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閏述|極限環境における経済活動の終端シナリオについて  作者: 八角泰三
第3章 カロリー基準による経済活動の再記述
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3.2.2 Metabolic Ledger による記録操作|CR/DR/AS の区別について

前節までに述べた記録操作は、Metabolic Ledger(ML)上では、三つの基本的な操作として整理されている。本著では、これらを便宜的に Credit(CR)、Debit(DR)、Assimilation(AS) と呼ぶ。ただし、これらの呼称は制度的・会計的厳密さを意図したものではなく、記録上の振る舞いを区別するための略記に過ぎない。


Credit(CR) は、個体にとって利用可能なカロリーが外部から流入したことを示す操作である。生産、供給、配給、他者からの移転など、その発生源は問われない。重要なのは、測定可能な形でカロリーの増加が確定したという事実のみであり、増加の理由や正当性は記録対象とならない。


Debit(DR) は、個体の保有するカロリーが外部へ流出したことを示す操作である。これは主として他者への移転に対応し、取引、分配、贈与などを含む。DR は、個体のカロリー残高を減少させるが、そのカロリーがどのような目的で用いられるかについて、ML は関知しない。


Assimilation(AS) は、個体自身によるカロリーの吸収を示す操作である。生理的過程に対応する点で DR とは性質を異にするが、記録上はいずれもカロリー残高の減少として表現される。AS は不可逆的な操作であり、外部への再移転を前提としない点に特徴がある。


ここで重要なのは、CR、DR、AS が生理的・社会的・経済的には異なる意味を持つにもかかわらず、ML 上では同一の尺度によって記録されるという点である。これらの操作は、行為の性質を統合するための分類ではなく、行為の結果を並列に記述するための記号である。


次節では、この記録上の並列性が、貯蔵・交換・吸収といった異なる行為をどのような意味で等価に扱い得るかを検討する。

【参考文献】

オービタル・ギーク編集部「特集付録:Metabolic Ledger 完全図解――個体別カロリー記録の実際」(『オービタル・ギーク』第188号付録、2192)

ABS社 編『Metabolic Ledger 保守・点検マニュアル 第3版』(ABS技術資料、2190)

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