10.証言
「私は、その報告を受けた時は想定の通りの事が起きたと思いました。あの国は自国民に対しても引き金を引く事に躊躇しないのは歴史が証明しています、ましてや今度は自国民ではなく自分らにとっては見下しの対象でしかない存在ですから引き金ははるかに軽い物だったでしょうから然るべき所が撃てと命じれば訓練より軽い気持ちで撃つだろう。そう考えていました。」
Q.戦闘配置を命じたのは?
「状況的に民間人を救助するにも彼らにそれ以上の行為の続行を断念させなければ無理な相談です。それは言葉だけでは不可能であり目に見える形で我々がやめさせようとしているとはっきりとした意思表示が必要でありあの時の我々にはその方法以外の選択肢は無く、我々も流れ弾対策の一環で全艦艇に対し水上、対空戦闘用意と命じ、録画機材を使い、事の顛末を記録させました。」
Q.海上保安庁に事態を委ね様と考えなかったのか?
「相手は軍艦でありそれも隊列を組んだれっきとした艦隊でした。確かに領海侵犯は海保の管轄ですがあくまでも彼らの本来の相手は密航や密漁、密輸目的の民間船舶であり明確な戦闘の意思を持つ軍艦の相手では有りません、よって私が自衛艦隊へ彼らの件を報告した際に映像とともに「もはや海保の対処能力を超えた事態になっている」と付け加えました。」
Q.対象を攻撃し死者を出しているが撃沈したのは殺人罪ではないのか?
「攻撃に際して可能な限り退避勧告を出し続けるように命じました。レーダー上の動きや見張り員からの報告、さらにカメラや直接的に目視で確認したうえで戦意を喪失していると判断した艦には国際法上に基づいた降伏の意志を見せるように通信させ、退避勧告に従った艦に関しては警戒を厳にして監視、勧告に従わずこちらに射撃管制レーダーを照射したり主砲を向けてきた相手には最後通告の後、応じなかった艦に対してのみ撃沈を命じました。攻撃を命じた時点で我々は民間船を含めて沈めようとした意思が明確な攻撃を受けていた為、緊急避難ならびに正当防衛が成立していると主張いたします。」
Q.さんふらわ号の乗船者の一部から自衛隊に攻撃されたと一部メディアに報道されたが?
「まったくの事実無根であります。彼らはこちらが駆けつける前から対象にいたぶられていた為にいつ自分らへの攻撃が終わったのかを正確に判断できていなかったため我々が駆けつける直前の攻撃を自衛隊からか対象からの物かを判断できずに自衛隊のものと思い込んだものではないかと思われます。事実、負傷者を『くらま』にて収容して治療した医官の話では殆んどのものが極度の精神障害の疑い有りと診断し、搬送先の病院でもカウンセリングが必要と診断されたと聞きました。」
「さんふらわ号事件」に関する証人喚問 証人 安達秀和(一部抜粋)
Qの部分は国会議員が質問していると思ってください。