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2分間探偵の冒険  作者: 真波馨
CASE51:甘い罠にご用心
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問題篇


 人気上昇中の『劇団アポロン』に私の友人が所属しており、公演に誘われた。今回の演目はある有名な推理小説が原作らしく、興味を惹かれ二つ返事でオーケーする。

 だが、そこで悲劇が起きた。劇団アポロンの看板女優、松井菜々子(まついななこ)が公演直後に怪死を遂げたのだ。友人で劇団員の諸戸房志(もろとふさし)に呼び出され、私は楽屋に駆け付ける。

「みんなで紅茶を飲んでいるときに、急に呻き声を上げて……何度か嘔吐を繰り返してから痙攣して、それから床に倒れて徐々に動かなくなったんです」

 劇団員の女性が、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら説明する。床には花形女優がうつ伏せに倒れ、苦悶の横顔を見せていた。

「症状を聞く限りは中毒死か。紅茶を飲んだ直後に苦しみだしたのですか」

 私の問いかけに、女性はこくりと頷く。

「じゃあ、紅茶に毒が?」

 諸戸の一声で、背後にいた劇団員たちから「俺も紅茶飲んだぜ」「私も」と不安の声が上がる。

「判断を急がないで。公演前後、松井さんはほかに何か飲食しましたか」

「開演前にブルーベリーケーキを食べました。劇団の習わしなんです」

「菜々子はブルーベリーケーキが特に好きだったから、彼女には特別サイズのものを用意していました」

「でも、ケーキを食べたのは2時間も前だし。やっぱり紅茶に毒が」

 私は劇団員たちを振り返る。

「概ね推察できました。ケーキを用意した人物に詳しい話を伺いたいですね」



Q:松井菜々子の死の真相を明らかにせよ。

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