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追放された聖女の辺境ごはん ~私の料理を食べた人がなぜか最強になるんですが~  作者: 月代
【最終章 ざまぁと新しい道】

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20/21

第20話 告白


エルデ村に戻ったセフィナを、村人たちは盛大に迎えた。


「おかえり、セフィナちゃん!」

「待ってたぞ! 飯が恋しくてしょうがなかったんだ!」

「お姉ちゃんおかえりー!」


 マーサに抱きしめられ、ボルスに背中を叩かれ、子どもたちに足にしがみつかれ、セフィナは泣きながら笑った。


「ただいま。……ただいま、みんな」


 この一言が言える場所がある。

 それだけで、胸がいっぱいだった。


 ルカは村に残ることを決めた。冒険者ギルドの登録はAランクに昇格し、エルデ村を拠点にダンジョン攻略を続けるという。


「俺はもう、一人で戦わない。ここに帰る場所がある限り」


 クロエも村に残った。密偵は正式に辞職し、エルデ村の「本物の行商人」として再出発する。商才は本物で、近隣の町との交易路を開拓し、村の経済を回し始めていた。


「密偵時代より稼げそうなんですよね。セフィナさんの料理という最強の名産品がありますし」


 そして――ガレスもまた、エルデ村を訪れた。


 騎士団の鎧ではなく、質素な旅装で。


「ガレスさん? どうしたんですか、その格好」


 セフィナが目を丸くすると、ガレスは頭を掻いて照れ臭そうに笑った。


「騎士団、辞めてきた」


「ええっ!?」


「副団長の後任はもう決まっている。俺がいなくても、騎士団は回る。……それよりも」


 ガレスは、セフィナの目を真っ直ぐに見た。


「セフィナさん。俺は、あの日王宮の門であなたを見送った時から、ずっと後悔していた。もっと早くあなたのそばにいればよかった。もっと早く、あなたを守ればよかった」


「ガレスさん……」


「遅すぎるかもしれない。でも、言わせてほしい」


 ガレスは、不器用に言葉を紡いだ。


「あなたの傍にいたい。騎士としてじゃなく、俺自身として。あなたの料理を、一番近くで食べる人間でいたい。……あなたを、守らせてほしい」


 春風が丘を撫でた。

 遠くで子どもたちの笑い声が聞こえる。


 セフィナの目に涙が浮かんだ。でも、それは幸せの涙だった。


「ガレスさん、私の料理、量多いですよ?」


「全部食べる」


「朝も昼も夜も作りますよ?」


「全部食べる」


「味見を頼むこともありますよ? 何回も」


「何回でも食べる」


 セフィナは、声を出して笑った。


「……じゃあ、お願いします。たくさん食べてくださいね」


 それが、セフィナなりの答えだった。


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