影鉄
森の奥深く、黒い影が揺れる。
前回よりもさらに巨大で禍々しい魔獣が姿を現す。
赤い眼光が二人を睨み、唸り声が森に響く。
「……蒼真、気をつけろ」
灯真は冷静に指示を出しつつ、鬼を周囲に展開する。
蒼真は刀を握り、体を光で包む。
「瞬閃――!」
光速の斬撃が魔獣の腕をかすめる。
しかし魔獣は圧倒的な力で反撃。
蒼真は受け止めきれず、胸を深く裂かれる致命傷を負い、膝をつく。
「くっ…蒼真!」
灯真は焦らず、鬼を魔獣の周囲に飛ばして攪乱させる。
そして灯真は金棒を片手に召喚する――
「影鉄――!」
黒く光る金棒が灯真の手に現れ、森を震わす一撃を叩き込む。
枝葉が舞い、魔獣の足元の土が飛び散る。
鬼を駆使しつつ、灯真自身も魔獣に立ち向かう。
魔獣は巨大な攻撃を仕掛けるが、冷静に避け、影鉄で一撃一撃を正確に当てる。
鬼が魔獣の動きを封じ、灯真は間合いを詰める。
金棒を振り上げ、空気を切り裂く一撃を放つと、魔獣の肩が弾き飛ばされ、木の幹に衝突する。
魔獣は怒号をあげ、前脚で連続攻撃。
灯真は影鉄で受け止め、反動を利用して強烈な振り下ろしで魔獣の背中を裂く。
森を揺るがす激しい攻防。
灯真の鬼と影鉄の連携で、魔獣は次第に追い詰められる。
ついに、魔獣は地面に崩れ落ち、黒い粒子となって風に溶ける。
咆哮は消え、森に静寂が戻った。
蒼真は倒れ、息を荒げる。
灯真は影鉄を下ろし、鬼を消す。
「……よくやった、蒼真。…ごめんな」
森の奥に潜む影を警戒しつつ、灯真は蒼真を支えながら任務区域を後にした。
夕日に照らされる影が長く伸び、次の戦いを予感させていた――




