2章・旅立ちの決意③
「僕は【ザ・スター】。
お星さまを司る『使徒』なんだよ」
「俺達三人は、何故か神から強大な力を与えられた。
だからあんなパイプじゃ、封じることなんてできないんだ」
ザックが言うと、アローディスは冷ややかな口調で紫苑に問うた。
「さて------どうする?」
「……何が?」
紫苑は突然の問いかけに首を傾げた。
「『使徒』を集めに行くのか、否か」
「行きます」
紫苑は即答する。
自分が勝手な行動をしたせいで、世界が止まってしまった。
ならば自分の力で元に戻すのが道理というものだ。
紫苑のまっすぐな目をアローディスは逸らさない。
しばらく二人は黙ったまま互いを見て、静かに呼吸した。
ふいにアローディスがフッと目を逸らした。
「------いいだろう。
我々も共に行こう。
お前一人では失敗するのがオチだからな」
アローディスが冷たく言うと、ルナセルがケタケタ笑った。
「またまたぁ、紫苑兄ちゃんのことが心配なくせに。
アローディスはもうちょっと素直になった方がいいよ」
「……余計なお世話だ」
ぷいと横を向いてしまったアローディスを見て、紫苑は思わず笑い声を漏らした。
「ありがとう。
アローディス、ルナセル、ザック」
小さな声でつぶやいて、まだ目を覚まさない相模を見る。
「ごめんね、ありがとう。
行ってきます」
随分と長い間話していたにも関わらず、窓から差し込む夕日は全く変わりなく、風も吹かないし、雲も動かない。
「そうと決まれば、早い方がいい。
今から行くぞ」
ザックの声にせかされて医務室に相模を残した紫苑達は、『使徒の部屋』と呼ばれているらしい地下に向かい、侑梨がやってみせたように刻印をくぐったのだった。