2.メイキング
「へぇ~、<IRISU>って名前なんだ~♪」
「はい、創造神様につけていただいた大切な名前です!!」
「へぇ~、キレイな名前だよね~♪」
…突然声を掛けられた後、振り向いたところに居たのは、管理AIのIRISUという天使だった。
天使とは比喩でもなんでもなく、フレスコ画でよく見る天使そのままのアバターが居たのだ。
因みにこのIRISUちゃん、プレイヤー全員のアバターメイキングをサポートしているらしく、私で23240人目なんだそうだ。 しかし今までのプレイヤー達は皆、声を掛ける前にさっさとメイキングを済ませゲームを始めてしまったらしい。
IRISUちゃんは引っ込み思案だが、人とお喋りをするのは好きなのだそうだが…。
初めて会うプレイヤーとお喋りしたかったらしいが、生来の引っ込み思案とメイキングをさっさと済ませるプレイヤーの勢いに負け、私に声を掛けるまでお喋りできなかったんだそうだ…。
「あっ!!お喋り出来たのが嬉しくて、すっかり忘れてました。アバターメイキングをしましょう♪」
因みにIRISUちゃんはドジッ娘でも在るようだ。
「そうだね~んじゃ、始めようか~」
「ハイッ!!」(*^_^*)
IRISUちゃんは、白銀のゆるふわロングにサファイアのような切れ長の瞳、珊瑚のような唇、スッとした鼻筋にスッキリとした面長の顔立ち、スタイルは理想的なプロポーションで、真っ白い大きな翼に長衣風な白い服。
つまり、何が言いたいかと言うと……美人なのだよ。それも、女の私ですらドキッとするくらい。
なので…。
「グハッ!!」
そんな美人に至近距離で微笑まれたら………。
しばらくお待ち下さい。
――――――――――――――――――
「だ…大丈夫ですか?」
「だ…大丈夫大丈夫…」
な…なんとか持ちこたえられた!!IRISUちゃんは可愛過ぎました!!
くっ!…ドキドキが治まらない!?
「じゃ…じゃあ始めますね…」
「おっしゃっ!バッチコイ!!」щ(゜▽゜щ)
「…!?わ…判りました。で、では、此方のウィンドウからアバターメイキングを行われて下さいね♪」(^_^;)
「ほいほい♪」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
name:
種族:
job:
Lv: 1
ATK 10
DEF 10
INT 10
MIND 10
SPD 10
DEX 10
LUK 10
SP 10
skil
()()()()()
Sub
()()()
称号 無し
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「まずは、お名前を決めましょう!」
「う~ん…(ここは自分の名前をっと♪)」
「次は、種族とjobを決めましょう!」
「ここは、どうしよ…う~ん…ん( -_・)?…ランダムか…。」
「ランダムですと、通常選べないレアな種族やjobが当たることがありますよ♪」
因みに、通常選べる種族は、
人間:ステータスは平均、色々な道具を使う為手先が器用になりやすい。戦闘・生産どちらも大丈夫♪
選択可能…(ヒューマン)
亜人:様々な種族がある、魔族と呼ばれている種族は魔物扱いされるところもある。種族によりステータスが変わる。特化型が多い。
選択可能…(獣人、妖精族、魔族)
※魔族は人型とは限りません!
と、大別すれば二通り…だが、 亜人は説明文にもある通り一部以外は魔物とされ、NPCの対応が悪かったりする。
まあ、人間プレイヤーでもPKやNPKをすると、とても強くて怖い(ガチムチマッチョで半裸な)NPCに捕まり、暫く牢獄行きになったりもあるらしい。まあ、どちらを選んだとしてもその人の心掛け次第と言うことだ。
「う~ん…(面倒くさい~種族は良いとして、job多いよ~!!)」(;´д`)
*それもそのはず、jobは運営の悪ふざけのようなこんなのjob?というのも含まれていて(鎧とか、ホモォとか…)とても多いのだ…。*
「あ~もう良いや…種族もjobもランダムで良いや…」
「ランダムですか?種族とjobをランダムにすると自動的にスキルもランダムになりますけど…?」
「えっ!?それを先に言ってよ!!もう押しちゃったじゃない!」( ̄□ ̄;)!!
決定を押してしまってもう変えられなくなっていた。
「あわわわ…ご…ご免なさい!!」
「もう、いいよ~でも、次からは気をつけてね~!」
「あううぅ…はっ!あっあの!あ、後でお詫びの品を!!」
「別にいいんだけれど…」
「いえ!後で必ずや!!」
「う…うん、わかったわかった。ところで、ステータスチェックは、できないの?」
「は…はい、あちらについてからのお楽しみになります…」
「ふぅん、わかった!じゃあ、行くね…」
「あ………………。あの!お気をつけて!!」
「うん!またね♪」
「っ!ハイッまたお会いしましょう♪」
段々視界が白く染まって行くなか、私は少しの寂しさとこれから始まるゲームへの期待でドキドキしながら目を閉じるのだった。