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断界の英雄  作者: 明太子
疾風決戦
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消えゆく羽

丘の上の戦場は、舞う蝶と鱗粉で霞んでいた。

響と玲司は息を整えながらも、互いに視線を合わせ、戦況を読み合う。


蝶使いは微笑みながら舞う。

指先から放たれた蝶が一直線に飛び、玲司の跳躍を読みながら迫る。

玲司は瞬時に空間を入れ替え、攻撃をかわすが、舞う蝶の数は増え、視界を覆い始める。


響は波動を集中させ、砂煙と鱗粉の中を切り開く。

「まだ……諦めない!」

二人は互いの動きを補完し、連携して蝶の衝突攻撃を抑えながら近づく。


蝶使いは笑みを浮かべ、蝶を爆発させ岩や地面を粉々にする。

その衝撃で玲司は一瞬バランスを崩すが、すぐに空間跳躍で位置を回復。

響は波動で反撃の道を作り、二人は一気に接近戦へと持ち込む。


「……ここまでかしら?」

蝶使いは翼のように羽ばたき、二人の間を縫うように飛び回る。

玲司が拳を振ると、蝶を避けながら巧みに打ち返す。

響は波動で空間を揺らし、蝶の軌道を乱す。


互角の攻防が続き、戦場は風と羽ばたき、砂煙の渦で混沌としていた。

何度も跳躍、回避、反撃を繰り返す二人に対し、蝶使いは冷静に間合いを保ちつつ攻撃を加える。


そして、瞬間――

蝶使いは指先で一度大きく舞い、空中の蝶を一点に集める。

一直線に飛んだ蝶たちは、響と玲司の体を貫通するように襲いかかる。

風圧と衝撃が二人を押しつぶし、膝をつかせる。


「……これで……終わりよ」

蝶使いは微笑み、空中に舞い上がる。

そのまま風に乗るように消え、丘の上には砂煙と舞う羽だけが残った。


響と玲司は互いに支え合いながら立ち上がろうとする。

致命傷を負いながらも、まだ完全に倒れたわけではない。

戦場には、消えた蝶使いの幻影のような羽ばたきの残響だけが漂っていた――

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