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理想的な夫婦  作者: カラスヤマ
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①おやすみなさい

「週末は、晴れるかなぁ?」


「きっと晴れるよ」


「晴れたら、どこか遊びに行きたいっ! 行きたい、行きたい、遊びたーーーい!!」


「うるさっ。あの……近所迷惑だから騒がないで。このアパート、壁薄いしさ。ところで、どこ行きたい?」


「どこでも良い?」


「うん」


「海でもいい?」


「いいよ」


「泳いでもいい?」


「泳ぐのは、ダメだよ」


「どうしてダメなの?」


「………モモちゃんの水着姿。他の男に見せたくないんだよ」


「ふ~ん。嫉妬かね?」


「うん。ごめんね。小さい男で」


「分かったよ~」


「少し疲れたから、そろそろ寝ようかな」


「うん。寝るっ!」


「……………」


「…………どうした? そんなにモジモジして」


「寝るまで手を握っててくれない?」


「分かった。これで良い?」


「うん。ありがと。タツ君の手……温かい」


「モモちゃんの手も温かいよ」


「おやすみなさい」


「おやすみ……」


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