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45.悪夢の出口まであといくつ?

 『温州』

「ふ、副長!!」

何度呼び出しても応答がない通信室へ出していた伝令の声は震え上がっていた。

「どうした?伊通信士はどうした?状況を報告しろ」

声からもしやと考えていた事が当たったなと思いながら副長が聞いた。

「は……はい。通信室の者は全滅です!!」

「全滅だと?さっきの攻撃でか?」

「いえ、確認できた者には全て銃創が認められます。残りは損傷が酷くて確認できません」

「そうか、では通信機器はどうだ?使用可能か?」

「いえ、こちらも銃撃で破壊されています」

「よし、CICに戻って詳細の報告を」

「はっ、詳細の報告の為にCICに戻ります」

副長は一度電話を切り需品科に電話を繋ぎ普段使っていない予備通信室の状況確認に人を出すように命じた。さらに、CICにいた士官で通信士として勤務経験のある士官がいたのを思い出しその士官も予備通信室に向かわせた、ともかくさっさとこの艦で何が起きているか伝えないと味方に撃たれるというのはここにいる全士官の共通認識でありこの士官は命令が出ると復唱ももどかしく逃げる様に通信室に走り出した。


『さんふらわ』

「スゲェ……」

カメラで『温州』と『くまたか』の砲戦を撮り続けた仲田が無意識に言った。

「おい、気持ちはわかるけど口に出すなよ。マイクに入ちゃってる」

呆れつつ太田がたしなめた。

「すんません」

気まずそうに仲田が言った。その時、船のスピーカーから声が聞こえてきた。

「船長よりご乗船のお客様にお知らせします。本船は只今、機関の一部が復旧しました。これより本船は沖縄那覇港への航行の為点検に入ります。今しばらくお待ち下さい」

この放送を聞いた玉城達と市民団体の面々の胸中は『助かった』という安堵感は共通していたが玉城達はこれとは別にこのスクープの今後の扱われ方に対する不安がこの放送でやや冷えた頭に出てきた。玉城達はその不安を払拭するようにこの現場をテープとメモリーが続く限り撮っていた。


『くらま』

「じゃあ、向こうの準備待ちって事でいいんだな?」

安達は石倉に確認した。

「はい、機関部をもう一度確認しないとまた止まるかもしれないので動く訳にはいかないとの事です」

「ふーん。波川にはこの事、そのまま伝えてくれ」

「はい」

「それと――」

安達のこの言葉を聞いていた飯島はすぐさま中村を呼び必要な命令を出していた。

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