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代理人、勝利する

「トリーナ」


 ノアが、小さな声で私を呼ぶ。

 頭を抱えたまま動けない私は、俯いたままの状態で「なに」とかろうじて答えた。


「あれ以上泣かせちゃうのはダメだと思う」


「分かってる」


 分かってるけれども……、フェルスターは私の次の言葉を待っているようだから、何かは言わなければならない。

 ただ、何を言うべきなのだろう。

 落ち着いて考えろ。これ以上泣かせてはいけない。

 しかしあいつが口走ったのは「乳母が俺たちをちゃんと育てなかったからクビになっちゃった」だ。

 正直なところかける言葉もない。

 アホか。バカじゃねぇの? ふざけたこと言ってんじゃねぇよ。悪いのはてめぇらだろうが……ダメだ、どれも追い打ちをかける言葉でしかない。

 落ち着け落ち着け。


「トリーナ、冷静になって」


 ノアもそう言っている。冷静に。

 とりあえず優しい口調で諭すように、悪口にならないように、フェルスターが零した言葉に対する言葉を……。


「……頭、大丈夫?」


 精一杯考えて絞り出した言葉がこれでした。

 隣のノアが「トリーナぁ……」と呟いているのでアウトだったのかもしれない。

 悪口でもなく心配する言葉だからギリセーフかと思ったけどダメだったかぁ。でもこれ以上どうしようもないじゃん。


「へ……?」


 フェルスターは私の言葉を理解出来なかったようだ。じゃあギリセーフなんじゃないかな。ギリ。ギリよ?


「……いや、それにしても乳母がちゃんと育てなかったから、ってなに」


「だって、皆言ってた。俺たちが言うことを聞かないのは乳母の育て方が悪かったって」


「お前たちが言うこと聞かねぇのが悪いんだろうが」


 小さな声で零せば、コピペたちが二人揃って目を丸くしている。驚く要素なんかどこにもねぇわ。一つだけあるとしたら私の口の悪さだけだわ。


「……いや、二人に人の言うことを聞こうという意思がない限りその乳母さんが育てようと他の善人が育てようと悪人が育てようと変わりゃしないわ」


 私がそう言うと、コピペたちは目を丸くしたまま、口までもあんぐりと開けてしまっている。

 いやだから驚く要素どこにもないってば。それとも何? 私が間違ったこと言ってる!? 今のは口も悪くなかったけど!? 悪かったか!?

 頭痛くなってきた。もうやだ帰りたい。


「トリーナ大丈夫?」


「大丈夫じゃない」


 ノアの心配そうな言葉に、食い気味で答える。


「あ、えっと、トリーナは今怒ってるからこんなだけど、本当はとっても優しいんだ。だからその、それもいつか弾いてくれると思う」


 ノアが、フェルスターに声をかけている。

 ここでノア相手に暴言でも吐こうものなら弾く弾かないどころか一生喋らない勢いだけど、と思っていると、フェルスターは大人しくこくりと頷いていた。

 ノアがいい感じで治めてくれたので、私はもう黙っていたほうがいいのだろう。

 今更だが相手は子どもなんだ。私が我慢しなくては。

 暴言を吐かぬようにと、しっかり口を閉じていると、アルムガルトがコピペたちを私とノアの正面の席に着かせた。


「怪我を治そう」


 なんて言いながら。

 さっき銀髪兄弟と殴る蹴るの取っ組み合いをしていたときに怪我をしていたらしい。

 救急箱もなしにどうやって手当をするんだろう。


「治癒魔法!」


 ノアの元気な声が響く。

 その声を聞いて初めて気が付いた。アルムガルトが手を翳しただけで、コピペたちの痣が消えていっていることに。

 そういえば、母親が持ってきた本にも載っていたっけ。世の中には治癒魔法が使える人がいる、と。そんなに数は多くないらしいけど。

 なんてことを考えながらアルムガルトの手先を見ていると、コピペたちの怪我はみるみる消えていった。


「へぇ、便利だなぁ、治癒魔法って」


 と、私が呟くと、ノアが何度も首を縦に振る。


「すごいね!」


 と言いながら。


「よし、大丈夫かな。他に痛いところはない?」


「大丈夫」


「大丈夫」


 アルムガルトとコピペたちがそんな会話をしているなと眺めていたところ、ふとアルムガルトの視線がこちらに向いた。

 そして、しばらく何も言わずに私を睨みつけている。

 なんだなんだ、お前のせいで治癒魔法を使わされたとでも言いたいのか?

 いやいやいや元はと言えば銀髪兄弟とそのコピペたちが殴る蹴るの大乱闘を始めたのが悪いんじゃないか。私は悪くない。


「君も紫を持っているんだから使えるでしょ、治癒魔法」


「は?」


 紫を持っているって、何?

 何を言われたのかが分からずにきょとんとしていると、ノアが身を乗り出して私の顔を覗き込んできた。


「あ、本当だ、トリーナの瞳! 紫だね!」


「あぁ、うん。そうだけど」


「体のどこかに紫色を持っている人は治癒魔法が使えるって話、聞いたことない?」


「え、なにそれ知らない」


 初耳なんだけど、この世界の常識なんだろうか……。でも親も教えてくれなかったけど?

 ……あぁ、でもあの人たち魔法に興味なさそうだもんな。


「治癒魔法は使える人が少ないからね。特殊魔法に分類されていて、載っている本と載っていない本があるんだよ」


 ノアが親切に教えてくれる。

 特殊魔法ってことは歌声に魔力を乗せるあの魔法と似たようなものなのだろうか。

 そういえばあの魔法に夢中になって以降、あのページの先をまだ見たことがなかった。もしかしたらそこに詳しく載っていたのかもしれない。

 本の最初のほうに世の中には治癒魔法が使える人がいるみたいなことが書いてあったわけだし、使い方も載ってた可能性は高いじゃないか。

 ノアに楽譜を見せてもらってからというもの魔法よりもピアノに夢中になっていたからな。

 でも治癒魔法なんて使えたらとても便利なはず。帰ったらすぐにあの本を開いて治癒魔法の使い方について何か載っていないか探さなければ。


「僕は使い方なんて教えないよ」


 治癒魔法に思いを馳せてわくわくしていたところに、アルムガルトがそう言ってきた。


「あ、大丈夫です。教えてもらうつもりはありませんので」


 どうぞお構いなく、と呟いていた時だった。


「ふ、ふふ、あはは!」


 という笑い声と共に王子殿下が近付いてきた。

 どうやらこちらのやり取りを少し離れたところから見ていたらしい。

 何がツボに入ったのかは知らないけれど、王子殿下は腹を抱えて笑い転げている。

 王子殿下でも笑い転げることがあるんだなぁ、なんてぼんやりと考えていると、笑い過ぎて涙目になった王子殿下が私を指さした。何事だよ。


「面白過ぎるでしょ、君!」


 どうやら私が面白かったようだ。

 私のどこらへんに面白要素があったのだろうか。ちょっとよく分からない。


「貴族同士の喧嘩に乱入するわ殴りかかってきた男の拳受け止めるわ胸倉は掴むわ暴言吐くわ説教するわ、挙句の果てにはアルムガルトを迷惑そうにあしらうわ! くっ、はは、あはは!」


 今日私がやったこと全部がツボってたわ。もはや私が歩く面白要素みたいになってるじゃん。ヤバ。


「ちょっとノア、あれどうしたらいいの」


 小さな声でノアに声をかけるけれど「俺は極力関わり合いになりたくない」と極々小さな声かつ早口でそう言われただけだった。

 私だって関わり合いになんかなりたくない。そんなわけで黙っていようと心に決めた。

 笑い転げる王子殿下をしばらく放置していると、やっと笑いが落ち着いてきたらしい。


「人って笑い過ぎるとお腹が痛くなるし涙が出るんだね。初めて知ったよ。ありがとう」


 と、王子殿下が私に向けて言う。


「いや、あの……はい」


 礼には及ばないので今すぐにでも解放してほしい。

 この際コピペたちか銀髪兄弟かが「お前のこと干す」宣言してくれたっていいよもう、とそんなことを考えながらコピペたちを見ると、さっきまで泣いていたフェルスターもなんだかへらりと笑っている。

 王子殿下に釣られて笑っちゃったのかな。説教されてた側のくせに。

 じゃあもう銀髪兄弟に賭けるしかない。と、銀髪兄弟のほうに視線を向けると、彼らはアルムガルトの弟たちに治癒魔法を施されていた。


「アルムガルト様の弟さんたちも治癒魔法が使えるんですね」


 そうぽつりと零すと、アルムガルトが自慢げに鼻を鳴らす。


「我々兄弟は皆紫髪だからな」


 完璧なドヤ顔だった。


「あーあ、笑った笑った。あ、そうだお前たち」


 散々笑っていた王子殿下の顔が大笑いから微笑みに変わる。そして、お前たちと言って指したのはコピペたちと銀髪兄弟だ。


「お前たちは彼女をここから追い出すつもりかもしれないが、それは俺が許さないからね」


 なんで! と私がいの一番に言おうとしてしまったけれど、コピペたちも銀髪兄弟も異論を唱えようとしないので、あわてて口を閉じる。

 コピペたちはそうでもないけれど、銀髪兄弟はむすっとしているようだし、私が何か言わなくとも奴らが反論してくれるだろう。してくれ。お願いだから。クッキーあげるから。


「……俺たちはそいつが気に入らない。だけどアシェル様がそう言うなら俺たちは我慢する」


 我慢するなよ銀髪兄弟! さっき殴りかかってきた時の勢いはどこに行ったんだよ!


「だけど俺たちはそいつと仲良くしない!」


「うん、それでいいよ」


 よーし、とりあえず及第点をやろう! なぜなら私もお前らと仲良くしたくないから!

 まあそれはいいとして、王子殿下が私を追い出さない理由は分からない。

 こんな大々的に揉め散らかしたんだから追い出される気でいたのに。

 そんな思いが顔に出ていたのか、王子殿下がにこっと一度笑ってから口を開いた。


「本当は仲良くなんてないくせに、皆それとなく取り繕って仲良しごっこをしてるでしょ」


 そう言った王子殿下の視線が、銀髪兄弟、コピペたち、アルムガルトの順に動く。

 要するにあいつらが仲良しごっこをしている、と言いたいのだろう。

 私が見た印象としては仲良しごっこも出来てなかった気がするけれど。ノアは嫌がらせを受けていたわけだから。


「ノアベルトは仲良しごっこに入っていなかったが、あれはただの弱い者いじめだったからな。それがさ、それが……」


 と、王子殿下が苦笑を零す。

 弱い者いじめだという認識はあったのか。あったのなら止めろよ、と言いかけたが、ふと目が合ったノアが首を横に振っていたので仕方なく口を堅く結ぶ。

 あの視線はきっと「余計なこと言っちゃダメ」と言っているはずだから。

 ……とはいえ、王子殿下がそのまま黙り込んでしまった。

 余計なことを言ってはいけないけれど、何か言わなきゃ話が進まない気がする。どうしたものかとしばし考えた私は、とりあえず口を開いた。


「……で?」


 と。

 場が凍り付いたようなので、ちらりとノアを見れば目を真ん丸にして心底驚いているし、さらにちらりとアルムガルトを見れば「言うに事欠いて『で?』ってお前」と小さな声で言っているし。

 余計なことを言わず、簡潔に次の言葉を促しただけなのに。一言で。いや、一文字で。

 しかしアルムガルトや銀髪兄弟が怒りと呆れの丁度中間みたいな顔をしている中、王子殿下はなんとなくわくわくしている気がする。

 私の動向をうきうきわくわくしながら窺ってる、そんな感じだ。

 ただ、何も言わない。なんか言えよ。で? って聞いてるじゃん。……というのは余計なことを言ったことになるのか? 口が悪いだけか?


「えー……っと。要するに王子殿下は取り繕って仲良しごっこをしているのが嫌ってことですか?」


「まあそういうことだね」


 即答はしてくれたけれど、さっきまでのわくわくした表情が消えた。なんだか残念そうだ。私が噛みついてくるとでも思ったのかな。


「で、弱い者いじめも嫌ってことでいいですか?」


「そうだね」


 ……で? ダメだ、振り出しに戻った。


「仲良しごっこが嫌なら、仲良しになりたいってことですかね? ごっこじゃなくて。……いや、ん? でも私さっき銀髪兄弟に仲良くしないって言われたな……? じゃあ私はいないほうがいいのでは?」


 私がいなければある程度なら皆仲良しになれるのでは? と思ったのだが、私の言葉を聞いた王子殿下は首を傾げている。仲良しになりたいわけではないのか?


「それだと面白くないな。君がいないと」


「……と、いうことは?」


「さっきの君が面白かったから、君がいないのも皆が仲良くなるのも面白くない」


 私に戦えと言っているのか?


「それで、出来れば俺にもあんな口調で接してほしい。さっきの、フェルスターたちみたいに」


「不敬罪って知ってます?」


 間髪を入れずに言えば、アルムガルトが「その言い方がすでに不敬」と呟く。確かに。反論の余地もない。


「……あぁ、そうか」


 と、謎の納得を見せた王子殿下は、顎に手を添えながらしばし考えこむ。

 さっきからずっとわけが分からないなと思っていたけれど、これはおそらく王子殿下自身も何が言いたいのか分かっていなかったのかもしれない。

 やっと冷静に一つずつ、ぽつりぽつりとしゃべり始めた。


「俺は俺の立場を理解してる。大体どこに行っても俺より身分が高いやつなんていない」


 王子だもんな。


「誰もかれもが俺を敬う。不敬罪に怯えて」


 王子だもんな。


「でも、俺は敬われるようなことはまだ何一つやっていない。国王と王妃の間に生まれただけだ」


 まだ十歳だもんな。……そう、まだ十歳なんだよな。


「要するに、皆が仲良しごっこをしているのが嫌っていうか、皆が自分との間に線を引いてる気がして嫌ってことなのでは? 皆が自分と仲良くしてる風を装ってる気がしてる、みたいな?」


 私がそう言うと、王子殿下は大きな瞳をさらに大きく真ん丸にして、じっと私を見る。図星だったようだ。

 皆が仲良しごっこをしているのが嫌だとか、本当はもっと仲良くしてほしかっただけの自分を棚に上げて、皆に八つ当たりをしていただけなのだ。


「だから、格上の相手に対して敬うことなく説教してる私を見て笑って……泣いたのでは?」


 笑い過ぎて出た涙だと言っていたし、否定されるかなと思ったけれど、否定の言葉は飛んでこない。

 それだけじゃなく、本当に王子殿下の瞳に涙が溜まっていた。こいつは本格的に不敬罪だな。死んだかもしれん。


「ちょっと羨ましかった……んだと思う」


 ドMなんかな。いやまあ違うんだろうけど。


「じゃあさ、あのドアからこの部屋に入った瞬間全員の身分を対等にするってのはどう?」


 と、タメ口で王子殿下に問いかければ、彼の瞳に溜まっていた涙がぽろぽろと落ちる。


「いいの?」


 そう言って小さく首を傾げた王子殿下は、なんとなく嬉しそうだった。


「王子殿下次第かと。私も不敬罪は怖いので。一応。これでも」


 もうすでに散々やらかしてるけど。多方面に向けて。


「じゃあ、そうしたい。この部屋の中だけは皆対等がいい」


 対等な友達が欲しかったんだろうな。だってまだ十歳だもの。


「はーい了解。じゃあ名前とかどうする? さん付け? くん付け? それとも呼び捨て? あ、あだ名とか? アシェルだったよね? アっちゃんとかにしちゃう?」


 矢継ぎ早にそう言えば、アルムガルトのほうから「とんでもない適応力だな」と怒気交じりの声がした。


「呼び捨てがいい!」


「ノアは? 私はノアのことノアって呼んでるけど」


「じゃあ俺もノアって呼ぶ。ノアは俺のこと呼び捨てでもいいよ。アっちゃんはちょっと嫌だから」


 唐突に巻き込まれたノアがぎょっとしている。そしてアっちゃんは嫌だったんだ。


「え、え、え、おおおお俺はあの、ちょっとその、えっと」


 ノアが絵に描いたように動揺していてとても面白い。


「アシェルがそうしてほしいって言ってるんだから、拒否したら逆に失礼だと思うよノア。あとこの部屋の中だけだから誰かにバレることはないし大丈夫大丈夫」


「トリーナは大丈夫だろうけど……!」


 私は大丈夫ってなんだよ。私だって一応不敬罪は怖いわ。


「いやでもこういうのは最初が肝心だって。先延ばしにすると機会を失っちゃうから。ねえ、そうだと思わない? アルムガルト」


 高みの見物を決め込もうとしているアルムガルトに声をかける。もちろんタメ口呼び捨てで。

 するとアルムガルトは不服そうな顔で私を睨む。


「なぜ俺がお前に呼び捨てにされなければならないんだ」


「この部屋に入った瞬間全員の身分を対等にするって言ったじゃん。アシェルが」


 対等とはいえアシェルの、王子殿下のご希望だもの。聞けないとは言わないよね。と、私はこっそりと嘲笑を零す。

 そう、私は別に将来浮気をする男である王子殿下と仲良くしたいわけではない。ノア以外の奴らと仲良しこよしがしたいわけでもない。

 この騒動に乗じてここにいる全員と対等に喋っても、さらには説教をしても大丈夫な空間が作りたかっただけなのだ。

 要するに、この場は私の一人勝ちってとこかな!





 

次回の更新でこのクソガキ編はおしまい。その次からは学園編に入ります。

ブクマ、評価等ありがとうございます。とても励みになっております。

そしていつも読んでくださってありがとうございます!

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