最終話 残業は終わらない
最終話になります、よろしくお願い致します。
上司のコンクリート石像が出来てる中、
オフィスビル前に、パトカーが並ぶ。
「……ここか」
刑事たちが入る。
オフィス
社員たちは震えている。
「もう無理です……」
「椅子が……」
刑事
「落ち着いてください」
「皆様残業してる日に亡くなってるんですね?」
一同
「はい」
「みんな1人の時だと……」
別の刑事が資料を見る。
「転落、列車、溺死、コンクリート……」
「全員、骨折」
沈黙。
「……殺人だな」
「張り込みですね」
夜のオフィス。
電気は落とされている。
刑事2人。
「……本当に椅子が動くと思います?」
「思わん」
「ですよね」
沈黙。
コロ……
「……今、音しました?」
「ネズミだろ」
コロ……コロ……
「いやいやいや」
ライトを向ける。
黒い椅子。
止まっている。
「……ただの椅子じゃ——」
スッ
動く。
沈黙。
「……見たか?」
「見ました!」
「……見たな?」
「はい!」
2人とも理解が追いつかない、
椅子が走る。
「おい待て!!」
追う刑事
「なんで椅子追ってんだ俺ら!!」
「知らん!!」
椅子、急停止。
ガンッ!!
刑事の足にぶつかる。
「ぐあっ!!」
ゴキッ
「うわああああ!!」
もう一人が銃を抜く。
「止まれぇ!!」
椅子に銃向けてる
バン!バン!
弾が当たる。
椅子が止まる。
「……効いた?」
一瞬の静寂。
カタカタカタカタ…
回る。
「うわ気持ち悪ぃ!!」
「逃げるぞ!」
「椅子が階段使えないから非常階段に行け!」
勢いよく非常階段の扉を開け、
階段を駆け上がる。
「上でいいんですか?」
「下は階段だから落ちてくるかもしれない!」
「登れ!上しかない!」
屋上のドアを開ける。
その後、
チーン……
エレベーターの扉が開く、
中から、
コロ…コロ…コロ
追ってきている、
風。
椅子が進む。
負傷してる刑事の後ろに回り、
勢いよく進む!
負傷した刑事が座らされる。
「やめろ……」
もう一人の刑事が追いつく。
「離せ!!」
椅子にタックル。
ドンッ!
イスと刑事が転がる。
初めて“まともに止める”
「今だ!!」
2人で持ち上げる。
「せーの!!」
椅子を屋上から落とす。
ガシャァァァン!!
沈黙。
「終わったな」
「逮捕するんですか?」
「スクラップだからな」
「そうですね」
「1杯奢るよ」
「その前に病院いいですか?」
屋上で笑いがおきる。
スクラップ工場。
「これで終わりだな」
壊れた椅子。
機械に入れられる。
プレス開始
ゴゴゴゴゴ……
鉄の塊になる。
「終わったな」
「署に帰りますよ」
「おう!」
その少し後。
カタ……
作業員
「……ん?」
塊が、わずかに震える。
カタ…カタカタ…
「気のせいか」
塊の隙間から——
コロン
キャスターのタイヤが一つ、転がり落ちる。
従業員の方に倒れることなく転がる、
コロ……コロ……
近くの作業員2人。
「なんだこれ」
「タイヤじゃね?」
「使えそうだな」
「お前の椅子、壊れてたろ?」
「あー、ガタガタしてたわ」
「これ付けとけよ」
「サンキュー」
ポケットに入れる
そのタイヤ。
わずかに——
カタ…
ラストカット
プレス工場のオフィス。
椅子。
取り付けられるタイヤ。
カタッ
静止。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
映像化できたら面白いと思うのですが、文章でも楽しんで貰えたら、幸いです。




