風薫る協奏
月の明かりが弐番隊を照らしている。
枯葉が風に乗って空に舞っていった。
颯は風を纏い、地面を蹴るたびに渦巻く空気が舞う。
翠霞は毒霧を展開し、翠霞と颯の周囲に広げる。
翠霞は颯の傍で囁くように言った。
「視界が狭まっているんじゃない?」
颯は応じる。
「大丈夫だ。風で返す」
その瞬間翠霞の放った毒霧は風によって飛ばされた。
颯は風を刃のように飛ばし、翠霞は身を翻して避けつつ反撃の毒針を放つ。
颯は風を踏み飛びながら、連続攻撃を仕掛ける。
風と毒霧が入り混じり、訓練場全体が戦場となるーー
広場に移動すると、優雅は重力を自在に操りながら二人に言う。
「みんなもやってるみたいだし俺達も始めようか」
そう言った瞬間10力の向きを変え、動きを翻弄する。
響は轟砲を撃ち、蓮は触手を伸ばして同時に攻撃を仕掛ける。
優雅は指先から重力収束を発動し、地面や空中の重力を微妙に変化させた。
「重力を自在に…また新しい戦法か」
響が笑う。
「甘く見るなよ。今度こそ押さえ込む」
優雅が返す。
蓮は触手を伸ばしながら響に言った。
「重力を変えられても触手を出し続けれる」
響が蓮に一瞬目を向け
「なら足止めはあんたに任せるよ」
というと轟砲で連続攻撃を仕掛けた。
砂利や瓦礫が跳ね上がるが、優雅は重力を変化させて衝撃を吸収し、瞬時に反撃の位置を確保する。
蓮は触手で優雅の足や体を拘束しようとするが、優雅は指先で重力を逆転させ、触手を弾き飛ばした。
「拘束できてないじゃないか!」
響が叫ぶ。
それを聞き蓮が対抗する。
「こいつの技能が厄介すぎる!いくらこっちが触手を出しても止められる!」
「こちらもただ見ているわけじゃないからな」
優雅は重力を調整し、二人の動きを縛る。
優雅は立体的な攻防を展開し、重力の流れで二人を翻弄する。
二人は連携を取ろうとしながら反撃を試みるが、優雅の微調整が完璧で、互角の戦いが続く。
最終的に、三人は疲弊しつつも距離を取り、戦いを辞め、次の戦いに備えることにしたーー
それから何日か経った後に久しぶりに全員集合した。
迅が低く言った。
「これで弐番隊、全員揃ったな」
迅がみんなのことを見回す。
「みんな、ここまでよくやったな」
蓮が少し照れたように笑いながら言う。
「正直、優雅の重力には翻弄されたけど…勉強になった」
優雅は腕を組んで微笑む。
「これも次の戦いのためだ。人形使い、蝶使い、天狗が待ち構えている」
翠霞が自分の拳を軽く握りながら口を開く。
「次はあいつら三人を倒さなきゃ…」
颯は風を小さく巻きながら前を見据える。
「風のように素早く、でも確実に…」
響が拳を握り締め、言った。
「まあ、私たちならいけるでしょ」
灯真も笑みを浮かべた。
「これで弐番隊は本番に向けて準備万端そうだね」
訓練場の静寂に、全員の決意が重く響いた。
荒れ果てたコンクリートの床に、戦いの痕跡と、弐番隊の覚悟だけが残る
修行を終えた弐番隊の姿は、確かに一つにまとまっていた。
戦いはまだ始まったばかりだが、これで全員が次の戦いへ挑む準備を整えたのであるーー




