増え続ける泥
広大な草原に、無数の人型の影が揺れるように姿を現した。
「……くそ、数が多すぎる」蒼真は二刀を握りしめ、最初に目の前に現れた人形を斬り払う。
灯真も金棒を振り上げ、鬼を召喚して人形を粉砕する。
「僕も負けてられないね!」
しかし、斬っても殴っても人形は地面から湧き上がる。
草の陰、土の割れ目、遠くの丘……あらゆる方向から同じような人型の影が現れ、二人は物理的に離れ離れになった。
蒼真は何度も切り返すが、数の暴力に押され、背中に冷たい汗が滲む。
「くそ……減っても減っても、キリがない……!」
灯真も鬼を駆使して前線を維持するが、人形は群れのように流れ込み、次第に一歩も動けない状況に。
「蒼真、ここは俺に任せろ!」灯真が叫び、鬼が人形の群れに突撃する。
蒼真は二刀で切り払いながらも、視界の隅に奇妙な動きを捉えた。
他の人形と違い、微かに反応が早く、斬撃をかわす。
「……あれ?」
近づくにつれ、その人型は動きが滑らかで、ぎこちない他の人形とは明らかに違った。
「……何者だ……?」蒼真が息を整える。
灯真の鬼が人形の一部を薙ぎ倒すが、群れはさらに押し寄せる。
「まだ湧いてくるのか……!」灯真の声が草原に響く。
蒼真は体を低く構え、二刀を握り直す。
「……行くしかない……!」
その瞬間、人形の中から一体の人型が、他と違う動きで飛び出してきた。
その動きは確実に蒼真を狙っており、拳が振り下ろされる。
「蒼真、気をつけろ!」灯真の声が届く前に、距離はすでに離れすぎていた。
蒼真は二刀を構え、目の前の敵を睨みつける。
「……こいつ、普通じゃない……!」
草原に生き残ったのは蒼真と、謎の人型――人形使いだけ。
風が吹き抜け、草がざわめく中、蒼真は覚悟を決め、前に踏み出す。
「……行くしかない……!」
蒼真は深く呼吸した。




