ソムニウムファイル⑤
Scene 5:深夜のライブハウスの控室にて(雨音が遠くで響く)
⸻
1. ソムニウムとは「現実では語れない心の裏口」
ぼっち(声が小さい)
「夢の中って……怖いですよね。
なんか……自分でも知らない自分が、勝手に出てくる……」
千束(笑いながら)
「それが面白いんじゃん。
現実じゃ絶対言えないようなこと、夢ではポロっと出ちゃうんだよ。
ソムニウムって、そういう“言えない言葉の避難所”なんだよね」
リョウ(淡々と)
「でもそれって、危うい。
“意味の通じない言葉”や、“理解不能な動き”が、
実は本当の心の傷を象徴してるって、かなりラディカル。」
⸻
2. 「脱線」や「ふざけ」が、“核心”に触れてしまう瞬間
夏美(小さく笑う)
「たとえば、夢の中で……意味のわからないピエロに追いかけられるとか、
バナナに話しかけるとか、変でしょ?」
啓介(真剣な目で)
「でもそれが、“失われた子ども時代の記憶”や“認められない願望”を象徴してたりする。
“ふざけ”が、“真実”を守ってるんだ。
それに人間は、怖いとき、笑うんだよ。たぶん、心を守るために」
ぼっち(小声で)
「……笑うのって、安心したいから、なんですね……」
⸻
3. Aibaと伊達の“笑いの呼吸”は、心の手がかり
千束(真剣に)
「Aibaって、ときどきめっちゃ“すべる”ジョーク言うじゃん?
でもあれ、ただのギャグじゃない。
あの失敗こそが、“人間らしさ”を学んでる証拠なんだよね」
リョウ
「すべることで、“他人と感情を共有する失敗”をする。
その失敗が、伊達との距離を“測るものさし”になってる。
まるで、視線じゃなく“空気”で会話してるような。」
夏美
「その“ズレ”があるからこそ、逆に“本音”を言いやすくなる。
だって、完璧すぎる存在って、ちょっと怖いでしょ?」