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誰が為に  作者: 白亜タタラ
閑話:こうして歯車は狂い始める編
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3柱間接的に参戦

 【神界のとある神の間】


 『ええいウルスラのやつめ断絶結界が強すぎて我でも干渉できないではないか!』


 ネメシア世界は数柱の神が力を合わせて5つの世界を融合させて創り出した世界だ。例えば地母神が新たに世界の大地を豊穣に導きながら形作ったり、創造神が5つの世界から良い所取りをした新たな機能を付加した魔道具を造り出したりなどそれぞれの司る分野を各自担当して出来上がったのがネメシアなのだ。


 『他世界では我が生み出した魔王が世界を支配したり、人間の大虐殺を行って勇者と闘ったり、魔王の瘴気で不浄の大地が拡大し過ぎて生物が死に絶えたりなどなかなか愉快な事をしておるというのに...ああ不愉快だ!』


 この神の間の主である邪神(・・)は明確な体を作ることなく黒い靄状の姿のままで怒りを吐き出していた。


 なにも神は人間のように表面上の体裁は無い。ウルスラのように体を形作っている者は寧ろ稀なぐらいだ。邪神のいるエリアは当然他の存在など居らず、そもそも神たちとの交流も全くなく自身の管理するこのエリアから出ない邪神はこの靄状の姿でいるのが楽なのでここ数100年は常にこの状態だ。


 『最近何やら神々が騒がしいと思ったら新たな世界を創造していたとは......うがーーー干渉したい!我の僕を送り込んでめちゃくちゃにしたい!』


 邪神が司る特性は悪意や不和などの悪感情全般だ。邪神という名前だが別に神に善悪の認識などない。そもそも善悪なんて言うのは人間が勝手に現象について名前を付けて呼んでいるだけで、モノの本質は受けた個人の感じ方で変わってしまう。


 例えば親を殺された人間がいて、その親を殺された人間は大切な親を殺した犯人を悪だと言う。しかし、親を殺した人間は実は殺した相手から毎日殴る蹴るの暴行を受けて余命あと1日という大けがを負っていた。そして自身の復讐を終えた人間は翌日命を落とすわけだがさて、加害者と被害者の両方が死んだこの場合誰が悪で誰が善なのだろうか?


 人を殺した人間が悪なのだろうか?


 それとも死の間際まで暴行を日常的に与えていた人間が悪なのだろうか?


 はたまた親を殺されて復習に燃える子供こそが唯一の善なのだろうか?


 答えは全てが否である。こんなものはモノの捉え方次第で変わる不確かなものだ。


 性善説も性悪説もどちらも後から生まれた理由づけにすぎず、根本は所詮ただの感情によって生じた現象に過ぎないのだ。


 その点神は自身の行動原理はあるがそれによって生まれる現象は事象に過ぎず、悪や善などと定義づけする事はない。感じるのは不愉快であるとか面倒であるとか楽しいとか個々人の感情に過ぎないのだ。


 故に疫病で数100人が死に絶えようが大魔法で数100人の命が救われようが神はその事象に対して自身に影響がある事でない限り忖度しないのだ。


 ウルスラは原種が消えるのが自身の感情的に許せないからカナタたちを助けた。


 邪神は世界を荒らしたら人間たちの面白い姿が見れるから魔王を生み出す。


 神なんてのは自由が故にそして力もあるが故に普通の存在では誰も止められない。災厄を振りまくも救済をするのも所詮は気まぐれにすぎない。



 【神界の別の神の間】


 『なんだこの小僧共は!?この過酷な神々のダンジョン内にあって絶望するどころか心が全く淀まないではないか!あり得ないあり得ないあり得ない!こんな人間がいて堪るか。我がお前たちに神の試練たるものを与えてやろうぞ!』


 このエリアの主である悪神(・・)はカナタたちを見て不敵に笑う。悪神の司る特性は恐怖や畏怖、絶望などの人間が本能的に感じる感情心理だ。


 絶望をしないカナタたちを見て毎日暇だった悪神は良い玩具を見つけたように燥ぎだす。


 『............干渉...できない...だと。』


 しかし、ネメシア世界は数柱の神が神力をかなり注ぎ込んで創造している。さらにウルスラが不用意に干渉されないように対神用の結界を張っているためそう簡単に邪魔はされない。


 『ふざけるなふざけるなふざけるなぁ!ウルスラ如きの結界で我の邪魔をするとはこのっ!フン!これなら!......』


 神に時間の概念は無いためその後悪神は長期にわたり神力を消費しながらウルスラの結界に干渉し続けた。



 【神界、無間の間】


 「くふふひひ。オモシろいですね~彼ら。私の見立てではそこまで光るものを感じはしなかったのですが...置かれた環境によって覚醒したパターンですかね?いや、彼らは原種という事でしたから一般的な人間とは根本的に違う?」


 無間の間に幽閉(・・)されているのは悪戯神(・・・)である。神はそれぞれに自分が管理する部屋(神界)を持っているがこの悪戯神だけは例外だった。


 「きひひひ。これはこれは悪戯心(研究欲)が久方ぶりに疼きますな。...ああ以前は闘神の武器の効力を消した上で死神と闘うように仕向けたんでしたね。そうそう、あの時は危うく闘神が消滅しかけましたっけねぇ~。くひひひ。」


 悪戯神は他の神に対してもかなりの悪影響を過去に何度も与えてきた。それは神を消滅させるようなものまであってその罰でこの無間の間に封印されている。


 無間の間は何にも干渉できず何からも干渉されない場所だ。しかし、悪戯神は外で起きているカナタたちの召還を知っていた。どういう仕掛けかは分からないが悪戯神はこの無間の間の中に在ってなお外に干渉できるらしい。


 その事を知る神は...


 「今回はボク(・・)もうまくやらないといけませんから慎重を期しましょう。これ以上厳重な措置を取られると流石に()でも何も出来なくなってしまいますからねぇ~。それは流石にツマラナさすぎますから嫌ですしねぇ。......きひひひ、丁度ボク(・・)同様あの世界に興味を持っている仲間もいそうですし、ねぇ。」




 『『協力することで神力を上昇させて結界に干渉する?』』


 「ハイ。ワタクシガチカラヲドウチョウサセマスノデコノタマニシンリョクヲソソイデクダサイ。」


 『『それで我があの世界に干渉できるのだな!?いいだろういかほど神力を注げばよい?』』


 「アナタサマガイママデケッカイニカンショウスルタメニモチイテイタシンリョクトドウトウノリョウデケッコウデス。」


 『『了解した。今すぐにやろう!』』


 「タシカニオアズカリイタシマシタ。デハイマヨリセカイジカンデイッコクゴニミチヲツクリマスノデソノタイミングデカンショウシテクダサイ。」


 『『...おい、ところで協力は感謝するがお前はどの神の使いだ?』』


 「ワタクシハソノカイトウヲモチアワセテハオリマセン。...デハシツレイイタシマス。」


 『『人形(・・)を送ってくるとはいったい...しかしあの世界に干渉できるのは我にとっては大きい!この機会を逃すわけにはいかんからな。』』


 2柱の神は突如として自分の管理する空間に現れた人形に促され指示されるままに事を進めた。悪神と邪神の元にそれぞれ送られた人形は主の元に戻り神力が込められた小さな球を手渡した。


 もちろんその主とは悪戯神である。


 「ケフフフフ。善は急げとも言いますし早速始めましょうかね。『cgvngklsnue、jnjeruケgujsneneujマsnbfu、geujfbかuofabfjaefhe、dufhaejおfabfaugfanえmftka、nhifhaienhaknehdiyjukへ神は道を作らん!』...ふう。”上級魔法”はやはり骨が折れますねぇ。」


 悪戯神が唱えた魔法は悪戯神と悪神と邪神の3柱の神力を融合させて作られたもので、詠唱にかかった時間は約50分ほど。人間では理解もできない詠唱は代価に使った神力を消費して魔法の効果を発揮した。


 『『「開いた!」』』


 ほぼ定刻通りに開いた結界に3柱の神がそのタイミングを見計らってそれぞれネメシア世界に干渉した。それぞれ3柱の神がそれぞれのやり方で力を使ってネメシア世界に干渉したこの時の事を後に知ったウルスラたち他の神々はその痕跡を追って悪神と邪神を下手神として無間の間(・・・・)に幽閉することに成功する。


 しかし、この騒動を裏で操っていた3柱目(悪戯神)の存在にだけは最後まで辿りきれずに結局未だに見つかっていなかった。


 3柱の神がこの時に干渉した力によってさらにネメシア世界は動き出すのだった。



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