妙な関係
えー・・・なんというか、長い間更新できなくて申し訳ございませんでした。
ここから定期更新!!何てことをできるわけではないため、また長期間更新しないかもしれませんがそこはご了承ください。
それではどうぞ。
6 妙な関係
夢のような土曜日が終わってしまい、日曜日は趣味の時間に費やそうと思っていたのだが、土曜日の夜疲れはてて倒れるかのようにベッドに横になった結果起きたのが午後の3時という時間だった。
「・・・何で俺ってこういうときダメなんだろうな」
土曜日がとても可愛い天使のような小学生――――葉月ちゃんと出会い、お母さんとの思い出の花を一緒に見つけるという一見奇妙な関係を築いてしまった。よくよく考えたら犯罪ギリギリなのかもしれないが、仮に捕まるとしてももう少しくらい楽しませてほしい。
俺はとりあえず顔を洗うために部屋を出て、階段を一段一段ダルそうに下りながら洗面所に向かう。
途中で妹から「お兄ちゃん今起きたの!?いくら何でも遅すぎよ!」と言われ、なぜかわからないけど数発殴られた。もちろん痒い程度だったが、妹に殴られて興奮するほど俺の性癖は曲がっていない。
「さて、コンビニでも行くか」
散歩がてらコンビニに行くことにすると妹からアイスを買ってくるよう迫られたので、残り少ない財布をもってコンビニに向かった。近所にあるコンビニまでは五分もかからない程度で、ニート生活をしている俺にとってはいい散歩となる。
少し遠回りをすれば公園もあるし、この季節の夕方は風が爽やかでとても気持ちいい。
「いらっしゃいませー」
「あっ。大谷」
「よう清水。お前がこの時間に来るなんて珍しいな」
「散歩がてら来たんだよ・・・あと妹にアイスを頼まれた」
コンビニにたどり着いて早速中に入ると少しからかうような言い方に反応してレジの方を見てみると、そこにはニヤニヤしながら見つめる大谷の姿があった。軽く話し込んでからアイスが置いてあるコーナーまで歩いていき、どのアイスにするか選ぶ。
ここで適当なことをすると喜咲の機嫌を損ねることになるので、慎重に選び抜くしかない。
「まあ・・・これでいいか」
無難なチョコアイスに決めた俺は商品と取るために手を伸ばすと反対側から伸ばしてきた小さな手と重なる。互いの指が当たったことに驚き、ハッと顔を上げてみるとそこには意外すぎる人物がいた。
「え!?り、凌さん!?」
「は、葉月ちゃん!?」
そこには先日知り合ってこれからも会う約束をした俺の中な天使―――葉月ちゃんがいた。今日はあの日と違って髪を縛っていて格好も結構ラフな格好と言う感じだけど、それでも俺はポケットに入れておいたスマホに手を伸ばしていた。
あと一歩というところで手を止め、葉月ちゃんに話かける。
「えっと・・・葉月ちゃん?家この辺だったの?」
「は、はい。ここから五分とかからないような場所で・・・」
―――マジでこの辺じゃねえか。ん?ちょっと待て・・・じゃあ、もしかしたら俺がよく行ってる小学校と一緒かもしれないってことか?
その考えが頭を横切った瞬間、俺の心臓はこれ以上ないほど暴れまわった。心臓の鼓動がどんどん早く、強くなって押さえきれないほどになった。
「えっと・・・葉月ちゃんはもしかしてこの辺の小学校に通ってたり・・・」
「いえ、最近引っ越したんですけど学校は変えてませんよ」
「あ、そうですか」
葉月ちゃんのその言葉を聞いた俺は心の中でガッツポーズをしながら心底安心していた。しばらく葉月ちゃんと話し込んでいると、隣からドサドサっと何かを落とすような音が聞こえる。
何かと思ってそちらを向いてみると、体を震わせて段ボールに入ったお菓子をぶちまけた大谷の姿があった。何やらすごい驚いているように見える。
「清水・・・お前、ついに手をだしたのかー!!!」
「は?いやちょっと待て。俺は別に疚しいことなんてして・・・ないよな?」
「何で疑問系なんだよ!!そこはちゃんと言い切ってくれよ!!」
「いや、冷静に考えたらかなり奇妙な光景だよな」
大谷に言われるまでは全く気づいていなかったけど、俺は今通報されても可笑しくないような状況になっている。真のロリコンである高校生がとても可愛い(天使)小学生と話している状況だというのに、何故か俺は普通に話し込んでしまっていた。
・・・ヤバイかな?
「じゃ、じゃあ葉月ちゃん!また今度!!」
「え?あ、はい」
「大谷!お前はバイト頑張れよー!それじゃあな!!」
「おい。まだ話は終わって――――」
大谷に言われて挙動不審となった俺は二人に適当な言葉を投げ掛けてから逃げるようにしてコンビニを去った。喜咲に頼まれたアイスもすっかり忘れていた俺は、家に帰った後丁度風呂を出て髪を乾かしている喜咲に濡れているタオルを投げつけられた。
それから謎の謝罪タイムが訪れることとなり、明日の朝ごはんをホットケーキにするということで許してもらえることになった。
「ハア・・・なんか今日疲れたなあ」
数十分外に出ただけだというのにすっかり疲れた俺は仰向けになって天井を見つめながら一人で呟いていた。もう後は寝るだけだというのだが、何故か眠れなかった。
「悪いことしちゃったかな」
大谷に言われて焦った俺はかなり適当に片付けてしまったため、葉月ちゃんを傷つけてしまったかもしれないと内心怖々だった。まだ小学生なら高校生の俺と接することに抵抗があるだろう。
昔からの知り合いというなら話は別だが、昨日会ったばかりの奇妙な関係でしかない。
俺はパソコンを立ち上げてゲームを始める。すると直ぐにルナさん―――葉月ちゃんがいることが分かった。直ぐにチャットを開いて葉月ちゃんにメッセージを送ろうとしたけど、そこから俺の手は動かなかった。
するとその数秒後に俺のメッセージボックスにメッセージが届く。
『凌さんこんばんわ。さっきはすみませんでした』
「え?」
想像もしていなかった内容に思わず声が出てしまった。謝るのは俺のはずなのに、何故か葉月ちゃんが謝ったのだ。
『凌さんはなにも悪くないのに・・・ご迷惑をかけてしまいましたね。私がまだ子供だから、高校生の凌さんと一緒に居るのは不自然でしょうから』
「そういうことか・・・」
葉月ちゃんは自分が子供であるから俺に迷惑をかけていると勘違いをしているらしい。もちろん俺はまだ自分の趣味を暴露しようとは思わないけど、少なくとも葉月ちゃんが思っているようなことは絶対にない。
一度深呼吸をした俺はパソコンのキーボードに手を伸ばして葉月ちゃんにメッセージを送る。
『そんなことないよ。高校生と小学生が一緒に歩いているからって不自然に思われることはあるかもしれないけど、俺はそんなこと気にしないよ。
今日はたまたま友人がいて、そいつの誤解を解くために外に連れ出したんだ』
本音と嘘を混ぜたメッセージを送ると直ぐに返事が帰ってきた。
『ありがとうごさいます。凌さんは優しいですね』
最後にそう送って葉月ちゃんはログアウトした。最後のメッセージを送られてから数秒動くことができなかった。“優しい”という言葉が今の俺に相応しいのか分からなかったからだ。
少し胸に重りをつけたような気持ちになりながらその日は眠った。
読んでいただいてありがとうございます。
久しぶりの投稿ですので文章の感じが違ったり、読みにくかったりするかもしれませんが目を瞑ってくれると幸いです。
なるべく早く戻したいと思っています。