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4章・【ザ・ファイア】④
「あっ、ごめんなさいっ!部屋を間違えました!!」
一方的に切り上げて、紫苑は扉をバタンと閉めた。
ダッシュで自分達の部屋に戻ると、アローディスの怒りはもう収まっているようだった。
「どこへ行っていた?」
「いやぁ、ちょっとそこまで」
照れ隠しで後頭部をかく紫苑は、四つ置かれたベッドの一つに仰向けで寝転んだ。
「服を買いに行かないか?」
アローディスが見下ろしてくる。
紫苑は上体を起こす。
「行きたい!!」
アローディスの口元が弧を描いた。
「同行しよう」
申し出てくれたアローディスと共に、紫苑は部屋を出て行った。