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15.隊法第82条  [中継開始]  

「はあ、ええ了解しました。それで・・・」

安達は先程から通信室に陣取り自衛艦隊司令部との通信のやり取りを行なっていた。

「藤代3尉、入ります。」

藤代が通信室に入り安達に頼まれていた物を通信中の安達の目の前に置いた。

「はい、海保の11(管区)・・・ええ、はい。」

通信での情報で必要なものをメモ書きしながら藤城の置いた物に目を通しそれに添削を行っていた。

一方「くらま」艦内でも各科指揮官の下、慌ただしく動いていた。

「そこのケース、邪魔だ。片付けるのは終わってからでいいからとりあえず邪魔にならないところに移せ。」

「1番、(弾倉への)装填遅いぞ、何やってんだ」

「(ヘリ)33号、電気系統の報告来てないぞ、41号は・・・整備長のOK出たらいつでも発艦できるようにしとけ」

そのような会話が艦内のあちこちから聞こえている。

飯島は艦長室にこもり今の内にできる書類を処理していた。

「これはよし、・・・これは保留、これは何だこりゃ判が足りないじゃないか差し戻し。」

これと大して変わらない光景は哨戒隊群の各艦艇で行われていた。

「くらま」調理室

ここはいかなる状況でも普段と大して変わっていなかった。

「あっつ!!」

若い給養員が飯の熱さに耐え切れず危うく床に落としかけた。

「馬鹿野郎!落としたらソレお前が食えよ。」

「そんな、勘弁してくださいよ。」

「アホ、冗談だ。俺の食堂から食中毒なんぞ出してたまるか、それよりもう一回しっかり水つけて来い、それともっとちゃんと握れ、それじゃ食ってくハナからボロボロこぼれるだろ。」

「はい」

先程、戦闘配食用意の命令が出されたため、給養員総出で握り飯を作っていた。

「第1分隊は数は合ってる。第2もOK。第3は・・・」

その傍らでは食堂のテーブルの一部を使い藤井補給長達が副食用の缶詰を確認していた。

「ですね」

「ん?」

耳元に微かに何か聞こえてきた藤井は音の聞こえてきた方に目を向けた。

「誰だ?(TV)付けっ放しにしたのは、ったく」

自分が一番近かった為に藤井はリモコンに手を伸ばそうとした。

「せんかく」

音が小さかった為にそれしか聞き取れなかったがソレははっきりと聞こえた、思わず藤井は音量を上げた。

「ーーが現場にいます。現場の玉城さん。」

TVを視界に収めつつ藤井は艦内電話を取った。

「艦長、藤井です。」

「補給長か、どうした?」

「テレビ日本、現場からの中継だそうです。」

「テレビ日本だな、了解。」

電話の向こうでテレビを操作しているのが分かった。

「補給長、見るのは許可するがそれで作業遅延なきようにな」

「はっ、ありがとうございます」

そう言って藤井は受話器をおいた。

「ほら、見るなとは言わんが手は休めんな、作業終わるまでに中継終わるのを祈れよ」

そう言われ補給科員はテレビを気にしつつも作業を急いでいた。

「さんふらわ」デッキ

「はい、玉城です。」

「古澤です。そちらは今どうゆう状況ですか?」

「はい、銃撃は今現在、止まっています。現在は軍艦が私の乗っている船と我々と同行しているもう一隻を囲むようにゆっくりと動いています。」

「銃撃の瞬間は玉城さんはご覧になってますでしょうか?」

「私はその時ブリッジにいましたがカメラは撮影に成功しています。」

「負傷者などは出でているのでしょうか?」

「撮影したスタッフによると銃撃自体は船体の一部に数発が命中していますがその時の破片によってデッキにいた数名の方が負傷し、現在、船医の治療を受けているとのことですが詳しいことは不明です。以上が現在の状況です。」

「わかりました。玉城さん今後もお願いします。今、画面に出ておりますが、先程、林官房長官は緊急会見を行い緊急閣議において藤原総理が海上警備行動を承認したとの事です。それに伴い山本防衛大臣が当該の部隊に出動命令を下したとも発言しました。このニュース続報が入り次第、お伝えしたいと思います。」

この当該部隊の一部が哨戒隊群であった。


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