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貫通、融解
草原に張り詰めた緊張感。
灯真は鬼を駆使し、地面を叩きながら人形使いを追い詰めていた。
金棒を振り、鬼を飛ばし、相手の動きを封じる。
人形使いは巧みに避けつつも、着実に押され始める。
しかし人形が溶けた瞬間、人形使いのパンチが灯真に直撃。
「ぐっ……!」灯真の胸部が衝撃で揺れ、胸を貫かれ、そのまま倒れ込む。
その瞬間倒れたはずの灯真の体が鬼の姿になっていく。
その時、人形使いの後ろから灯真が飛び出す。
金棒を両手で握り、勢いよく振り上げる。
「――これで終わりだ!」
金棒が人形使いの胴体を直撃し、衝撃で吹き飛ばされる。砂塵が舞い上がり、草原に静寂が戻る。
人形使いは地面に倒れ、静かに手を上げる。
「降参だ!さすがにもう戦えねえよ」
灯真はそこに座り込み、影鉄を収める。
すると、人形使いの体が微かに震え始める。
次の瞬間、肌がどろりと溶け出し、地面に向かって流れ落ちる。
残ったのは溶けた人形のような泥だけ――まるで戦場から消えていくかのようだった。
「…逃げられちゃったか」
蒼真の隣に移動した灯真はそのままそこで寝転んだ。
草原には、戦いの痕跡と、勝利者たちの静かな呼吸だけが残る。
鬼は再び灯真の足元に戻り、静かに膝をつく。
風が草を揺らし、戦闘の熱はゆっくりと冷めていった。




