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15話 お弁当

よろしくお願いします。


次の日。朝、目を覚ますと雨が降っていた。そういえば梅雨の時期が近づいてきたな、どっかの小さな元気っ子と違って僕は雨が人並みに嫌いだ。濡れるし、傘ささないといけないし。僕、思うんだけど、これだけ技術が発達してるのに、人間って雨に対する耐性弱くない?確かに車に乗ればいい話だけど、歩きの時どうしても雨にあたる。歩きでも雨に濡れない方法を誰か考えて欲しい。


閑話休題。


どうやら姉はまだ寝ているようだ。今日はオフって言ってたな。久々の休みだしゆっくりさせてあげよう。姉が起きた時食べれるように目玉焼きとベーコンと、簡単なサラダを作って置いておく。トーストは自分で焼くだろう。さて一応、お昼のお弁当も作ってあげるか。昨日のきんぴらごぼうが大量に残っているのを見て、僕はあることを思い出す。確か、如月さんにお弁当を作ってあげる約束をしていたな。


ベッドルームに戻り携帯で如月さんにRINEを送る。


【小夜】


●『渡したい物があるから駅で待ってるね』


これで大丈夫だろう。いつも学校近くのコンビニで昼ごはんを買ってるのは知っている。


さて、昨日のきんぴらごぼうとほうれん草だけでは足りないので、だし巻き玉子も作る。冷蔵庫にアスパラがあったので、もう一パックベーコンを焼き、アスパラベーコンを詰める。嫌いなものはないだろうか?まぁ嫌いだったら残すよな。三人分のお弁当を包み。支度をして学校に向かう。


「あぁそうだった」


雨だ。いやだなぁ。傘をさしてできるだけ濡れないようにしながら駅に向かうのであった。


駅での待ち時間は読書に勤しもうと思っていたのだが、あいにくの雨なので、姉から教えてもらった「Lotus(ロータス)」と言うバンドの曲を聞いていた。なんでも、ボーカルが姉と元々同じ高校の同級生らしく、勧められたのだ。ネットで少し検索したところ、人気急上昇中の四人組バンドと記事があった。活動自体は結構前からしてるんだな。歌詞も演奏も素晴らしいが何よりボーカルの歌声が圧巻だ。一度生で聞いてみたいな。ねぇちゃんに言ったらチケット用意してもらえないかなぁ。


二番乗り場に電車が参ります。危ないですので黄色い線の内側にお入り下さい。


アナウンスと共に駅に電車が入ってきた。多分この電車だな。


プシュー。テロンテロン。

降りてきた人の中に如月さんを見つける。


「あ!神谷くん!」


「おはよ」


「おはよ!なに?渡したいものって」


「あーこれ、はい。お弁当。作る約束してたから」


「ええ!?ほんとに?いいの!」


「うん。昨日、姉貴が帰ってきて、晩御飯多く作り過ぎちゃったから。タッパーはそのまま返してくれればいいから。放課後またここに来てくれる?」


「なんでそんな優しいねん」


「関西弁出てるよ」


「おっといけない。つい素が出てちゃった。えぇめっちゃ楽しみ!お弁当食べるのとかいつぶりだろう。」


「それはよかった。そろそろ行かないと遅れるよ?」


「ほんとだ!いこ!」


聞いてください。皆さん。僕結構、脱コミュ症できてませんか!?如月さんと割といい感じに喋れてたよね?傍から見たら仲良く一緒に登校してるように見えるんじゃ?


「やばいよ!チャイムなる!」


「へ?」


時計をみる。チャイムのなる15秒前である。如月さんいつもこんなにギリギリにきてたのか。完全に油断していた。そして如月さんの渡った信号が赤になり。僕は止まる。ゲームオーバーみたいだ。


人生初の遅刻をしてしまい、生徒指導部の片岡に怒鳴られる。これもきっと雨のせいだ。





片岡の説教からなんとか逃れてぼとぼと教室に入る。今日も教室はガヤガヤ賑やかだ。


「白石 葵まじ可愛くね?最近きてるんだけど」


「白石 葵もヤバいけど、この坂46の齋藤(さいとう) 奈良(なら)ちゃんでしょ!小顔過ぎ!」



「ねぇねぇ見てー。白石 葵またお家デートだよ」


「これ彼氏さんが作ったんかな?やばー。料理うまー」


「今頃二人でベッドに寝てたりするのかな〜」


「きゃー」


うちの姉は今頃、僕の作った朝ごはんを食べてる気がする。


「はっくしゅん!風邪かなぁ。サラダ美味しい」


噂話の絶えない学校だな。あれ?今日、桐崎さん休みなのかな。カバンがない。その時。突然背後から不穏な気配を感じとる。すぐさま振り返ると黒縁メガネが視界に入ってきた。小鳥遊 伊織さんだ。


「ちょっといいですか」


「ちょっ」


僕の手を掴み、廊下に連れ出される。おいおい。もうSHR(ショート)始まるぞ。


「桐崎さん!なんで休みなんですか!」


「し、し知らないよ。僕も今、気づいたばっかで」


「なにかあったんでしょうか。体調不良で寝込んでるならまだいいのですが、どこかで事故にあってたりしたら。いや!体調不良でも桐崎さんがしんどいのには変わりません。どうしましょう!」


碓氷くん。君は多分この子に負けてるよ。なんでこんなにこの子、桐崎さん推してるの。


「いや、多分、大丈夫じゃないかな?土曜日にショッピングモールで会ったし」


「聞き捨てなりませんね?それは約束して会ったんですか?それともたまたま会ったんですか?前者なら君の爪はなくなるとと思ってください」


「後者だよ!後者!如月さんと一緒だったし」


「如月。如月 小夜のことですか」


「え?そうだけど」


「あの憎き女いつもいつも桐崎さんとベタベタしやがって。羨ましいです」


ねぇこの子大丈夫?情緒不安定じゃない?クラスじゃ大人しい系のキャラじゃん。


「とにかく!桐崎さんの無事が確認できるまで私は授業中も眠れません。今すぐ安否確認をお願いします!」


「わ、わかったわかった。もうチャイムなるから次の休み時間に連絡しとくよ…」


「仕方ありませんね。それと!」


「なんでしょう」


「約束忘れてませんよね?」


「約束?あぁお昼の話?だ、大丈夫忘れてないよ」


「そうですか。ならいいです」


小鳥遊さんは教室に戻っていった。あぁは言ったものの僕も少し心配だ。連絡してみよう。


ご覧頂きありがとうございます。

コメントありがとうございます!

誤字脱字が多くてすいません!

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