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断界の英雄  作者: 明太子
技能者たちの黎明
20/64

影鉄

森の奥深く、黒い影が揺れる。

前回よりもさらに巨大で禍々しい魔獣が姿を現す。

赤い眼光が二人を睨み、唸り声が森に響く。


「……蒼真、気をつけろ」

灯真は冷静に指示を出しつつ、鬼を周囲に展開する。


蒼真は刀を握り、体を光で包む。

「瞬閃――!」

光速の斬撃が魔獣の腕をかすめる。


しかし魔獣は圧倒的な力で反撃。

蒼真は受け止めきれず、胸を深く裂かれる致命傷を負い、膝をつく。


「くっ…蒼真!」

灯真は焦らず、鬼を魔獣の周囲に飛ばして攪乱させる。


そして灯真は金棒を片手に召喚する――

「影鉄――!」

黒く光る金棒が灯真の手に現れ、森を震わす一撃を叩き込む。

枝葉が舞い、魔獣の足元の土が飛び散る。


鬼を駆使しつつ、灯真自身も魔獣に立ち向かう。

魔獣は巨大な攻撃を仕掛けるが、冷静に避け、影鉄で一撃一撃を正確に当てる。


鬼が魔獣の動きを封じ、灯真は間合いを詰める。

金棒を振り上げ、空気を切り裂く一撃を放つと、魔獣の肩が弾き飛ばされ、木の幹に衝突する。


魔獣は怒号をあげ、前脚で連続攻撃。

灯真は影鉄で受け止め、反動を利用して強烈な振り下ろしで魔獣の背中を裂く。


森を揺るがす激しい攻防。

灯真の鬼と影鉄の連携で、魔獣は次第に追い詰められる。


ついに、魔獣は地面に崩れ落ち、黒い粒子となって風に溶ける。

咆哮は消え、森に静寂が戻った。


蒼真は倒れ、息を荒げる。

灯真は影鉄を下ろし、鬼を消す。

「……よくやった、蒼真。…ごめんな」


森の奥に潜む影を警戒しつつ、灯真は蒼真を支えながら任務区域を後にした。

夕日に照らされる影が長く伸び、次の戦いを予感させていた――

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