用語定義
本付録は、本論文中で用いた主要な用語について、本文中で与えられた説明を要約する目的で整理したものである。新たな定義や補足情報は含まれず、各語の意味は本文中の使用範囲に限定される。
すべて本文中での説明および使用法に基づいて整理されたものであり、本研究の範囲を超える一般化や再定義を意図するものではない。
ちきゅうがいはびたっと【地球外ハビタット】地球外環境に設置された恒常的居住区。本研究では、一時的な前哨基地ではなく、複数世代にわたり人間が生活する環境を指す。
ちきゅうしさんさんしょうがたかへいたいけい【地球資産参照型貨幣体系】地球上の資産、インフラ、生産力を参照軸として価値が担保される貨幣体系。本研究では、地球外環境において生存コストとの乖離が拡大する体系として位置づけられる。
しさんさんしょうがたつうか【資産参照型通貨】特定の物理的・制度的資産を価値の裏付けとして発行・運用される通貨。管理通貨と対比される概念として用いられる。
かんりつうか【管理通貨】中央的な管理主体によって発行・調整される通貨。本研究では、必ずしも資産参照を必要としないが、生存との直接的対応を持たない通貨として扱われる。
かろりー【カロリー】本研究においては、生存に関わるエネルギー量を記述するための操作的概念。物理学的な厳密性よりも、測定可能性・記録可能性・比較可能性が重視される。
ぶつりりょうとしてのさんしょうじく【物理量としての参照軸】価値や価格を抽象的指標ではなく、測定可能な量として再記述するための基準。本研究では、質量ではなくカロリーがその役割を担う。
めたぼりっくれじゃー(えむえる)【Metabolic Ledger(ML)】個体に紐づき、カロリーの流入・保有・流出を記録する装置。本研究では、その内部構造や作動原理には立ち入らず、記録操作の性質のみを扱う。
くれじっと(しーあーる)【Credit(CR)】MLにおける記録操作の一つ。生産や移転などにより、利用可能なカロリーが増加したことを記録する操作。
でびっと(でぃーあーる)【Debit(DR)】MLにおける記録操作の一つ。他者への移転などにより、カロリーが流出したことを記録する操作。
あしみれーしょん(えーえす)【Assimilation(AS)】MLにおける記録操作の一つ。個体がカロリーを吸収し、生存行為に用いたことを記録する操作。
ちょぞう・こうかん・きゅうしゅうのとうかせい【貯蔵・交換・吸収の等価性】ML上では、カロリーの貯蔵、他者への移転、個体による吸収が同一尺度で記録されるという性質。本研究では、経済行為の再記述における基礎的前提として扱われる。
げんすい【減衰】カロリーが時間経過や代謝によって不可逆的に減少する性質。本研究では、貨幣との違いではなく、経済的挙動の一部として位置づけられる。
ふかぎゃくそうさ【不可逆操作】元に戻すことができない操作。主にカロリーの吸収や減衰を指し、記録上も逆操作を持たない。
せいぞんこうりつけいすう【生存効率係数】取引対象や行為が生存にどの程度寄与するかを示す概念。本研究では、既存指標を援用せず、説明的概念として導入される。
かいしゅうふのう・だいたいふのう【回収不能・代替不能】生産能力や蓄積を失い、制度的な回収や代替が成立しなくなった状態。本研究では、制度の限界挙動を示す局面として扱われる。
せいりつぱたーん【成立パターン】特定の条件下で、カロリー基準による経済活動が安定的に運用される事例群。
はたんぱたーん【破綻パターン】予測精度への過度な依存や短期最適化などにより、制度が機能を維持できなくなる事例群。
ひけいそくてきせいぞんようしき【非計測的生存様式】生存に関わる行為が計測・記録・清算を前提としない生活形態。本研究では、制度的経済の終端後に観測され得る様式として整理される。
こうかんをともなわないせいかつけいたい【交換を伴わない生活形態】交換や返礼という概念が成立しない状態での生活。本研究では、倫理的選択ではなく、結果として平衡に至った状態として扱われる。
しゅうたん【終端】制度が否定・崩壊する状態ではなく、参照されなくなる状態。本研究においては、経済活動が役割を終える局面を指す。
きょくげんかんきょうにおけるけいざいかつどうのしゅうたんぞう【極限環境における経済活動の終端像】特定の条件下で、経済制度が生活の中心から退き、生存が制度を介さずに継続してしまう状態。本研究では、予測ではなく記述の帰結として提示される。




