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断界の英雄  作者: 明太子
技能者たちの黎明
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閃光の影

巨大魔獣が地面を蹴り、蒼真たちに突進してくる。

その爪が地面を抉り、土煙が舞う。


「くっ…!」

蒼真は刀を握り、全身の筋肉を研ぎ澄ます。

速度だけでは間に合わない攻撃が迫っていた。


悠雅が手をかざす。

「――重圧領域」

指定した空間の重力が増し、魔獣の体を地面に押し付ける。

その動きは鈍く、蒼真の回避が容易になった。


響が手を前に出す。

小石や空気を吸い込み、一点に圧縮する。

「――轟砲!」


拳ほどの黒い球体が生まれ、魔獣の肩に叩きつけられる。

魔獣は痛みに唸るが、まだ倒れない。

さらに爪を振り下ろす。


その瞬間、玲司が一歩踏み込むと、体がふっと消えた。

次の瞬間――

魔獣の背後に現れ、強烈な蹴りを叩き込む。


「虚空蹴り!」


空間を裂き、一瞬で位置を入れ替えるその蹴りは、

魔獣を地面に叩きつける威力を持っていた。


蒼真は瞬時に理解する。

「今だ…!」


体が光に包まれ、一瞬で魔獣の横に回り込む。

「瞬閃――!」

刀が閃き、魔獣の筋肉を斬り裂く。


しかし、魔獣は完全には止まらなかった。

痛みに咆哮を上げ、後ろ脚で地面を蹴り、蒼真たちを吹き飛ばそうとする。


蒼真は空中で姿勢を立て直す。

「くっ…まだ粘る!」


悠雅が素早く手をかざす。

「――重圧領域」

今度は魔獣の動く範囲を広めに指定し、全体の重力を増大させる。

魔獣の巨体が地面に押し付けられ、動きがさらに鈍る。


響は小石や木片を吸い込み、一度に数発の球体を作る。

「――轟砲、連射!」

圧縮された球体が高速で魔獣に突き刺さり、肩や足に深く打ち込まれる。


魔獣は痛みに吠え、咆哮で周囲の木々を揺らす。


その隙間を縫って、玲司が瞬間移動する。

「虚空蹴り!」

背後から蹴りを入れ、魔獣の体勢を崩す。


蒼真はその隙を見逃さず、再び刀を振るう。

「瞬閃――!」

光の残像が残る高速斬撃が魔獣に命中。


魔獣は咆哮を上げながらもなお立ち上がろうとするが、四人の連携攻撃が一点に集中し、ついに動きが止まった。


黒い粒子が魔獣の体から剥がれ、風に溶けるように崩れていく。


蒼真は息を整え、仲間たちを見渡した。

「……倒せたか」


響が小さく頷く。

「……まだ余裕はあるわね」


悠雅も笑みを浮かべる。

「初任務としては完璧だ」


玲司は肩を回しながら、少し楽しそうに言った。

「新人、悪くない。次も期待できそうだな」


蒼真は胸を張り、仲間たちと共に次の任務へ向かう決意を固める。


四人の影が夕日に伸びる。

光と影――それは、まさに戦場で刻まれた 「閃光の影」 だった。

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