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断界の英雄  作者: 明太子
疾風決戦
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風と鎖

草原に風が吹く。

倒れている四人の間を、静かな足音が通る。


ジャラ……

金属の擦れる音が響く。


迅がゆっくりと歩いていた。

手には長い鎖。

鉄の輪がいくつも連なり、地面をかすめる。


雷牙たちを一瞬だけ見る。

「……よくやった」と小さく呟く。


そして天狗を見る。

「ここからは俺だ」


天狗は肩を回す。

「四人でも駄目だったのに?」


迅は鎖を軽く振る。

「試してみろよ」


その瞬間、天狗が消える。


ドン!!


一瞬で距離を詰め、風をまとった蹴り――


「天風脚」


だが――

迅の鎖が唸る。


ガキィン!!


鎖が空中で弧を描き、蹴りを弾く。


衝撃で草が一斉に伏せる。

天狗の目がわずかに細くなる。

「ほう」


迅はそのまま鎖を振り上げる。

「鉄鎖乱舞」


ジャラララララッ!!


鎖が竜巻のように回転する。

鉄の嵐が天狗へ襲いかかる。


天狗は空へ跳ぶ。

だが迅はすでに次の動きに入っていた。


鎖を遠くの岩へ放つ。

ガキン!!

岩に鎖が食い込む。


次の瞬間、迅の体が引き寄せられる。


鎖を支点に高速移動をして、空中を駆ける。

そして天狗の目の前へ一瞬で迫る。


鎖が一直線に突き出される。


だが――

天狗の姿が揺らぐ。


「風閃」

風閃で高速移動をした天狗はすでに迅の背後。


「遅い」

天狗が腕を振る。


「烈風掌」


ドォォン!!


圧縮された風の衝撃波が放たれる。

草原がえぐれる。


迅は鎖を地面へ叩き込む。

鎖が地面へ食い込み、体を固定する。

衝撃波が横を通り過ぎ、土と草が吹き飛ぶ。


迅はすぐに鎖を放つ。


ヒュン!!


蛇のように伸びる鎖。


「蛇鎖」

鎖が天狗の足へ絡みつく。


ギリッ!!


天狗の動きが止まる。

その瞬間、迅が鎖を引く。


天狗の体が一瞬だけ引き寄せられる。


だが――

風が爆発する。


ドォン!!


鎖が弾き飛ばされ、天狗が空中へ浮かび上がる。

草原全体の風向きが変わる。


「……面白い」

天狗の周囲に風が集まり始める。

草が一斉に揺れる。

空気が震える。


「少し遊びすぎたな」

腕を広げると同時に風が渦を巻く。


「天嵐」


ドォォォォォン!!


巨大な風の奔流が草原を走る。

地面が削れ、土が舞い上がる。

迅は鎖を次々と地形に引っ掛ける。


岩、木、地面の三方向へ鎖を固定。

その鎖を軸に体を引く。

風の奔流をすり抜けるように回避。


天狗の目がわずかに見開く。

回避の途中で急停止した迅が鎖を空へ放つ。


何本もの鎖が空中に広がる。


ジャララララ……


空間が鎖で埋まり、迅が静かに呟く。


「そろそろ」


鎖を強く握る。


「本気でいくぞ」


天狗の口元が歪む。

「いいだろう」


風がさらに強くなる。

空が唸る。

迅の鎖が空間に広がる。


風 vs 鎖


草原の戦いは――

さらに激しくなる。

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