表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2分間探偵の冒険  作者: 真波馨
CASE13:消えた女
26/121

問題篇


 とあるビルの3階、テナント募集中の空き部屋で撲殺体が見つかった。私は篠田警部に呼び出され、土曜日の昼下がりに血なまぐさい現場へ駆けつける。

「3階のオフィスの従業員が、階段を駆け上がる怪しい人物を目撃しています。髪を背中まで伸ばした女で暗い色のスカートを着用し、スカートから伸びる引き締まった脚が印象的だったと。ただ、この証言を信じていいものか」

 警部が半信半疑である理由はすぐ理解できた。事件当時ビルの4階以上にいたのは、デザイン事務所で休日出勤をしていた堂島と名乗る()()()だったのだ。捜査員がビル内を隈なく捜索したが、女の痕跡はどこからも発見できなかった。

「休日真面目に働いていただけなのに殺人事件に巻き込まれるとは」

 黒い薄手のコートを着こなした堂島は、皮肉を垂れる。ざんばら髪が妙に似合う垢抜けた雰囲気の男だ。

「女の痕跡といえば、女子トイレにはそれらしき物証は残っていないのですか」

 篠田警部は肩を小さく上下させ、

「3階の女子トイレからは剃刀、綿棒、歯磨き粉が見つかっていますが、普段は女性社員もいますからね」

「そうですか……ところで堂島さん。あなたの事務所にハサミは置いていますか」

「ハサミ? ええ、ありますけど」

 不思議そうな顔をする堂島をひたと見据える。

「堂島さん。今回の事件について何か我々に隠してはいませんか」

 堂島の顔がさっと青ざめた。

 


Q:私が堂島を怪しんだ根拠は?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ