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誰が為に  作者: 白亜タタラ
ダンジョン攻略編
5/108

新世界に降り立って初めに行うのはやはり自己紹介

漸く話が進み始めます。

この話から投稿頻度が少し落ちます。皆様の評価には相応しいお話になるよう頑張っていきますので誰が為にをよろしくお願いします。

 カナタたち五人は、女神ウルスラとの会話を終えてアイテムボックスやギフトカードなどのかなりレアな特典を貰い、神たちの間である神界からここ、神々に創造された世界”ネメシア”に降り立った。

 

 カナタたちは、辺りを包んでいた眩い光が収まったのを確認するとゆっくりとその瞳を開けた。


 「これは......」

 

 「......ここが”ネメシア”」


 「確かに辺りに高濃度の魔素を感じますね。私のいた世界ではどうしても世界に存在する魔素の量が限られるから超位魔法などの理論だけ(・・)は解明されている高度な魔法はあるものの、大量の魔素を必要とする魔法はほとんど使えませんでした。しかしここでは研究次第で相当な規模の魔法も扱えそうです。研究のし甲斐がありそうですね...ウフフフフッ。」


 (このハイエルフの人、魔法のことには少し熱意を入れすぎだなー......少し黒い感じがするし。)


 カナタたちは早速自分たちが新たに降り立った世界”ネメシア”を周囲を見渡したり、魔素を感じ取ったりと各々のやり方で確認をしていた。


 カナタたちが降り立った場所は木々が疎らに生えている森の中だった。その中でもその場所は、少し小高くなっていてほかの場所に比べれば辺りに木々も生えていない、開けたスペースのある丘といってもいいところだった。

 とは言え、丘の高さは大体二十メートルほどで、よく辺りを見渡せるかといえばそんことはなく、木々が生えていないこの直径四十メートルほどの場所以外は木々が邪魔であまりよく見ることはできなかった。


 (ステータスオープン)


 そんな中、カナタは周囲を見渡して大方の情報を得た後、自分のステータス画面を確認した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ハヤカワ カナタ


 【レベル】:1

 職業:なし

 【HP】(体力):15

 【MP】(魔力):16

 【STR】(筋力):10

 【END】(耐久力):11

 【DEX】(器用):8

 【AGI】(速度):8

 【LUC】(幸運):13


 【スキル】 

 異世界言語、アイテムボックス


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 (女神ウルスラのいた神界ではなかった、スキルという欄がいつの間にか出来ている。異世界言語スキルも女神ウルスラの言っていた通り、こっちの世界に来たら無事に貰えたようだ。)


 「さてみんな。とりあえずこの世界およびこの場所の確認はそれくらいにしてこれからどうしていくのか、またどうしていきたいのか話し合わないか。」

 

 そう告げたのはやはり大人な雰囲気のあるハイエルフの女性だった。どうやら彼女も魔法研究の妄想からいつの間にか無事(・・)に帰還したようだ。

 よかった。本当によかった。


 「うむ、そうだのう。右も左もわからない今の状況ではここにいる五人で協力し合った方が得策だと儂は思うがのう。」

 

 「俺はあまり群れるのは好きじゃないんだが.....まあこんなありえないような体験をして、しかもこんな状態じゃあそんなこと言ってられねえか。」


 「そうですね」


 「コクコク」


 最後に吸血鬼の少女が頷いたことでとりあえずは五人全員で協力し合うことが決まった。


 「とりあえずお互いを知るために自己紹介をしたいと思う。私はリリアナ・クライウェリア。リリーと呼んでくれ。先ほどの説明の通り私の故郷は魔法能力に長けていたし、少なからず私も魔法使うことができる。多少の狩りの経験はあるが素人だと思ってくれて相違ない。使えるものといえば弓位だが、今この場にはないので私は魔法が少しできる程度だと考えてくれ。とりあえずこんなところだ。」

 

 リリーが自己紹介を始めたことで順番にカナタたちも自己紹介していくことになった。カナタたちもお互いの名前すらわからない今の状況ではさすがに拙いと考えていたため、特に反対意見は出なかった。カナタたちはその場に腰を下ろして話し始めた。


 「では次は儂かのう。儂はグリアド・カタストロフじゃ。まあグリアドとでも呼んでくれ。儂は今まで鍛冶を生業にして生きてきた。儂の世界では武器の類はどこででも重宝された。そんな中で武器を作ることに興味を持つのは自然な流れじゃったと思う。儂は生まれてこの方、槌以外を振るったことはない。じゃが今はその搥それすらもないからのう......まああの女神ウルスラが言うには体は頑丈らしいからそれに賭けるとするかのう。」

   

 と言って笑ったところでグリアドの自己紹介は終わった。


 「じゃあ次は俺がするかな。俺はマシュー・ハイマ―。マシューでいい。俺はこんなナリをしちゃあいるがまだバリバリの学生だ。ゆえにそんなに何かをやってきたなんて言えねえが種族特性曰く、スピードや反射神経、あとは瞬発力には優れているらしいからその方面でやっていこうと思う。

 俺の世界じゃあすでにモンスターと呼ばれる化け物がもうそこら中に居やがった。この世界のモンスターとはどのくらい違うのかはわからないが少しは役に立つと思う。

  .....あと俺はあんまり気が長くない。これも種族のせいだとさっき初めて知ったが......そっちのガキたちも普通に接してくれると助かるわ......」


 と、まず、まさかの学生発言に驚きを隠せない一同だったが最後の発言はさらにほかの四人の驚きを誘った。しかしそれを聞いてガキと呼ばれたカナタと吸血鬼の少女の2人はさっきよりマシューに対する雰囲気が和らぎ、今まで無意識にあった多少の緊張感も減少したのだった。


 「では、次は僕の番ですね。僕はハヤカワカナタです。カナタと呼んでください。僕は皆さんとは違って本当にただの学生で、見た目通りの力や能力しかないのでおそらく、いや絶対に役には立たないと思います。もちろん出来ることはやろうと思いますが、足手まといでごめんなさい......。

  一応僕の世界では機械文明が発達していたので、そういった面でもしかしたらみなさんの役に立つかもしれませんがあまり期待しないでくれると助かります。」


 「オメェみてぇなガキがそんなこと気にしてグダグダ言ってんじゃねえよ。」


 そう言ってカナタの話を遮ったのはマシューだった。彼はカナタの話を黙って聞いていたが、途中から自分を卑下するカナタに対してイラつき、結局黙っていられなかったようだ。


 「同じ学生って言っても見た感じ五つはチゲェだろうが。そういうことは俺たち大人組に任せて、てめぇらガキ共はただ精一杯生きてりゃいいんだ。」


 「そうじゃのう。口は悪いがマシューの言う通りじゃ。できることだけやってくれたら文句は何もありゃあせん。」


 「そうですね。マシューの口の悪さは置いておいて、そこまで考え込まなくてもいいですよ。みんなができることをして補い合えばなんとかなると思いますよ。」


 「てめぇら賛同するふりをして俺をおちょくってんじゃねえのか!?まあ何はともあれそういうことだ。俺達も何もわからねぇんだ。これからこの星で生きていくにあたって協力していこうや。」


 「「...........」」


 カナタと吸血鬼の少女は二人して掛けられる言葉に対して何も言えずに俯いてしまった。しかし掛けられた言葉によって二人が感じていた自分たちの力不足に対する後ろめたさが幾分か無くなっていくのを感じた。

 

 「......ありがとうございます。」


 カナタはそれだけ言うと自己紹介に戻ろうとしたが、その時に聞こえた物音に咄嗟に其方を見てしまったことでまたしても中断していた。そしてそれはワーウルフであるマシューも同様だった。

 そして木々の間から現れたのは緑色の体で身長は百三十センチほどしかないのにまるで敵対する生物を威圧するような筋肉を有している醜悪な表情で迫る十体の小鬼(ゴブリン)だった。


 

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