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13.遭遇

「さんふらわ」デッキ 

「おい、見えてきたぞ」

誰かは分からないが声の聞こえた方に玉城達は顔を向けた。

そちらの方では市民団体の何人かが双眼鏡を覗きながら最初に見つけたらしい男が指を指す方向を見ていた。

「ナイトビジョン付きのじゃないからよく見えないな、そっちは?」

「俺のはお前のよりは少しはマシだと思うよ、ほれ」

一人が仲間の一人から双眼鏡を借りてもう一度見ていた。

「あー、見えた、見えた。うーん、デカイのがこっちに舳先向いてるな、なんかタンカーみたいな奴だな」

その言葉を横で聞きながら玉城はカメラの準備をさせ、名護原はカメラに暗視機能付きの望遠レンズを装着してその方向に向けていた。

「玉ちゃん、確かに貨物船っぽいけど、あれ、どっかで見たことあるような気がするんだけど・・・」

「え、ホント?、おい荒木ちょっとモニター見るぞ」

カメラに繋げていたモニターを玉城は見た。ほとんど正面から撮られている為、巨大なブリッジとその後ろにある広い甲板がわずかに見えた。

「う~ん、荒木もうちょっと調整できる?」

「わかりました。」

荒木はカメラを仲田に持たせて機材を弄りだした。

「どうですか?」

「明るさはこれでいいや、輪郭もうちょっと鮮明にできない?」

「この距離ですから」

「わかった、う~ん勇ちゃん、イマイチ思い出せないけどなんとなく自衛隊とか米軍の船に似てるけど、どう思う?」

「確かにそっち系っぽいけど、この間、那覇港に入港した奴取材で見に行ったけどあんなのいなかったぜ」

そんなやり取りをしている間も貨物船らしき船はゆっくりと近づいて来た。「さんふらわ」は念のため面舵を切っていた為デッキに居た玉城達は船の側面を見れる形になった。

「あれ、やっぱりどっかで見た事あるな、それに旗竿の旗ありゃどこのだ?」

「ちょっと待って、えーと確か色がはっきり解らないけど中国海軍の奴みたいだけど」

手持ちの機材で船を観察しながら名護原と玉城はそんな話をしていた。

「おい、いまブリッジで・・・」

市民団体の一人が仲間が集まっている所に走り寄ってきた。

「おいそれホントか?」

「間違いないよ、それ絡みで今、金城さんと船長が・・・」

そんな言葉が玉城達の方にも聞こえてきた。

「なんだろ?」

「金城って団体のリーダーの金城さんか?ちょっと見てこよう、玉ちゃんは?」

「まあ、行ってみるか、荒木、お前たちはあれ、撮っといて。」

船を指差しながら玉城達は船内に入っていった。

「ですからこっちとしては船と人員の安全を守る義務ってもんがあるんですよ」

「何言ってるんだ。チャーターした時の契約忘れたのか、こちらの活動の邪魔するな」

そんな声がブリッジから聞こえた。

「あのー、何かあったんですか?」

二人の様子を伺いながら玉城が船長に尋ねた。

「いや、先程あの船から通信が・・・」

船長の言葉を遮り、レーダーに張り付いていた船員が声を上げた。

「船長、レーダーに反応、あの船の後方より高速でこちらに近づいてくる物、数4」

その言葉を聞き船長は金城の方へ顔を向けた。

「お聞きの通りです。私は本船の船長としての義務を全うするために船を・・・」

そこまで言った所で何かが弾けるような音が聞こえてきた。

皆様よいお年を

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