表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2分間探偵の冒険  作者: 真波馨
CASE37:女心と陣内
74/121

問題篇


「探偵よ、今日の俺はひどくブルーなんだ。励ましておくれ」

 黒のロングコートを気障に着こなしたロバート陣内は、バーのカウンターで肩を落としている。

「お前がそんなに凹むのは珍しいな」

「女に振られたのさ。飛び切り美しい女に。一体俺のどこに落ち度があったんだ」

「誰彼かまわず愛想を振りまきすぎなんだよ。二股疑惑でもかけられたんじゃないのか」

「まさか。たしかに彼女、笙鈴(ショウリン)とデートしていたとき他の女に言い寄られたことはあったが」

「恋人は中国人だったのか」

「そうさ。文通をきっかけに知り合ってな。リンが日本に来てからも手紙で互いの近況報告をしていた」

「今時古風だな」

「ロマンチックと言ってくれ。ほら、これが俺と彼女の愛の証だ」懐から手紙の束を取り出す陣内。色褪せた茶封筒に記された「笙鈴」の筆跡は、細く流麗でいかにも女性らしい。

「どの封筒も切手を2枚貼っている。彼女は82円切手の存在を知らなかったのか」

「持ち合わせていた切手に偶々82円がなかったんだろう」陣内はどうでもよさそうに片手を振る。2枚の切手を数センチ離して貼付するという貼り方を見た私は、彼に愛の証を返しながらアドバイスを送った。

「お前はもう少し、中国人女性の恋心というものを学ぶべきだったな」



Q:文通に使われた封筒を見て、「私」は何に気付いたのでしょう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ