チャプター7 ハッ、殺ず気か!!
スロースから逃走中、無茶な運転をしてしまったので、取りあえず荷物の状態を軽口を交え確認する
「安い38じゃなくてマグナム入れとけばよかったな。おーい、死んでるかー?」
「ぐふ・・・うぶ」
「ホントに死ぬとこだよ!怪我人いんだよぉ!」
「あわあわ・・・あ?」
一人ショックで放心状態のまま助手席に座って、後ろの女は興奮しすぎてろれつが変だが無事、怪我人は苦しんでいるが全員無事のようだ
「アハハ、ごめんごめん」
「ヒャーアァ!」
スロースが一人車にとりついていた。右の助手席の窓から顔を覗かせる彼をショットガンで撃つとふっ飛んでいった
「バン」
「ギャア」
「うわ!?・・・ハッ、殺ず気か!!」
助手席のやつは目の前で銃を撃たれて正気に戻ったらしい
「起きたか。後ろからまだくるぞ」
助手席のオッサン様子が少し変だ
「ツッッ、クソ。腕を折っちまったみたいだ」
「腕を見せて」
オッサンを治療しようと後ろの女性が身を乗り出そうとしたので弾切れのリボルバーを差し出し止めた
「治療は敵をまいた後だ。こいつに弾を込めろ!」
「なっ」
女がキレる前にオッサンが指示を出した
「弾を入れてやれ!持ち出した荷物に357マグナムあったろ!早く」
「わ、わかった!」
GSSメンバーの女はリボルバーを受け取りリュックを漁り始める
「次の右カーブで後ろのヤツを撃てるか?」
オッサンは無事な方の腕でサブマシンガンを握り返事する
「ああ」
「OK…もうすぐだ。3、2、1!今だ」
「ダララララララララ」
助手席から追跡者に乱射する
「キィ」
「ダラララララ、カッ」
追手を何台かスピードを落としたが銃の弾が切れる
「弾入れ終わったよ」
女が差し出したリボルバーを受け取ると革のジャケットに縫い付けてある左脇腹のホルスターに入れる
「次ショットガン!12ゲージ」
今度はショットガンを女性に渡し、同時にオッサンの指示が飛ぶ
「車両用のスラッグ弾入れてやれ!・・・くそ痛てぇえ」
隣のオッサンは銃を股に挟み片手で弾倉を交換し銃のボルト部分をこちらにむけてきた
「おし、ボルトを引いてくれ」
「おう」
「ガッコ」
サブマシンガンのボルトを引いてやると同時に、辺りが明るくなった。GSSの連中がはしゃぎだす
「林を抜けたわ!」
「ハーハハ。これで上を気にしないで済むぜ!」
「道が開けた!飛ばすぞ」
車を一気に加速させ引き離そうとするが、後ろからあのボスらしき太っちょが拡声器で何かを合図した。それに合わせてスロース達が声を上げる
「イッツ、ショータイム!」
「ィヤア!」
木の上に居たスロースが追跡者の車の荷台に跳び移り陣形をくんだ
「ギァアアアアアアアアア」
スロース達の車が一瞬遅くなった後急加速して追ってくる
「まだ追ってくるよ」
「ニトロか。こっちも使ってやれ!」
そう助手席のオッサンもこう言ってるし俺も使いたいのだが・・・
「・・・今切らしてるんだ」
「はぁ!?」
そんな目で見ないでくれ