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誰が為に  作者: 白亜タタラ
ダンジョン攻略編
42/108

~結果発表~

 第15階層、ボスの部屋


 ここの階層ボスである”ドッペルゲンガー”が化けた自分との戦闘に漸く勝利した二人は、この部屋に入った時に分断された能力と同様に眩い光に体を包まれて元の場所に戻ることができた。

 カナタもアリスもお互いが無事生き残り、再び合流できたことに、ほっと一息ついた。


 「アリスと無事合流できてよかった。そっちも影の自分と闘っていたの?」


 「そっちも無事でよかったよ。死なないとはいっても、実力差によっては致死ダメージを永続的に受けることはあるし、拘束系や魅了系の能力(スキル)には完全には対処できてはいないから。それに合流できない可能性は私も最悪の可能性として考えていたし。ああ、あの影は”ドッペルゲンガー”っていう魔物だよ。」


 「やっぱりあいつがボスで、魔物だったか。アリスが最初の光を無効化できなかったのはなぜ?」


 「あの光って魔法じゃなくて、スキルとかそういった類いの能力だったんだよ。魔法じゃないから私も無効化できなかった。」


 「なるほど、そういうことだったか。」


 「ドッペルゲンガーの私は攻撃を受けても回復能力まではコピーできなかったみたいで、コツコツとダメージを与えて私は倒したんだけどカナタはどう戦ったの?」


 「俺も似たようなものだよ。俺の方のドッペルゲンガーも回復できないみたいだからダメージの蓄積で倒せた。ただ俺が剣同士の戦いが楽しくなっちゃって少し時間がかかったけどな。ごめんなアリス。」


 「なんだ、そういうことだったのか。光に再度包まれて戻れたことから、私とそんなに時間が変わらないかと思ったら想像していたよりカナタの戦闘に時間がかかっていたみたいだからどうしたのかと思っちゃった。それに謝らなくてもいいよ。カナタのいい経験になったんだろうし、カナタの顔を見るに楽しかったのは分かるしね。」


 二人はドッペルゲンガー戦のことを簡単にではあるが話し合い、そしてボスが居なくなったことで安全地帯となったこの場所で休憩をとることにした。


 「じゃあそろそろいつものやつ行きますか!?」


 「OK。」


 「「ステータスオープン」」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ハヤカワ カナタ



 【レベル】:31



  職業:剣豪



 【HP】(体力):63


 【MP】(魔力):85


 【STR】(筋力):80


 【END】(耐久力):67


 【DEX】(器用):38


 【AGI】(速度):60


 【LUC】(幸運):26



 【スキル】 


 異世界言語、アイテムボックス、不老不滅、万物創造、苦痛耐性:Lv6、痛覚鈍化:Lv6、状態異常耐性:Lv1、剣術:Lv5、投擲:Lv3、夜目:Lv3、抜刀術:Lv2、刀剣術:Lv2、見切り:Lv2、纏術:Lv1


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 アリス・コトノセ



 【レベル】:30



  職業:言魔導士



 【HP】(体力):58


 【MP】(魔力):101


 【STR】(筋力):40


 【END】(耐久力):45


 【DEX】(器用):55


 【AGI】(速度):50


 【LUC】(幸運):32



 【スキル】 


 異世界言語、アイテムボックス、神眼、魔法真理、魔法創作:Lv6、詠唱術:Lv7、魔力消費軽減:Lv4、 魔力回復速度上昇:Lv4、杖術Lv2、高速思考:Lv2、見切り:Lv2、言霊術:Lv1、苦痛耐性:Lv1、痛覚鈍化:Lv1、状態異常耐性:Lv1、


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 「俺の方は状態異常耐性スキルが付いたことでさらに個としての完全性が高まったな。アリスにも同じようにスキル化しているから毎日の苦労が報われた感じがして嬉しいな。」


 カナタとアリスはもっと上の階層に居る時に、状態異常耐性のスキルを何とかして得ようと毎日自身に毒や麻痺、魅了などの状態異常の魔法をかけていた。カナタはギフトカードで得た不老不滅の効果により、完全な不死性は手に入れた。アリスは吸血鬼の真祖としての能力で腕が千切れたり、腹に穴が開いても回復する。アリスの不死性は自身の血液を使用して回復力としているため完全なものではない。例えるなら、全身を五回ほどバラバラにされたり、心臓を十回ほど潰されるとかすると死んでしまう。ただ、ダメージを受けている最中も回復はするので圧倒的な戦力差でもない限りアリスを殺すことはできない。しかし、拘束されて拷問を受けたり、洗脳や魅了により傀儡となることは起こりえると気づいたときに何とかして耐性を得ようと行動を始めた。

 因みに、アリスの回復に血が関係していることはつい最近、偶然ダメージが残っている時に夜の血液摂取タイムになったことでみるみる傷が回復したことで気づいた。


 「私は今回、ダメージ耐性系スキルが増えたのが大きいね。痛いのが減るのは有難い。」


 「この耐性系スキルって自身が受けたダメージ(・・・・)の総量が一定値を超えたら付与されるっぽいから、アリスもここに来てから苦労してるんだな。そんな状態になるほどダメージを受けさせていることに申し訳なさを感じるけど、アリスがスキルを得てくれた事が嬉しい気持ちもあって複雑です。」


 「まあまあ。ここはスキルが増えてよかったで流してくれていいよ。後、言霊術は......何?」


 「いや。ふふっ。俺が分かる訳なくない!?名前的には言語で何か能力が発動する感じだけど?」


 「......なるほど。今更だけど、重大事件が発生しました。」


 「発生って、はははっ。今気づいたんでしょ!さっきからちょこちょこ笑わせてこないで!それで事件って何?」


 「私のレベルが上がったことで神眼スキルの能力が強化されました。というか、私のステータスが上がったことで能力に体が耐えられるようになったみたい。私が視える(・・・)範囲にスキルの詳細が適用されました。」


 「......それってやばくない?アリスの()なら相手のステータスも見ることができるんだから、スキル効果の情報を知れるメリットは相当だと思う。いや、自分たちのスキル効果を知れることもかなり有用だとは思うんだけれどね。」


 ネメシア世界で神のシステムにより得ることができるスキルは、それを得た時に体感的に何となくそのスキルを知れる程度しか人々は理解できない。だから人々は自分のスキルを試し、練習することで自身の力としていく。だがアリスは、その手間を視る(・・)ことで省き、更に敵のスキル効果まで知れることは戦闘における情報としてはかなり強力な能力を得たといえる。


 「私の言霊術は、魔法の詠唱みたいに言葉に魔力を乗せることで現象として発露できるみたい。それに私が得ることができたことから、声を発しなくても念じるだけでいいみたい。」


 アリスの得た言霊術スキルは、アリス以外の同じスキルを有している人達は声を発することで相手に暗示をかけたり、呪術を行ったりして使用している。しかし本来のスキル効果は、声に魔素を纏わせることでその言葉の”存在値”が上がり、言葉が現実に及ぼす影響が増すというものだ。つまり魔素を纏わせることが重要なため、アリスの魔法の時のように代用はできる仕組みになっている。


 「アリスの強化が速すぎて俺は置いていかれないよう毎日必死ですよ。能力が強すぎる。」


 「まあ、私とカナタは一緒に居るんだし相方が強くなることはいいでしょ。カナタのスキルはどんな感じ?ふむ。纏術はあれだね、カナタが最近使っていた魔素を纏わせる能力だね。これは体にも行うことができて、纏わせることで身体能力を向上できるみたい。」


 「スキル化したってことは今まで使っていた時よりも効果が上がったり、使いやすくなったりする感じってことかな。戦闘しやすくなるのはいいんだけれどアリスとの差が酷い気がする。まあアリスが言ったようにアリスの力は俺のものでもあるからいいけどな。」


 「いや、言い方よ!助けてくれるからとかって言ってよ!某、ガキ大将の人になっちゃうじゃん。」


 カナタたちはボスを倒したことで緊張感も解け、和気藹々と話しながら能力についての話し合いを進めていく。


 「じゃあそろそろ今回のドロップ品の話に行こうか。」


 「は~い。お願いします。」


 今回のドロップはカナタが倒したドッペルゲンガーとアリスが倒したドッペルゲンガーの一体分ずつがそれぞれのアイテムボックスに収められている。


 「じゃあまず俺の方でドロップしたアイテムから見て行こう。」


 カナタがドロップしたアイテム


 ・漆黒のマント

 ・黒点草

 ・黒曜石の指輪


 この計三個がカナタの得たアイテムだ。


 「漆黒のマントは消音効果+1、気配-1、被ダメージ10%カットの効果がある。黒点草は貴重薬草だね。毒消しの効果があるみたい。後、黒曜石の指輪は攻撃力5%上昇、速力5%上昇の効果があるね。」


 「トータルで見てアタリだな。とりあえず、分配は後で決めるとして、アリスのアイテムも先に見てみよう。」


 『前回は私が優先してもらったし、今回のカナタの方で出たアイテムはカナタが持っていていいよ。そもそもカナタの方が相性がよさそうな効果だし。』


 「......じゃあそうさせてもらうよ。装備品に関してもマントを二枚つけたりとかはまあしないし複数あっても意味がないもんな。俺たちはアイテムボックスがあるから邪魔にならないし、戦闘に応じて使い分けるとかしていくのが理想かもしれないな。」


 「今後この迷宮がどれだけの深さがあるのかわからないけれど、敵は倒していくわけだしいいアイテムを手に入れられる可能性は高いと思うよ。じゃあ次は私の方のアイテムね。」


 アリスがドロップしたアイテム


 ・ブラックダイヤ

 ・白宝の指輪


 「アリスの方は宝石ばっかで女の子的にはいい感じのドロップだったな。」


 「ブラックダイヤはただの宝石だね。でもこのビー玉位のサイズの宝石は高いと思うよ?真っ黒だけど、光の加減で中が薄紫に見えるのが綺麗。白宝の指輪は、その白い宝石に魔法を一つ込めておけるって。」


 「これはうまいこと自分のアイテムを自分で使うのがいい分配法みたいだな。アリスのその指輪はアリスにこそって感じの能力だし、かなりいい結果だったな。」


 二人が入手したアイテムはなかなかの性能を有しており、今回の成果はステータス然り、ドロップアイテム然りで戦力の向上を果たすことができた。

 そして二人はこの後も話し合いという名のお喋りを長々と行っていくのだった。



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