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2分間探偵の冒険  作者: 真波馨
CASE32:悲劇的な殺人
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問題篇


「随分年季が入った建物ですね」

 砂利敷きの青空駐車場で作業をしていた三宅巡査が顔を上げる。

「築35年の木造モルタルアパートだそうです。室内もかなり古いですし、階段を上るときも足元が抜けるんじゃないかと冷や汗ものでした」

「へえ。で、ここが殺人事件の現場と」

「はい。2階の206号室から女性の刺殺体が見つかりました。死亡推定時刻は今日の夜中3時前後。時間が時間ですから、住人からの目撃情報も皆無でして。ちなみに隣の205号室は空き部屋でした」

「あのブルーシートがかかっている左端の部屋が、206号室ですか」

 右から5番目の部屋を指差す私に、三宅巡査は「ああ」と頷く。

「縁起を担いで104号室と204号室はないみたいです……おや」

 三宅巡査が私の肩越しを覗き込む。振り返ると、野次馬の中からパーカー姿の男がひょこりと頭を下げた。

「実は私、昨晩コンビニへ寄った帰りにここを通りかかりまして。アパートの階段を駆け下りる怪しい人影を見たんです」

「ほう。ちなみにその人影、あの206号室の部屋から出ていきましたか」

「え?」三宅巡査が示した最左端のドアに、男は怪訝な視線を飛ばす。

「い、いえ。部屋から出たところは、見ていなくて」

 ぎこちなく答えるパーカーの男を横目に、私は若巡査にそっと耳打ちした。

「彼の証言ですが、鵜呑みにするのは危険ですよ」



Q:男の証言で怪しい部分は?

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