表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/56

3.APG481くらま

2019年4月ユナイテッド造船横浜事業部第2ドック

「艦長、ドックマスターより注水作業完了、ゲート開放準備良し。そちらの合図を待つとの事です。」

当直士官からの報告を艦長席の主は腕を組み目を瞑ったまま聞いている。

「うむ、機関始動、微速後進用意。」

傍目から見れば居眠りをしているように見えた、その男飯島克己1佐は目を少しだけ開き命令を下した。

「ドックマスターに、本艦の出渠準備は完了、ゲート開放願います。」

当直は速やかに通信室に内容を伝えた。

間も無くゲートは開きゆっくりと、艦は後進を始めた。

ドックの横では事業部長他手空き社員が手を振り見送っている。

「帽ふれー!」

登舷礼の指揮をとる1尉の声が下から聞こえ飯島もウィングから帽子を振っていた。

やがて艦が完全にドックから離れると飯島は帽子を被り航海長に面舵を命じ艦の舳先を正した。

「よし、問題ないな。両舷半速、見張り員は漁船などに警戒。それと登舷礼の者に総員別れ」

それを命じると飯島は艦長席に腰を下ろした。

(とりあえず、浦賀水道を通過次第、航海長に舵渡して艦長室に向かうか。まったく、そりゃそろそろ海に戻ると思っていたが、まさかこのフネか引退前のいい思い出だな。)

帽子を深く被り口を少し歪ませた。「くらま」は波を掻き分け進む、艦首には以前と違う481の番号が波のしぶきを受けていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ