天才少年星月くん
PM.23:57
ピッ、ピッ、ピッ
時計の針が規則正しい音を奏でゲーム中の俺の耳に届く。
ちらりと時計方を向くともうすぐ0時になることが分かる。
「ふぁぁぁ………明日テストかーー………ちょいと勉強しなきゃなぁ。いくら頭がいいとはいえ今回のテストは難しいらしいし」
そう言って一人呟きながらゲーム機の電源をきり机の方へ向かう。
学校に持っていった鞄から筆箱を取り出しながら「はぁぁぁ」と深いため息をつく。
俺、甘咲 星月は間違いなく天才である。
学力テスト学年一位、運動もトップクラス。料理や洗濯などの家事も出来、顔もモデルレベル。
ただし悩みがあるとすれば友だちが出来ないことである。
例えば中学の時の親友にサッカーをやろうと誘われた。当然俺は速攻オッケーをしサッカーをやった。
その結果は絶交である。
サッカーが出来なかったわけではない。寧ろ逆だ。出来すぎたのだ。
その結果当時の親友だったやつは自信を無くしサッカーを辞めてしまった。
それからはお互い気まずくなり会わないようになっていった。
それからも野球や水泳、剣道、柔道、バスケ、テニスなど様々なスポーツで突出し更に孤立していった。
なら友だちが出来なくてもモテはするんじゃないかと思うだろう。
しかし俺は彼女いない歴イコール年齢だ。何故かって言うと高嶺の花的な存在になってしまったからだ。
告白どころか声すらまともにかけられたことがなく俺からは話しかけ辛く周りでは女が嫌いなんじゃないかという噂まであった。孤高の王子って呼ばれてたよ…………( ;꒳; )
とまぁそんな訳で俺は高校1年にして未だにぼっちである。
「はぁぁぁぁぁ」ともう一度ため息を付きながらノートを取るため机の引き出しに手を突っ込む。
プルン
?なんだこれ……
プルン♪プルルン♪
んんん?
何度触ってもプルンプルンする感触………まさか……………
「いやぁァァァァ!!!ナメクジぃぃぃィィ?!」
そう叫んだ俺は咄嗟に思いっきり引き出しを閉めた。
そう。俺は大の虫嫌いである。アリやムカデ、ナメクジもさることながらカブトやクワガタ、チョウなどの一般的には人気の高い虫でも無理だ。
そのためふだんから鞄には虫除けと殺虫剤が3本づつ入っている。
プチュっ!と言う音共にナメクジ?は光を放ち消滅していく。
次第に光が収まっていき最後には一枚の紙になる。
「ナメクジぃ…………??なんだこれ?」
1人呟きながら紙を手に取ると身体に何かが入り込んでくる。
それと同時に脳内にアナウンス?が流れる。
『スキルカード・鑑定Lv.1を手に入れました!』
『ピコンっ!レベルアーーップ!!』
『ピコンっ!称号・ファーストアタッカーを手に入れました!』
『ピコンっ!称号・第一線で闇祓いし者を手に入れました!』
『ピコンっ!称号・幸運天使を手に入れました!』
『ピコンっ!称号・ファーストアタッカー入手特典としてスキル・早熟&スキル・適正緩和を習得しました!』
『ピコンっ!称号・第一線で闇祓いし者の効果で光・聖属性の属性親和率UP!闇・呪属性の魔法、スキルへの属性干渉が起こります!』
『ピコンっ!称号・幸運天使の効果で天属性の親和率UP!運のステータスが上昇します!種族変更先が天使系統になります!』
『ピコンっ!称号・第一線で闇祓いし者と幸運天使の影響で種族変更先が上級以上の天使になります!』
………………ハハッ。疲れてんのかな?俺。
そう考えた俺は明日のテスト勉強をそっちのけにしベットに入りこみ眠りにつく。
次の日に大声で叫ぶことを知らぬまま………
その頃・世界各地に謎の巨大な門が現れた。後に人々が『ダンジョン』と呼ぶものが………
個人的には虫嫌いです。特に飛ぶやつ