初恋の
強気で活発でカッコいい子だった。
まだ忘れることが出来ない。
悔やむのは、再会の約束をしなかったこと。
ふわり
そうやって鼻を何かの香りが掠めた
大好きな香りだ
あの子を思い出すから
金木犀の香り
あの子が大好きだと言った香り
あの子は元気にしているだろうか
もう何年も会ってない
少しずつ大人に近付いて
少しずつあの子を忘れていく
あの子と手を繋いだ
その記憶さえ定かでは無く
いっぱいに香りを吸い込んで
窓から差し込む夕日に手を染めて
それから街行く子供たちの笑い声を聴いて
放課後一緒に居たあの子を思い出す
私の初恋はあの女の子の笑顔でした。
窓をそっと閉めて
香りは途絶える
それでも泣いてはいけない
孤独な同胞のために
思い出のために
いつかまた出会える日の為に