊とバースデーケーキ

 飯食い幽霊:江戸時代の仮名草子『狗張子(いぬはりこ)』に登場する怪異譚。

 姿は見えず飯を食べる”あやかし”。

 "飯食い幽霊"のネーミングは水木しげる先生と言われています。


 バースデーケーキ:誕生日を祝うケーキ。ハッピバースデートゥーユー。


・三十物語 雷獣とポン菓子

 雷獣:落雷とともに現れるイタチに似た妖怪。

 落雷の衝撃で気絶したり怪我したり、時には死んだりしてしまううっかりさん。


 ポン菓子:米などの穀物に圧力をかけて開放させる事で一気に膨らませた菓子、軽くてサクサクの食感が特徴的。

 アメリカのアレクサンダー・ピアース・アンダーソンが発見した。

 1904年のアメリカセントルイス万博で一躍世間に知られ、世界中に広まった。

 その装置は穀類膨張機と呼ばれ、大正時代にはすでに日本にも輸入されています。


・三十一物語 件憑(くだんつ)きと牛テールスープ

 件憑き:ちょっとだけ作者のオリジナルの”あやかし”。

 凶事を予言する(くだん)が取り憑いた人間。


 牛テールスープ:牛テールの肉の出汁とその肉が味わえるスープ。

 尻尾の骨が付いている事も多く、骨から出た濃厚な出汁が味わいをさらに深めている。


・三十二物語 産女とパウンドケーキ

 産女:死んだ妊婦をそのまま埋葬すると産女になると言われている。

 その場合は胎児を取り出して妊婦に抱かせて埋葬すると産女にはならないと言われている。

 産女に似た伝承は日本各地に伝わっており、襲ってくるタイプから、赤子を預けてくるものまで様々なバリエーションがある。

 姑獲鳥(うぶめ)と書く事もあり、この場合は鳥に似た妖怪のパターンであり、赤子を(さら)いに来る。(ゲゲゲの鬼太郎ではこのタイプ)。

 

 パウンドケーキ:小麦粉、卵、バター、砂糖をそれぞれ1Pound(ポンド)ずつ使って作られる事からパウンドケーキと呼ばれてるイギリスのケーキ。

 (はかり)が家庭に普及していない時代でも、材料を同じ重さにそろえれば美味しいケーキが出来上がる事から庶民の手作りケーキとしても人気があった。

 酒を塗る、具にドライフルーツやナッツを入れる、レモンピールで味付けするなどバリエーションも豊富で高級品としても愛され続けている。


◇◇◇◇


第五章 遠征する物語とハッピーエンド


・三十三物語 幽霊列車とお饅頭

 幽霊列車:死者の魂が乗り物に乗って死後の世界へ旅立つというのは古くからある話で、幽霊列車もそのひとつ。

 『銀河鉄道の夜』でジョバンニが乗っていたのもこれだと推察される。

 ゲゲゲの鬼太郎では幽霊”電車”となっており、そのエピソードはシリーズ毎に展開やオチが変わり6期は特に怖い。


 お饅頭:小麦や米の皮の中に(あん)を詰めた物。

 死者や先祖の霊へのお供え物としては日本は甘い餡が主流。

 中の餡は小豆が定番だが、栗餡や胡麻餡、カスタードまで様々。

 死者へのお供え物としては、諸葛亮が川の氾濫を鎮める際に人身御供を捧げる代わりに羊や豚の肉まんを供えた事が起源とも言われている。


・三十四物語 泥田坊とおこげごはん

 泥田坊:鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺こんじゃくひゃっきしゅうい』に描かれている田を守る妖怪。

 田をないがしろにする者に『田を返せ、田を返せ』と語り掛けてくる。

 ゲゲゲの鬼太郎では農村の自然破壊に(いきどお)る妖怪として登場する事が多い。


 おこげごはん:鍋巴(クオパー)とも呼ばれる中華料理。

 ご飯を平たく潰して乾燥させた物を揚げて、あんをかけて食べる。

 あんをかけた時、油と水分が反応して音を立て、その音までも味わいの一部。

 さらなる別名として『天下第一菜ティンシャアディイーツァイ』という最上級の誉め言葉が料理名にもなっている中華料理のチャンピオンのひとつ。

 漫画『中華一番』に登場した球体のおこげは本当に作れるのか!? 誰か作って下さい。


・三十五物語 朱雀門の鬼と手ごねパン

 朱雀門の鬼:平安時代を描いた絵巻物長谷雄草子(はせおぞうし)に登場する鬼。

 紀長谷雄(きのはせお)に双六勝負を挑み、負けた代償として絶世の美女を送った。


 手ごねパン:パン作りは重労働であるため、現在、パン種をこねるのは機械式が一般である。

 だがそれはプロでの話で、家庭では手と麺棒による手ごねパンも未だ人気が高い。

 焼き立てパンはとても美味しいため、現在では機械式の自動パン焼き機のホームベーカリーがある家庭も多い。

 ちなみに、このホームベーカリーは1986年に松下電器が世界に先駆けて販売を開始した。

 日本ではプチブームに留まったが欧米の家庭ではかなりの割合で普及している。

 


・三十六物語 酒呑童子とお粥

 酒呑童子:説明不要かもしれない日本三大妖怪の一角。大江山の鬼の一味の首魁(しゅかい)。つおい。

 『御伽草子(おとぎぞうし)』や『酒呑童子絵巻』や数々の地方伝説があるが、違いは出自や住処の場所で、大まかな流れとしては、京の町を荒らしまわっていた酒呑童子は一条天皇の勅命を受けた源頼光と配下の四天王に一味もろとも皆殺しにされる、というものである。(茨木童子は例外)

 その倒され方は山伏に化けた頼光一行に騙されて、鬼には毒に人には薬になる神便鬼毒酒(しんべんきどくしゅ)を盛られ、寝ている所を鉄の縄で縛られた上で殺されるというもの。(伝承によって多少の違いあり)

 酒呑童子は八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の息子という説があり、酒と不意打ちで倒される所など、血は争えないものである。

 

 お粥:お米を煮たもの。消化に良く、アジア圏では病人向けの食事のみならず、多彩な味付けをした数々のお粥料理が愛されている。


・三十七物語 鬼道丸と失敗チョコケーキ

 鬼道丸:酒呑童子がさらった貴族の娘から生まれた酒呑童子の息子。

 生まれたのは頼光に助け出された後。

 その貴族の娘は気がふれており親元へは戻れなかったと伝えられている。

 後に成長して父の仇と源頼光と渡辺綱に挑むが、返り討ちに合う。


 失敗チョコケーキ:小麦の生地にチョコレートを混ぜて焼いたチョコケーキは子供も大人も大好きなケーキのひとつ。

 だけど、作るのは人間だから、ケーキ作りに失敗してしまうこともあるよね。


・三十八物語 花の精と天ぷら

 花の精:長い年月を経た花が”あやかし”となったもの。

 『今昔画図続百鬼こんじゃくがずぞくひゃっき』の古椿の精(ふるつばきのせい)が有名、ゲゲゲの鬼太郎にも登場している。

 ゲゲゲの鬼太郎ではその他に植物系の妖怪として”妖怪花の精”や”千年竹(せんねんだけ)”というのも登場する。

 年を経た物は生物・非生物に関わらず妖怪化するのがこの世の(ことわり)かもしれない。

 

 天ぷら:食材に小麦粉の衣をつけ、カラっと揚げたもの。

 西洋のフライとは違い、衣に空気が大幅に含まれているため、サクッとした食感が魅力のひとつ。

 スシー、テンプーラー、フジヤマ、ゲイシャと外国人にとっては日本を象徴とするものである。


・三十九物語 石熊童子とウズラ料理

 石熊童子:大江山四天王の金熊童子の双子の弟。”いくしま童子”と伝えられていることもある。

 源頼光の酒呑童子退治では兄の金熊童子と一緒にあっさりと討ち取られている。(捕らえられたケースも)

 有名なエピソードとしては高貴な家の女房に化けて、貴族の娘を騙してさらったという伝承。

 つまり女装、平安の男の()である。


 ウズラ料理:ウズラ。(うずら)はかつては日本の山々に数多く自生していたが、現在ではその生息数は激減している。

 ただ激減しているのは天然ウズラでウズラの卵が一般に流通しているように養殖は盛ん。

 主に愛知県を中心に養殖が行われている。

 フランスや欧州ではウズラ肉も一般的な食材だが、日本では食肉用としては入手困難とまではいかないが、一部の流通のみに留まっている。


・四十物語 白澤様とよだれ鶏

 白澤:中国の聖獣で万物に精通していると伝えられている。

 今昔百鬼拾遺こんじゃくひゃっきしゅういでは牛に似た姿で描かれており、その額には第三の目を備えている。

 徳の高い為政者(いせいしゃ)の前に現れると言われ、病魔を退けるといわれている。

 漫画”鬼灯の冷徹”では医者として活躍しているのもこのことから。

 首里城の文化財の中に”白澤ノ図”があり、2019年10月31日の首里城焼失での被害が危惧されていたが、不幸中の幸いにも、この”白澤ノ図”は被害を免れたことがわかった。


 よだれ鶏:中国名”口水鶏(コウシュイジー)”と呼ばれる四川料理。

 茹でた鶏を薄切りにして、四川山椒の効いた辣油をかけて砕いたナッツをかければ完成。

 単純な料理ではあるが、辣油の出来や鶏の味の差がもろに出る料理である。

 最近はクックドゥのような家庭用中華料理の素でもよだれ鶏の素は販売されているが、少々高くても本格中華料理店で一度は食べて頂きたい。

 その刺激と美味さに中華四千年の歴史を感じるはず。



・四十一物語 比翼の鳥と洗い

 比翼の鳥:中国の伝説の生物。ひとつの瞳と一翼の翼、一羽では飛ぶことも餌を取ることもできず、二羽で協力して羽ばたく鳥。

 

 洗い:主にスズキなどの白身魚の刺身を水で洗った後、氷水で締めて食べる料理。

 その身は軽く膨らんで弾力が増し、スッキリとした味わいとなる。

 涼し気な料理で、クラッシュアイスの上に盛りつけられる事も多い。

 ポン酢やワサビ醤油、いり酒などお好みの味付けで頂きましょう。

 

・四十二物語 珠子と今大江山酒呑童子一味と化物婚礼(ばけものこんれい)

 珠子:本編の主人公、最近は”あやかし”の気配を感じる特殊能力を身に着けた。

 しかしそれは人間なら誰しもが持つ能力で、例えるならダンプカーの接近の気配を感じるようなものである。

 言動というか発想がどんどんおかしく……というか頭大丈夫なの? 思えるくらい頓狂(とんきょう)を極めつつある。


 今大江山酒呑童子一味:酒呑童子を首魁とした鬼の一団。茨木童子と四天王、それに石熊童子を指す。

 平安の世ではその他にも多数の名もなき鬼が居たという話だが、本作では今のところ登場予定はありません。

 現代ではその他に追加メンバーが加入したとも。


 化物婚礼:江戸時代末期から明治にかけて多数の作者によって作成された妖怪の婚礼を描いた絵巻。

 化物嫁入絵巻ばけものよめいりえまきという十返舎一九(じゅっぺんしゃいっく)版も存在する。

 というか、こちらが大本かも。

 百鬼夜行をモチーフとしていると言われている。


42、それは……「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」

(Answer to the Ultimate Question of Life,the Universe,and Everything)

宇宙ヒッチハックガイドより。


だが、百物語はその四十二を超えても続く……


◇◇◇◇

第六章 対決する物語とハッピーエンド


・四十三物語 瀬戸大将とシフォンケーキ

 瀬戸大将:鳥山石燕(とりやませきえん)の『百器徒然袋ひゃっきつれづれぶくろ』に描かれている”あやかし”。

 その姿は瀬戸物が合体して関羽っぽい姿を取ったもの。頭は徳利、背には燗鍋(かんなべ)、肩アーマーは蕎麦猪口(そばちょこ)っぽい。

 だが、そのイラストは説明書きがなくては関羽とは気づかないかもしれない。

 数多くの妖怪ものではマスコットとして登場することも多く、人気が高い。


 シフォンケーキ:アメリカの料理人、ハリー・ベーカーによって20世紀前半に考案されたケーキ。

 特徴はスポンジケーキを超える口どけの滑らかさ。

 その秘密は生地にサラダ油を混ぜることにあったことが後に公開された彼のレシピにより判明した。

 中央に穴のあいたシフォン型と呼ばれるケーキ型を使って焼かれることが多く、この形状により熱が通りやすく冷めた際にもしぼみにくいという効果がある。



・四十四物語 黒姫伝説とタン

 黒姫伝説:長野県北部、黒姫山の名の由来となった伝説。

 伝説には様々な形態があり、大まかな流れとしては、黒姫に恋した黒龍が求婚してくるが、黒姫の父がそれに反対し求婚は失敗、怒った黒龍は嵐を起こし洪水を引き起こす、それを(しず)めるために黒姫が生贄(いけにえ)となるというもの。

 失敗の原因が父親が約束を破ったためとするパターンや、生贄に向かう黒姫が伝説の剣を手に入れ逆に黒龍を退治したりするパターンもある。

 

 タン:英語で舌を指すTongue(タン)から食材として食肉の舌の部位を指す。

 牛タンが最も一般的だが、豚やアヒルや鶏などのタン料理も最近は広まっている。

 煮たり、焼いたり、煮て揚げた上で炒めたりなど調理法もさまざま。

 

・四十五物語 船幽霊と羊羹(ようかん)

 船幽霊:海難事故などで命を失った者が幽霊と化し、生者を死者の仲間に引き込もうとする”あやかし”。

 日本各地に出没するが名称は異なるケースもある。海坊主やアヤカシは船幽霊の集合体や別名という説も。

 アヤカシは『うしおととら』にも登場している。(その正体は自分の目で確かめてくれ!)

 決め台詞は『柄杓(ひしゃく)をくれ』、その柄杓で海水を船の中に入れ、沈没させるという地道な技を持つ。

 そこで穴の開いた柄杓を渡すと『穴の開いた柄杓では水が汲めぬ……』と言って去っていくと言われている。


 羊羹:小豆を煮て寒天やゼラチンで固めたもの。厳密に言えば寒天などで固めた物は煉羊羹(ねりようかん)と呼ばれ、桃山時代から江戸時代にかけて大きく発展した。

 それ以前の小麦粉や葛粉を使って熱を加えて固める羊羹は蒸し羊羹と呼ばれる。



・四十六物語 三尾の毒龍と酒をふんだんに使った料理

 三尾の毒龍:広島に伝わる伝説で、女に化けて農家に嫁入りしたが、その正体を見破られ三尾山に逃げ込んだ毒龍。

 そこの清水を汚染して村人を困らせたが最澄(伝教大師)に調伏され海に沈んだ。

 その沈んだ身体が龍王島(りゅうおうじま)となったと伝えられている。

 現代の龍王島は無人島だが、キャンプ施設等があり夏季には無人島キャンプが楽しめるリゾート島となっている。


 酒をふんだんに使った料理:料理に酒は欠かせぬもので、古来より甘味やコクを出すのに使われていた。

 ならば、酒をふんだんに使えば、もっと味が良くなるのではないかと考えるのも自然な流れ。

 日本各所に酒をふんだんに使った料理は存在し、今も増え続けている。


・四十七物語 絡新婦(じょろうぐも)とブラッドソーセージ

 絡新婦(じょろうぐも)大蜘蛛(おおぐも)土蜘蛛(つちぐも)など太古より蜘蛛の妖怪は数多く存在した。

 ”あやかし”ではなく種としての絡新婦(じょろうぐも)は日本の大型の蜘蛛であり、いわゆる蜘蛛の網を綺麗に張る。

 女郎蜘蛛(じょろうぐも)とも書き、女性に化けては里の若者をたぶらかして喰らうと伝えられている。


 ブラッドソーセージ:ヨーロッパや北米、南米では一般的な材料に血を加えたソーセージ。

 玉ねぎにひき肉、それに血を腸詰めにしたもの。水分が多いのでつなぎとして小麦粉や米を混ぜることも多い。

 鮮度が落ちやすいので作ってすぐに火を通して作る。茹でるのが一般的。

 かつては(いた)みやすいことから、農場で屠殺した時に作るハレの日のご馳走という側面があったが、現在は流通技術の発展により一般に広まっている。

 日本では輸入品が多く、国産はレア。

 これは血を(けが)れとする文化が一因とも言われている。



・四十八物語 若菜姫とロースハム

 若菜姫:柳下亭種員(りゅうかていたねかず)柳亭種彦(りゅうていたねひこ)柳水亭種清りゅうすいていたねきよの合作本『白縫譚(しらぬいものがたり)に登場する蜘蛛使い。キリシタン大名大友宗麟(おおともそうりん)の娘とされ、父の仇である菊池家に復讐する。

 元の合作本は完結までに作者が交代しながら嘉永2年~明治18年(1849~1885年)の間、実に36年もかかった90編の大長編である。

 大蜘蛛召喚! 強力無双! 男装麗人! 

 現代の週刊少年誌の原点とも言える、先の読めない展開! きっと著者の方々が勢いで書き上げた! 

 痛快復讐浪漫譚!

 その主人公(ヒーロー)こそが若菜姫である!

 その物語を読んでみたい人は文献がお高いのが最大の問題なので図書館を利用しよう!

 最近はスマホゲーのおかげで知名度が上がってきたぞ!


 ロースハム:主に豚のロース肉(肩から腰に掛けての背肉)を使って作ったハム。

 脂肪の多い部位はベーコンとして加工されることが多い。

 作者が少年のころは畜肉の小片をプレスして作る安価なプレスハムが主流だったが、近代は塊肉を使ったロースハムの方が主流となっている。


・四十九物語 串刺し入道とふぐ料理

 串刺し入道:水木しげる先生が創作されたと伝えられるゲゲゲの鬼太郎に登場する妖怪。原作とアニメ3期に登場。

 胴体から首が離脱し、その首から生える針で串刺しにしようと攻撃してくる。

 誰? とも言われがちな、どマイナー妖怪だと思われるが水木しげるファンとしては一般教養である。

 

 ふぐ料理:フグ目フグ科の海水魚。ふぐ料理といえば一般的には毒のあるフグを調理したものを指す。

 トラフグ、マフグなどが主に利用されている。別名”てっぽう”(あたると死ぬから)。

 その毒”テトロドトキシン”をどうやってフグが保有しているかは長らく謎であったが、近年の研究により海洋細菌の捕食による生体濃縮で体内に蓄積されるという説が最も有力である。

 養殖も盛んで、養殖方法によっては毒のない無毒フグも登場し、毒のある部位も食べることが可能となったとて言われているが、現在の所、毒のある部位を料理店で提供するのは違法である。


・五十物語 珠子と七王子と今大江山酒呑童子一味

 珠子:本編の主人公、兼ヒーロー(間違いとは言い切れない)

 ”あやかし”のトラブルを料理で解決したり、逆に”あやかし”をトラブルに巻き込むこともある三十路目前の29歳。

 

 七王子:『酒処 七王子』が全壊したことにより夏休みを旅行やホテルで過ごすことになった八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の息子たち。

 夏休みで成長した者もいれば、全く変わらない者もいる。最近は東の大蛇として妖怪王候補の一団として認知されている。

 本人たちは特段に兄弟仲が良いとも悪いとも思っていないが、傍目には仲が良いと思われているようである。

 だが、ひとりの女性をめぐって争っているといった不穏な噂もあり、内紛の可能性があることから、妖怪王候補としては酒呑童子一味に劣るとみられている。


 今大江山酒呑童子一味:八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の息子である酒呑童子を首魁とする大江山の鬼の一団。

 知名度、実力、血統、団結力、その全てにおいて現時点での日本最高の”あやかし”の集団。

 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の息子なら女に弱いのでは? とも思われていたが、酒呑童子と茨木童子が婚礼を行ったとの噂もあり、もはや弱点は無いと思われている。

 次代の妖怪王候補の筆頭として君臨中。少なくとも、酒呑童子を倒さずして妖怪王は名乗れない。


 50……それは100に至る中間の数字。

 五十歩百歩という言葉もあるので、実質、百物語が完成したといってもいいよねっ!

 でも、やっぱり五十物語では美しくない……

 だから、この物語はまだまだ続く。


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