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落伍者とお姫様 ~異世界の冒険~  作者: 鯉々
第4章:川の村
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第17話:鷹の目 ヴェリタ

 目の前にいるヴェリタという男が探偵である可能性を考え、アタシは考える。

 こいつの言う依頼を頼んだのは誰だ? 何故こんな所を調査させてる?

 もし、もしもだが、その依頼主が探してるのがアタシ達と同じ『黎明』だったらかなりまずくないか?

 『黎明』の存在はヴィアベルの婆さんも知ってた。他に知ってる奴がいてもおかしくはない。

 どうするべきか……。

「そろそろいいかなお嬢さん方。俺も忙しいんでね」

 そう言うとヴェリタは、洞穴から出ようとする。

「オイちょっと待てよ。何を探してたんだ?」

「さっきも言った筈なんだがなぁ……金貰ってるから守秘義務があるんだよ」

 ケッ……あくまでプロって訳かい。まァ、信用問題だろうしなァ。

 仕方ねェ、こいつに頼むか。

 アタシはオーレリアに耳打ちをする。

「オイガキ。まだ金あるよな?」

「ええ」

「あいつにいくつか渡して頼もうぜ」

「本気ですか?」

 判断に困ったらしく、オーレリアは隣にいるレーメイに耳打ちする。

「お嬢様。キセガワ様がこちらの方に『黎明』の捜索を依頼してはどうかと仰っていますが」

「キセガワさんが? うーん……じゃあ、頼んでみる?」

 オーレリアがヴェリタの方を向く。

「ヴェリタ様。私から少々宜しいでしょうか?」

「何だい?」

 オーレリアが懐から金の入った袋を出す。

「契約しましょう。現在の契約を打ち切り、我々に協力してください」

 そう言葉を聞いた途端、ヴェリタは腹を抱えて笑い出した。

「ハハハハハハ!! 面白いなぁ君達は! 今までそんな依頼された事無いよ!」

 そうだろうな。わざわざ現在の契約を打ち切って協力しろなんて、普通に考えりゃ頭のおかしい依頼だ。

「こっちは本気だ。あんた、探偵か何かだろ?」

「フフ、そうとも。『鷹の目 ヴェリタ』つってな。その筋じゃあ、結構有名なんだぜ?」

「お前ェが有名かどうかなんてどうでもいい。それより、この依頼受けるのか?」

 ヴェリタは頭を掻きながら答える。

「いいね。悪くないぜ。君らの依頼の仕方が面白かったし、今回はタダでいいよ」

 何……? タダだと?

 こいつどういうつもりだ? こちらとしてはありがたいが、そういうのは他の奴からの信頼に関わるんじゃねェのか?

 そんなアタシの考えを遮るかの様にレーメイが喜ぶ。

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「いいって事よ。レーメイ・トワイライト嬢」

 何? こいつ今、レーメイの本名を……。

「オイ待ちな。お前ェ、こいつの事知ってんのか?」

「そりゃ勿論。鷹の目はいつでもどこでも張り巡らしている。有名人の事は特に細かく調べてるぜ?」

 なるほど……こりゃあ頼りになるな。敵には回したくないが、味方でいる限りは信用出来そうな奴だ。

 ヴェリタは襟を正すと、仕事の話を始めた。

「さてと、それで? いったい何をして欲しいんだい?」

「お前ェ、『黎明』って知ってるか?」

「あ~~なるほどねぇ、その事か。勿論知ってるぜ? 盗まれたって話だよな?」

 流石にその事はもう知ってるのか。

「ああ。その認識で間違いねェ。アタシ達は今それを探してンだ。協力してくれ」

「そういう事か。いいぜ。丁度俺も気になってた。一大事件の匂いがプンプンする」

 こいつにも捜索の協力を頼む事が出来た。

 これで現在『黎明』を捜索してるのは、アタシ達とマカイのおっさんとヴィアベルの婆さんとこいつか。

 誰が見つけるかは分からねェがさっさと見つけてェな。



 ヴェリタと共に洞穴を出たアタシ達は空を見る。

 もう空は暗くなり始めており、そろそろ夜が近付き始めていた。

「さてと、それじゃあ俺は調査を始めるとするか。何か分かったら連絡するぜ」

「どうやって連絡すんだ」

「こいつさ」

 突然空から一匹の鷹が降りてきた。

 鷹はヴェリタの左腕に止まり、毛づくろいを始めた。

「相棒のシトだ。色々情報を集めてくれる」

「こいつが? 鷹だぞ?」

「俺にはこいつの見たものが見えるんだよ。生まれつきの特技って奴さ」

 信じがたい話だが、こいつの事だし大丈夫だろう。

 仕事に関しては信用してもいい筈だ。

「じゃ、俺は宿に戻るぜ。君らも早く船に戻ンなよ?」

 そう言うとヴェリタはシトを腕に乗せたままその場から去っていった。

 オーレリアが口を開く。

「キセガワ様、戻りましょう。これ以上ここにいるのは危険です」

「ン、そうだな。しゃあねェ。戻るか」

 あの洞穴では見当たらなかったが、味方を一人増やす事が出来た。

 これだけでも収穫かもしれねェ。

 アタシ達はシップジャーニーへ戻る事にした。

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