スカウト
断界戦線本部。
弐番隊の会議室。
天狗との戦いのあと、空気はまだどこか重かった。
雷牙が椅子にもたれながら言う。
「で、次どうすんだ?また魔獣狩り?」
悠雅が腕を組む。
「それもあるが、今回は違う」
翠霞が静かに言った。
「戦力を増やす」
雷牙が目を丸くする。
「え?弐番隊に?」
颯が笑う。
「そういうことだろ」
蒼真が全員に尋ねる。
「スカウトには誰が行くんですか?」
その時会議室の扉が開く。
そこに立っているのは灯真と玲司だった。
「それは僕たち2人だね」
蒼真が2人に聞く。
「スカウトするのはどんな人なんですか?」
玲司は肩を回しながら言う。
「あんま俺たちも分かってないんだよな。知ってるのはフリーで魔獣狩ってる二人組ってことくらい。まあ強いなら弐番隊に引っ張ってくる」
悠雅が腕を組む。
「素直に来るとは思えないがな」
玲司が笑う。
「来なきゃ来させるだけだ」
翠霞が少し呆れたように言う。
「喧嘩して連れてくる気?」
玲司は肩をすくめる。
「強いやつは大体そうだろ」
その横で灯真が軽く笑った。
「まぁまぁ、そこまで荒れなくても多分来ると思うけどな」
颯が聞く。
「理由は?」
灯真はポケットに手を入れたまま答える。
「魔獣を倒してるってことは、目的は僕たちと同じだ。話せば分かるタイプだと僕は踏んでる」
玲司が鼻で笑う。
「甘いな灯真、世の中そんな綺麗じゃねぇよ」
灯真は余裕の笑みを浮かべる。
「だから君が一緒なんでしょ?」
玲司は一瞬黙ってから笑った。
「はっ、確かにな」
雷牙が笑う。
「なんかバランスいいなそのコンビ」
灯真はドアに向かう。
「じゃあ行ってくるよ」
玲司も続く。
ガチャ。
二人はそのまま会議室を出ていった。
翠霞が迅に聞く。
「連れてくるのはその二人だけなんですか?」
「いや、もう一人連れてきたいやつがいる」
迅は答えた。
雷牙が笑う。
「よし、誰が行く?」
迅が雷牙の方を見ながら言う。
「今回連れていく奴は決まってる、俺と…」
迅は蒼真の方を向く。
「蒼真、お前だ」
蒼真が少し驚く。
「俺?」
迅は頷いた。
「探す相手は俺の知り合いだ」
雷牙がすぐ反応する。
「え!?迅さんの知り合い?」
颯が笑う。
「珍しいですね」
悠雅も少し意外そうに言う。
「どんな能力なんですか?」
迅は答える。
「時間を操る能力だ」
一瞬、会議室が静かになる。
雷牙が固まる。
「……時間?」
颯が苦笑する。
「それはまた、とんでもないですね」
翠霞も目を細める。
「もし本当なら、かなり強いわね」
迅は蒼真を見る。
「行くぞ」
蒼真は小さく笑う。
「分かりました」
二人は立ち上がると、雷牙が手を振る。
「おーい!絶対連れてこいよ!」
颯も続ける。
「弐番隊に来たら面白そうだ」
悠雅が静かに言う。
「戦力は多い方がいい」
迅と蒼真は会議室を出ていった。
弐番隊の戦力を増やすためにーー




