表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された聖女の辺境ごはん ~私の料理を食べた人がなぜか最強になるんですが~  作者: 月代
【最終章 ざまぁと新しい道】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/21

第19話 王太子の転落


セフィナが王都を去った後、事態は急速に動いた。


 きっかけは、国民の声だった。


 王都の危機の間、誰が何をしたのか。市民たちは全て見ていた。

 追放されたはずの元聖女が、恨み言一つ言わず王都に駆けつけ、無償で食事を作り続けたこと。

 新聖女セレスティナが命がけで結界を張り直したこと。

 副騎士団長ガレスが身を削って騎士団を指揮したこと。

 そして――王太子クラウディウスが、何一つしなかったこと。


「王太子殿下は、危機の間ずっと王宮に隠れていたそうだ」

「セフィナ様を追い出したのも殿下の判断だろう。あの方がいれば、こんなことにはならなかった」

「新聖女様を一人で押しつぶそうとしたのも殿下だ。あの子が倒れた時、見舞いにすら行かなかったと聞く」


 酒場で、市場で、工房で。市民たちの声は日に日に大きくなった。


 そしてそれは、貴族たちの間にも波及した。


「クラウディウス殿下を王太子に据えておくのは、もはや国の恥ですぞ」


 貴族院の会議で、有力貴族が声を上げた。危機の間はクラウディウスの取り巻きだった者たちが、今は手のひらを返して批判の急先鋒に立っている。

 醜い光景だが、それが政治の現実だった。


「殿下の弟君、アルベルト殿下は聡明で人望も厚い。次期国王にふさわしいのは……」


 国王もまた、息子の無能を見て見ぬ振りはできなくなっていた。


 一ヶ月後。

 クラウディウスは王太子の地位を剥奪され、北方の領地への蟄居を命じられた。


 最後まで、クラウディウスはセフィナに謝罪しなかった。

 だがそれは、もうどうでもいいことだった。セフィナにとっても、この国の人々にとっても。


 王太子の座は弟のアルベルトに移り、新しい体制が動き始めた。

 アルベルトの最初の布告は「辺境振興令」だった。エルデ村を含む辺境地域への支援を大幅に拡充し、王都と辺境の格差是正に取り組むという内容だ。


「セフィナ・フォルトゥーナ殿の功績に報いるため」という一文が、布告には添えられていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ