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36.策の結果

『くらま』CIC

「目標から、本艦へのレーダー波の照射を確認」

電測員が報告した。

「よし、ヨーシ。目標の動きを逐一報告しろ。間違いなく攻撃が来るぞ」

飯島はそれだけ命じてレーダーを睨み続けた。

「艦長」

その飯島に中村副長が声を掛けた。

「19式の点検は終了。何時でもいけます。誘導装置も池田の報告では間違いなく使えると……」

「いいぞ。中村、対空戦闘用意。すぐに相手が撃ってくるぞ、確実に仕留めろ」

「了解。対空戦闘ヨーィ」

中村の号令を聞きながら飯島はキーを取り出し兵装のセーフティーを解除した。


『温州』CIC

「あの小日本の艦に対艦ミサイルを撃て」

「発射弾数は?」

政治委員の命令は詳細が抜けていたので副長が確認した。

「1発だ。それでいい」

「はぁ……、1発ですね?」

思わず尋ねた。

「そうだ、1発だ。どうせ向こうは口だけで何もできん。さっきだって我が国ならなんの躊躇もなく撃沈できる状態でも奴らはあの忌々しい音を出すのが関の山だ。旗艦に1発撃ち込めばアイツ等は撃ち落とす事無く喰らうだけだ」

「…………」

(本当にそうなのか?ここまでやられてんだ、正当防衛だ、緊急避難だとかこちらの攻撃を叩き落とすぐらいなら正当な理由がいくらでも立つんじゃないのか?)

副長はそう思ったが、口に出すと自分が艦長と同じ目になるのではと思い口には出せなかった。

「鷹撃(YJ‐83対艦ミサイル)、準備しろ。弾数は1つ」

とりあえず、政治委員の命令に大人しく従う事にして、様子見を始めた。

しばらくして、砲雷長から準備完了と報告があった。

「よし、撃て」

「発射!!」

ミサイル長がボタンを押した。


同CIC

「『温州』から小型目標が分離。数1つ、対艦ミサイルと思われる」

「ミサイルが発射された。対水上見張りを厳にせよ!!」

「ESM、反応あるか?」

CICは喧騒に包まれた。

「中村、主砲とシースパローは?」

「目標がミサイルとハッキリすれば何時でも」

「頼むぞ、コイツを凌げば。主導権はこちらに持っていける」

「…………」

飯島の呟きに中村は無言でうなづいた。

「ESMに反応。目標はミサイル間違いなし!!」

「シースパロー、発射用意。発射弾数は1つ、急げ。SeaRAMも準備しろ」

「主砲、対空戦闘準備。ミサイルがしくじったら出番だぞ」

「池田、目標のデータは?」

「後、5分で完了」

喧騒の中で迎撃準備完了の報告が入った。

「左、対空戦闘。シースパロー、攻撃始め」

「VLS8番、シースパロー発射!!」



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