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眩い記憶3  作者: NOMORE
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アル中との出会い1

あああ気持ちがいい。

安い白ワインとウィルキンソンをドラッグストアで買ってきて飲んでいる。

最近はビールとチューハイでは酔うことができなくなってきて、また白ワインに逆戻りである。

白ワインの思い出といえば、やはり、あれだ。


パソコンをいじりながら飲んでいてなんとなく死のうと思い、今までに飲んだことのないくらいの大量の向精神薬を酒とともに飲んでしまった。

まあ、死ねるはずもないのだが、その時は救急車を呼ばれて内科に入院した。

おしっこがなかなか出なかったのと、肺炎になって頭に禿げが出来たのが苦い思い出だ。


本当に笑える。


そのあとは特に飲みすぎることもなく平和に暮らしていた。が、ある出会いがあった。

それはなぜ起きてしまったのかというと、新しい彼氏が普通の精神をもった人だったのだが、ひとつだけ気になることがあったのだ。なにかというと、膣内射精障害である。

いや、もっといえば元風俗のお客さんで私がなんとなくいいなと思ってアドレスを交換しただけの人だったのだが、あまりにもまともないい人過ぎて入れ込んでしまったのだった。その人が手こきでしかいかなかったのだ。

そのことで私は大いに悩んだ。元カレがポルチオまで届く人だっただけに、この差は大きかった。大きすぎて私の繊細な精神では抱えきれなかったのだ。


ある日私は精神科で異常を来し、電話線をハサミで切断し、病院の庭にあった植物の花を茎から切り落とした。

そんなことをしたので、病院のスタッフに親を呼ばれて即入院となってしまった。

後になってなぜそんなことをしたのか?と問われても本当のことを答える気にはなれなかった。性的な不具合について語ることはどうしても憚られる気がした。


そして笑顔のまま入院した私はある男とと出くわした。

出くわした、というのが一番適切な表現のように思う。

男は職業を訊くと、庭師、と言った。庭師?そんな風には見えない。しかし私と同じ統合失調症にも見えない。当人は離人症、と言っていた。そのころはそれが本人の知っている病名だったのだろう。

男は病棟に持ち込み不可のはずのスマホを持ち込んで音楽を流し、年少の子たちと中庭で遊んでいた。

私はそのころなんだか楽しい気分だったので、その男に近づき、私のうちの庭の惨状を伝えて男の連絡先を訊きただした。


一週間だけ入院した私は男が退院した後にカラオケに一緒に行こうということになった。恋愛感情は全くなかった。ただ、その時は彼氏の不具合に対して怒っていたので代わりになる誰かを探していたのだ。

だが、カラオケに行くとその期待は裏切られた。


男はカラオケに行くと車で来ているにも関わらず酒を注文し始めた。まあ、少しくらいはいいだろうと思っていたが、話を聞くとこの男はいつもカラオケに来ては大量飲酒をして帰るような人間だった。

私は若干引き気味に話しを聞いていたが、彼女がいる、と言われたときに、心の中でブチ切れた。


お前なあ、今までの前提は何だったんだよ!

彼女がいたら声かけたりしねーよ!ふざけんな!

もう、私はそいつを罠に嵌めることだけを考える羽目になった。仕方ない。こういう不都合なこともたまにはある。

性的不満足を満たしてくれるはずの人間が彼女持ちだなんて嵌めて戒めるしかないじゃんよ。






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