映画『ザ・メニュー』について②
映画『ザ・メニュー』を“野田ともうします。”メンバーで語ってみた
亀田さん(人間観察力に長けたパート主婦)
亀田:「あら、あのシェフの人…怖かったわねぇ。でもわかるのよ、“作っても誰にもちゃんと味わってもらえない”って虚しさ。
わたしもね、お弁当作っても、息子が“ふつう”って言うだけだったのよ。
“心を込めてるのに、気づかれない”って、案外みんな持ってる怒りよね」
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野田さん(風刺と階級を解剖する社会派)
野田:「本作は、“消費社会における芸術と労働者の疎外”を極端にデフォルメした風刺劇です。
特権階級による“意味なき崇拝”が、真の創造性を窒息させているという構図。
最終的にマーゴだけが“心のこもったシンプルな料理”を選ぶことで、
“芸術とは本来、誰かに喜ばれるためにある”という価値を再提示する――まさに社会批評の極地です」
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富沢さん(共感重視の感性女子)
富沢:「あれ、レストランの話かと思ったら、ガチサスペンスじゃん!?
でも、マーゴが“おいしいチーズバーガー作って”って言うとこ、超スカッとしたー!
わたしも、見栄とかSNS映えじゃなくて、“ほんとにおいしいもの”食べたいって思ったよ。
あと、タイラーって彼氏、クズだったね…マジ無理」
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部長(創作と表現の苦悩を知る人)
部長:「あのシェフ、わたしはすごく理解できた。
表現することって、“誰かのために”が無いと、すぐに空虚になる。
彼は“アートに敬意を払わない観客”に囲まれて、壊れていったのよ。
最後に“ハンバーガー”を差し出す姿、それこそが彼の“原点への回帰”だったんだと思うわ」
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副部長(人間関係と道徳を読む人)
副部長:「この映画の一番の怖さは、“日常の中にも同じ構図がある”ってことだと思うんですよね。
気づかないうちに、僕らも誰かの“情熱”を消費してる側になってるかもしれない。
マーゴの選択は、“ちゃんと感謝することの大切さ”を教えてくれたと思います。
あれは、レストランの話じゃなくて、“人間関係の話”ですよ」
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野田さん、やっぱりまとめる
野田:「“食べる”という行為を通じて、
人間の階級性・欲望・承認欲求をまるごと“炙り出す”作品でした。
マーゴの“素朴な欲望”がシェフを救い、“観客”ではなく“共犯者”にならずに済んだこと、
これはまさに“消費と尊重の境界線”を問う強烈なメッセージです」
富沢:「てかさ、ちゃんと“ありがとう”って言うのって、大事なんだね…」