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誰が為に  作者: 白亜タタラ
ダンジョン攻略編
16/108

合流!

 カナタはゴブリンジェネラルとの戦闘によりその肉体を使った予想を上回る剣の扱いをされ、自身の身体を上下に切り裂かれて両断されるという初めての経験をした。

 しかし上手く相手の意識の隙を突くことで辛くも勝利をおさめることができた。


 だがその代償は大きく、ゴブリンジェネラルを倒した現在、少し離れた所で上下に分かれた身体が無残に出血しながら転がっていた。

 上半身も下半身もお互いを求めて地面を這いずり回っていた。


 こうしてお互いが体のパーツを求めている少しの時間で、切断面の傷はもう既に少しずつ塞がり始めており、流れ出る血液で出来た小さな赤い水溜りはその大きさの拡大が止まりつつあった。


 そうして三十分程の時間を費やし、カナタは元の綺麗な状態(・・・・・・・)に戻った。


 (いや、初めて真っ二つになったが違和感しかないな。ホラーゲームで出てくるゾンビは大変な思いをしてたんだなぁ。......お疲れ様ですぅ。)


 カナタの思考はかつてない経験をしたことでよくわからない方向に向かっていたが、ふと新たな違和感に気付いた。


 (あれっ?......そういえば真っ二つになったのに痛みに耐えられたな。前に腹を喰われたときには無理やり痛みに耐えて行動していたけど......耐性系スキルのレベルが上昇したのかなぁ?)


 募る疑問はあったが今のカナタは完全な無防備であり、それこそ背後から襲われれば為す術もなく一方的に攻撃に晒されるだろう。

 そう危惧したカナタは緊張感を切らさないように注意し、あたりの警戒に努めた。


 警戒を続けること数分、ようやく身体が繋がったことで再スタートを切った。


 カナタがゴブリンジェネラルと戦っている間もアリスは目についたゴブリンたちを葬り、カナタの方への歩みを進めていた。

 そして進み続けた結果、カナタが動き出してすぐに合流を果たしたのだった。


 「おー、アリスの方も合流を目指してくれてたのか?こっちからじゃあ合流できるか不安だったから助かったよ!」


 『うん。予想以上に上位個体のゴブリンに苦戦してしまったから。それに、私の()で確認したら残る敵戦力ってただのゴブリンもまだ少しは残っているけれど、ほとんど上位種ばかりだったから作戦を練り直そうかなと思って合流を目指した。』


 「成る程。最初の襲撃からも時間が経っちゃったし、相手の混乱ももう落ち着いたからな。で、どうやって攻めようと思っている?」


 カナタはアリスの考えの意味を即座に理解し、取り敢えずは話を聞いてから決めようとアリスに話の先を促す。


 『私たちは自分たちで自覚している以上に、これまでの連戦で少なからず疲労していると思うの。だからこのまま思い切って夜まで休もうと思う。』


 「夜までって事は夜襲でも考えている?」


 『半分正解!折角の暗がりなんだから利用しようと思う。ゴブリンに夜目が効く個体がいない事が前提の作戦だけれど、どう?』


 「アリスはそれで良いけど俺はどうする?俺も見えないから条件はゴブリンと同じなんだけど。」


 カナタはアリスの作戦に対して、ゴブリンが夜目が効かない事に賭けてこのままの作戦で行こうと考えた。

 コレは半分は勘と願望であったが根拠も少なからずあった。

 まず、これまで襲撃して突入してきた家屋には常に灯りを灯す道具が置かれていた。


 また、道の所々に木の燃え残りや焼けた地面を見てきた。


 これらのことは、ゴブリンには灯りが必要なのではないかという思考に至るには十分だとカナタは思っていた。

 しかし、絶対的な問題点としてカナタ自身も夜目が効かないのだ。これでは自分が役立たずで、態々合流した意味がなくなってしまう。


 『大丈夫。視覚補助の魔法を作ってみた(・・・・・)から、辺りが暗くなったら一回試してみようと思う。こっちが作戦のもう半分。』


 「流石アリサ。じゃあ夜目の問題は取り敢えず置いておくとして、どう襲撃する?」


 『私が魔法で見つかり難くするから、カナタの剣で倒して回ろうって作戦なんだけど、どう?』


 「ついに俺が暗殺者(アサシン)になるとは......でも、少しワクワクしている自分が居ます。」


 『その宣言は少し危ない気もするけれど、異論がないならそれでいい?』


 「OK。それで行こう。全てが作戦通りに行くなんてことはないだろうから、後は各々状況に応じて判断するってことで。」


 『うん。じゃあ取り敢えず、お互いに情報共有したいからステータスの確認をしよう。』


 そう言って二人は頷き合い、先ずは自分のステータスを確認し始めた。


 「『ステータスオープン!』」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


  ハヤカワ カナタ


 【レベル】:12



 職業:投剣士



 【HP】(体力):33



 【MP】(魔力):42



 【STR】(筋力):38



 【END】(耐久力):29



 【DEX】(器用):29



 【AGI】(速度):31



 【LUC】(幸運):25



 【スキル】 


 異世界言語、アイテムボックス、不老不滅、万物創造、苦痛耐性:Lv3、痛覚鈍化:Lv4、剣術:Lv1、投擲:Lv1、


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 アリス・コトノセ



 【レベル】:15



  職業:殲魔術師



 【HP】(体力):40



 【MP】(魔力):45



 【STR】(筋力):30



 【END】(耐久力):32



 【DEX】(器用):31



 【AGI】(速度):36



 【LUC】(幸運):30



 【スキル】 



 異世界言語、アイテムボックス、神眼、魔法真理、魔法創作:Lv1、詠唱術:Lv1


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 『私のステータスがこれね。』

 

 アリスは解り易いように神眼スキルで確認したお互いのステータスを地面に書き写した。


 「俺とアリスのステータスを比較すると、よく使っているパラメーターほど上昇率が良いように感じるな。」


 『確かにそれ有りそうだね。私はMPが高めで、筋力とか低めだもん。』


 「俺は筋力が高めだしな。とはいえ、万物創造スキルでモノを作り出すときに使いまくるからだろうけれど、俺もMPの上昇率が一番高いな。戦闘面では直接的には使ってないのに。」


 『でもカナタも私もMPが高い分には全く困らないし、寧ろ()を考えれば安心できる。ここに来るまでに多対一で不利な状況もあったし、MPに余裕があればその分魔法の選択肢も増えるし、戦闘にも余裕ができれば有難い。』


 「俺の方も、武器や食料とか量産、備蓄できればかなり楽にはなるし心配事も減って助かるな。」


 それからカナタたちは、ここまでの間の戦闘の内容などを話し合い、各々が各々でパートナーの成長と、戦闘時における動き方やサポートのタイミングなどを確認していった。

 カナタたちは新たに増えたスキルにも興味が出て話し合いが加熱するが詳しいことはまだ判らず、その名前から予測することしかできなかった。

 そして話は、これからのことに移っていく。


 『その目が映すは真昼の姿也!”夜目”......どう?』


 「......おおー本当に昼の時のようにしっかり見える。アリスの方はMPは問題ない?」


 『大丈夫。この魔法はかなり限定的に効果を絞って夜目の効果しか持たせてないからそれほどMPを消費しないの。ただ一時間しか魔法の効果が持続しないからそこだけ注意して。』

 

 「キング戦の前には掛け直した方がいいかな。じゃあ俺も......スキル発動!」


 そうしてカナタは戦国時代など旧日本で出回っていたような、所謂刀と呼ばれる武器を記憶の通りに創り出した。


 「うん。漫画とか教科書で見た通りに作れたな。刀身の細さ的に他の俺が知る武器の中で俺が使えそうな中ではこれしかなかったんだよな。ゴブリンソードマンが持っていたような所謂バスターソードみたいな剣はMPの消費が大きそうだし。」


 『やっとカナタの武器もまとも(・・・)になったって感じ。ただ今回の作戦では小刀の方が使いやすそうだけれど。』

  

 「......せっかく創れたのに、残念な事言うなよ。でもこれで、素の戦闘でも懸念事項が減ったな。」


 こうして、カナタたちは夜が更けてくるまで作戦を詰めていき、準備を万端にしていくとともにこれまでの戦闘の疲労を回復させていったのだった。



 

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