第4話 だれ? 〜誘拐犯目線〜
仕事がひと段落し、チラリと通話を繋いでる花梨の部屋の画面を見る。
まぁ花梨が画面を見えなくしているから、真っ黒い画面しか見ることができないが。
仕事に戻ろうと前に向き直った時、俺の耳に苦しそうな声が聞こえてきた。
「……っ……っ…………っ!」
花梨……?
っ!? なんで。
ーーそういや、ちょっと前に声が聞こえてきてたような……
「…っ…………っ……っ! ……………っ…!」
「……! 花梨!?」
思わず声を出す。
「なん、で……今は、話せ、ないん、じゃ…っ。」
声を出すのも苦しいはずなのに。
「……いいから話すな!! っ〜〜、あーもう!!」
花梨のところへ向かおうと、部屋を出ようとしたとき。
ーーー“誘拐犯”さん。
あの時の言葉を思い出した。
「っ!」
慌ててその辺にあったマスクをひっつかみ、つける。
早く行かないと。
そのまま花梨の部屋へ向かった。
ーー
ーーー
花梨は、症状が落ち着くなり、ことんと俺に寄りかかって眠りに落ちた。
若干熱かったから、多分熱っぽいんだろう。とりあえず、布団をかけといた。
あんまり合わない予定だったのに…なんでいきなり外になんか…?
【外には出たくないんです。】
そう言っていたのに。
まぁ、起きたら聞こうかな。
俺は自分の部屋へ戻った。
《お知らせ》
作者の都合でこの作品はあと3話で完結とさせていただきます。
残り3話、お楽しみいただければさいわいです。