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合格
最後の魔獣が低く唸る。
その体は筋肉を膨らませ、蒼真へと飛びかかった。
蒼真は地面を蹴る。
だが魔獣の爪が、想像以上の速さで振り下ろされた。
「速い――!」
蒼真は咄嗟に身をひねり、ギリギリで避ける。
地面が大きく抉れた。
悠雅が手を前に出す。
「……重くなれ」
次の瞬間、
魔獣の体が突然沈んだ。
見えない重力が、その体を地面へ押し付けている。
「蒼真!」
悠雅が叫ぶ。
「今だ!」
蒼真は一瞬で理解した。
地面を蹴る。
重力に押さえつけられた魔獣の横へ一瞬で回り込む。
刀が閃いた。
鋭い斬撃が、魔獣の体を深く切り裂く。
魔獣の動きが止まる。
そして――
その体は黒い粒子となり、崩れ始めた。
風に溶けるように、完全に消えていく。
静寂が戻った。
玲司が肩を回す。
「任務完了、ってところだな」
響は周囲を見渡す。
「……もう反応はない」
蒼真は刀を鞘に収めた。
「終わった……」
悠雅が軽く笑う。
「初任務にしては上出来だ」
玲司が蒼真の肩を軽く叩く。
「新人、悪くない」
響も小さく頷いた。
「……合格」
蒼真は少し驚く。
その時――
玲司の端末が小さく鳴った。
玲司が画面を見る。
「……ん?」
表情が少し変わる。
「どうしたの?」と響。
玲司はゆっくり言った。
「どうやら――」
「別の場所で魔獣が出たらしい」
蒼真たちは顔を見合わせた。
どうやら、戦いはまだ終わらないようだった。




