終わりなき影
任務区域に着いた蒼真と灯真。
森の端に黒い影が揺れる。巨大な魔獣だ。赤く光る目が二人を睨み、唸り声をあげる。
灯真は片手を軽くかざし、淡い笑みを浮かべる。
「蒼真、君の力を見せる時だ」
「――黒魍」
黒く禍々しい鬼が灯真の周囲に現れ、飛び回る。
灯真は鬼を操りながら、自らも魔獣に突進して攻撃を加える。
蒼真は刀を握り、体を光で包む。
「瞬閃――!」
光速の斬撃が魔獣の腕をかすめ、動きを封じる。
魔獣は咆哮を上げ、前脚を振り下ろす。
蒼真は空中で姿勢を立て直し、地面に着地する。
灯真は冷静に指示を出すと同時に、鬼と共に魔獣の懐へ飛び込み攻撃。
「隙を作れ!」
鬼が魔獣の動きを誘導し、灯真の一撃が筋肉を斬り裂く。
蒼真も再び速度を上げ、瞬閃を連続で繰り出す。
黒い粒子が魔獣の体から剥がれ、風に溶けるように崩れ落ちる。
咆哮が止み、静寂が戻る。
蒼真は息を整え、灯真を見上げる。
「……ありがとうございました」
灯真は肩をすくめ、余裕の笑みを浮かべる。
「まだまだだな、蒼真。でもよくやった」
二人は任務区域を後にし、断界戦線本部へ戻ろうとする。
しかし――
森の奥深くで、再び黒い影が揺れる。
咆哮が遠くから響き、別の魔獣の姿がゆっくりと現れる。
灯真は微笑んだまま、蒼真に目を向ける。
「まだ終わりじゃないようだな、蒼真」
蒼真は刀を握り直し、再び戦闘態勢を整える。
「……行きましょう、灯真!」
影が動き、二人の新たな戦いが幕を開ける――




