第十二話 かくれんぼ
「お、おい、どうしたんだよ、いきなり立ち上がって……」
「思い出したんだ」
楓の質問に素早く答え、楓の瞳を見つめる。
「全部、思い出した」
「思い出したって……何をだよ?」
その質問には答えず、陽大は勢いよく教室を飛び出し――夢路の家へ、向かった。
「おいっ!どこ行くんだよ、もう授業始まんぞー?!」
そんな楓の叫びを無視して。
「はっ……っはあ、はあ……どこだよ、夢路……っ!」
息を整え、汗を拭いながら、周りを見渡す。すでに夢路の家の前へたどり着いた陽大は、眉間にしわを寄せながら夢路を探した。
とりあえず自宅へ入り、この前のように何か夢路の存在のヒントになるものはないかと家の様々な場所を探す。しかし何も、見当たらない。夢路のピンだけが、存在をかすかに証明している。
「なんなんだよ、透過病って……! どうすりゃ、夢路は帰ってくんだよ……っ?!」
悲痛な叫びをもらすも、返事が返ってくる気配は全くと言っていいほどない。
「夢路……っ!! いないのか?! いたらなんでもいいから合図してくれっ!!」
そう言っても、家の中の状況は何も変わらない。静まり返った空間が、更に心臓の音を早く大きくさせる。
「……頼むよ……!」
もしかしたらここにはいないのだろうか。だとしたら、あと夢路がいる場所は……。
「夢路の家か……それか」
鍵がないため夢路の家には入れない。
かすかな希望に願いを込めて、陽大はある場所へと全速力で向かった。
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