表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断界の英雄  作者: 明太子
疾風決戦
52/61

鎖獄

天断風が草原を裂いたあと、地面には長く深い傷が残っていた。

削り取られた土と岩が散らばり、草原の形が変わってしまったかのようだった。


迅は鎖を軽く振る。

ジャラ……と静かな金属音が響く。


その音に天狗が少し眉を動かす。


よく見ると、草原のあちこちに鎖が残っていた。

岩、地面、木、砕けた岩壁。


戦いの中で打ち込まれた鎖。


天狗はゆっくり言う。

「なるほど」


迅は静かに答える。

「やっと気づいたか」


その瞬間、迅が鎖を強く握る。


ジャラララララッ!!


草原中の鎖が一斉に動いた。

地面から何本もの鎖が跳ね上がり、空中へ伸びる。


天狗はすぐに風閃で回避しようとする。

しかし逃げ道がない。


鎖が空中のすべてを埋めていた。

まるで鉄の檻。


迅が低く呟く。


「鎖獄」


次の瞬間、無数の鎖が天狗へ襲いかかる。


ドドドドドッ!!


鎖が天狗の体を貫き、胸や肩、腕を突き抜ける。

金属音と共に体が空中で止まる。


さらに鎖が地面へ打ち込まれる。

天狗の体は完全に固定された。


空中の磔、風が止まる。

天狗はしばらく黙ったが、やがて小さく笑う。


「なるほど……」

口から血が流れる。


「いい技だ」


迅は鎖を握ったまま動かない。

「終わりだ」


天狗は空を見上げる。

そして言う。


「いや」


その目が鋭く光る。

「まだだ」


しかし風はもう唸らないーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ