雷蠍、最高潮
戦場は優勢に傾いていた
ーーはずだった
平原には、まだ砂塵と雷の残響が漂う。
雷蠍は尾を大きく振り上げ、青黒い雷を帯びた衝撃波を発生させた。
「尾雷嵐――!」
その一撃は、平原全体を巻き込み、仲間たちを蹴散らす。
灯真は影鉄を振るうも、衝撃波の前に膝をつく。
「ぐっ……!」
悠雅は重力操作で避けようとするが、尾の軌道を読めず制御が効かない。
玲司は空間跳躍で回避を試みるも、尾の衝撃波で体勢を崩される。
灯真、玲司、悠雅――次々と倒れ、戦闘不能に。
その中、響は全力で蒼真の前に飛び出した。
「蒼真、下がれ!」
波動で尾の衝撃波の一部を逸らし、蒼真を守る。
「響……!」
蒼真は胸を抑え、響の勇敢な行動に驚く。
雷蠍は尾を振り上げ、再び雷の衝撃を放つ。
響は最後の力で受け止める。
金属音と衝撃が響き渡り、響は平原に崩れ落ちる――
しかし蒼真は響が前に出てくれたおかげで無事だった。
仲間たちは次々と戦闘不能となり、蒼真一人だけが立っている。
雷蠍の尾はまだ振り上げられ、空気を震わせる。
蒼真は深く息を吸い込み、刀を握り直す手に力を込めた。
「……みんなの分も、僕が……」
目の前の雷蠍を見据え、蒼真の目に新たな決意が灯る。
平原に雷と砂塵が舞う中、彼の手からほのかに光が灯った。
「……来い、雷蠍」
「楽しませろよ?」
平原は静寂に包まれ、雷蠍と蒼真の最終決戦が始まろうとしているーー




